「貧困社会」のニュースを見ても、どこか他人事として考えていませんか? 日本では今、貧困化が加速し、低所得者の数が急増しています。本記事では、恵比寿吉之助氏の著書『50代から年収100万円アップできる老後資産構築法』(ごきげんビジネス出版)から、貧困層へ落ちないためにやるべきことについて解説します。

貧困が加速し、日本人の7割以上が「貧困層」になる予想も

最初にお伝えしたいのは、今の日本は、すでに「貧困社会」になっているという現実です。さまざまなニュースで聞いたことがあると思いますが、日本の低所得者の数はどんどん増えているのです。

厚生労働省の統計(国民生活基礎調査)をもとに、年収を1000万円以上の高所得者、500万円から1000万円の中間層、500万円以下の低所得者と3つの区分に分けると、なんと低所得者が全体の6割も占めています。国民の半数以上が低所得者ということです。あまりの低所得者の多さに私は愕然としました。

25年前の日本は、高所得者が全体の2割で、中間層と低所得者が4割ずつ。「1億総中流」といわれるほど、中間層の人が非常に多かったのです。

しかし、バブル崩壊リーマンショック東日本大震災新型コロナウイルスなど、どんどん不景気になって中間層が減り、低所得者が増えているわけです。

今後、AIの普及や技術革新で仕事そのものがなくなり、多数の労働者が失業するとの予測もあります。このままいけば、さらに中間層が減って、低所得者が全体の7割以上を占めると予想しています。

お金の不安って増すばかりですよね。会社の給料は上がらないです。2022年1月に発表されているNHKの世論調査でも、約7割が「賃金は上がらない」と回答しています。

物価はじわじわと上がっていますし、社会保障費も増加していますので、手取り収入は減っています。少しずつ首が締められている状態です。終身雇用はとっくの昔に崩壊し、多くの企業が副業を解禁するなど、会社は社員の面倒を見切れない状態なのです。

退職金や年金もあてにできません。「老後2000万円問題」と話題になりましたが、年金だけでは老後の生活費が2000万円足りないといった試算が出て、大騒ぎになりましたよね。

家計に関しては暗い話ばかりです。今の日本はこういう状況ですから、何の努力もしない中間層はジリ貧で生活が苦しくなり、そのまま低所得者に転落してしまうでしょう。何もしなければ、待っているのは「老後破産」です。

老後に向けて2000万円貯金するのに何年かかる?

もし、老後の生活費2000万円を「貯金」しようとすると、どれくらいの年数がかかるのか計算したことはありますか?

その答えはなんと、毎月10万円ずつ貯金しても20年間もかかってしまいます。毎月10万円の貯金なんて相当に頑張らなければできないですし、それを20年間も続けても、老後はギリギリで生活できる水準にしかならないのです。

貯金だけで老後の資金を用意するのは、現実的ではありません。国も「貯蓄から投資へ」という方針を掲げています。これからは、投資で「お金を増やす」ことが必要なのです。

貧しい老後にならないため「3つの収入源」を持つ

あなたの収入源は、現在いくつありますか? ここからは、収入源についてお話していきましょう。

収入源が1つしかないのは危険すぎる

会社員なら給料の収入、自営業の方なら事業収入など、たいていの方は収入源が1つしかないと思います。私もそうでした。

もし、あなたが一部上場企業に勤めていて、年収1000万円以上あっても安泰ではありません。会社がつぶれるかもしれませんし、クビになる可能性もあります。病気になって働けなくなるかもしれません。収入源が1つしかないと、今の仕事を失ったら収入はゼロ。

会社の業績悪化、左遷や降格で収入が1〜2割下がることは珍しくありません。役職定年や嘱託職員になれば収入が半減。収入が下がるとダイレクトに生活レベルが下がります。収入減が1つしかないのは、非常にリスキー。「収入が減ったらどうしよう」とビクビクしながら暮らすことになります。

今すぐ2つ目の収入源づくりをスタートしましょう。

2つ目の収入源を「投資」でつくる

本業以外の収入源をつくる場合、大きく分けて3つあります。

1.アルバイト(仕事の掛け持ち) 2.起業(自分でビジネスを立ち上げる 3.投資(株式・不動産)

あなたなら、どうしますか?

まずアルバイトについて、会社の仕事が終わってから深夜のコンビニで働くなど、時給の労働を追加すれば、お小遣い程度は稼げるでしょう。ただ、仕事の掛け持ちは、ものすごく疲弊します。寝不足で本業に悪影響が出かねませんし、副業がばれてしまえば、クビや降格になるリスクもあるのです。

では、起業する場合はどうでしょうか。起業は当たれば大きく稼げますが、成功の保証がまったくありません。ビジネスが軌道に乗るまで無収入が続きます。それに、今まで会社員しかしてこなかった人がゼロからビジネスを立ち上げるのは、非常にハードルが高いです。手間も時間もかかるので、心が折れやすく、万人向きではありません。

残る選択肢は「投資」です。投資なら、「自分のかわりにお金に働いてもらう」ことが可能ですから、時間が犠牲になりにくいです。

では、どのような投資をすればよいか。株式・FX・仮想通貨などは、社会情勢の変化で大きく変動しますので、大損するリスクがあります。

仮にやってみたとしても、こまめにチャートの変動をチェックして売り買いできますか?本業の忙しい人は難しいですよね。そもそも、景気の変動などは自分でコントロールできません。株式・FX・仮想通貨など相場で左右される投資は「一か八かのギャンブル」だと私は思っています。

その点、不動産投資なら、やり方を間違えなければ家賃収入が安定的に入ってきやすいです。一旦、入居者が入ってしまえば、やることはほとんどありませんので、本業が忙しい人にもピッタリ。収入を生む仕組みがつくりやすいでしょう。仕組みをつくれば、家で寝ていても旅行に行ってもお金が入ってきます。

ですから、2つ目の収入源として初心者が取り組みやすいのは「不動産投資」です。客観的にさまざまなリスクを考えた上で、不動産投資こそが2本目の収入の柱にふさわしいと私は考えています。収入源が1つしかない方は、まず不動産投資で2つ目の収入の柱をつくりましょう!

3つ目の収入源を「起業」でつくる

不動産投資である程度の家賃収入が入ってくるようになったら、3つ目の収入源をつくりましょう。3つ目の収入の柱は、「起業」がオススメです。起業といっても、資格スクールに通ったり、違う業種に進出したり、ということではありません。

なかでもおすすめなのが、築古空き家を安く購入し、リフォームして賃貸で稼ぐ「空き家投資」です。空き家投資の知識を身につければ、その知識をもとにビジネス収入を得ることが十分可能です。2本目の収入の柱をつくったノウハウが3つ目の収入源をつくるのに、そのまま使えます。空き家投資であれば、2本目と3本目の収入源を同時並行でつくることができます。

恵比寿 吉之助

中高年の資産所得倍増アドバイザー

※本記事は『50代から年収100万円アップできる老後資産構築法』(ごきげんビジネス出版)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。