ロサンゼルスの高級住宅街ビバリーヒルズの大邸宅に不法侵入者たちが居座り、どんちゃん騒ぎを続けて近隣住民を困らせている。
ビバリー・グローブ・プレイスにあるこの物件の仲介業者ジョン・ウッドワード氏によると、迷惑なこの連中は2023年10月下旬に当邸宅に入り込んできて、それ以来居座っているという。
ウッドワード氏はロサンゼルス郡刑事裁判所からこの物件を売却するよう任命されている。
【画像】 何者かが鍵と暗証番号を変更して邸宅に入り込み貸し出している
Squatters turn Beverly Hills mansion into party house
どうやら何者かが錠前屋と一緒にこの家の敷地内に入り込み、巨大な門の鍵と暗証番号を違法に変更して、ほかの数人の人間に貸し出しているらしい。
この件が発覚してすぐに、ウッドワード氏は警察に通報したが、不法侵入者たちは”偽”の賃貸契約書を持ち出した。
警察からは、これは民事問題で物件がある場所はビバリーヒルズ警察ではなく、ロサンゼルス警察の管轄だとしてなにもコメントできないと言われた。
一方、ロサンゼルス警察も情報要請にすぐには応じなかった。
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どんちゃん騒ぎを繰り返す不法侵入者
「おそらく、警察はこの家に50回は出動しているでしょう」ウッドワード氏は言う。「クラックパーティ、笑気ガスパーティ、乱交パーティ、やりたい放題ですよ」
連中は、この邸宅の部屋を「ビバリーヒルズ・ロッジ」と宣伝して貸し出しているらしい。麻薬や迷惑行為で逮捕者が出ているが、それでも夜ごとの騒音がやむことはない。
連中は毎晩、大騒音パーティを繰り広げ、近隣住民は大変迷惑しているのです」
治安が乱れる高級住宅地、近隣住民は激怒
このとんでもない状況に怒りがおさまらないのは、当然のことながら近隣住民だ。
不法侵入者たちはどんちゃん騒ぎを繰り返し、参加者から入場料を徴収したりすることもある。
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ビバリーヒルズとベルエアーの境にあるこの邸宅周辺には、使用済みコンドームや麻薬吸引用の器具などが散乱しているという。
住民のひとりが語ったところによると、夜中の2時という真夜中に、ウーバーイーツを含め、パーティ参加者たちが大音響をたてて車やバイクで到着し、所かまわず停めて、狭い一車線の道をふさいでしまうのだという。
問題の家の隣の物件を所有し、現在貸しているフラン・ソロモン氏は、まるでピットブルがうろつきまわっているようだと言う。
「子だくさんのピットブルが徘徊しているみたいな騒ぎですよ」ソロモン氏は言う。
「泥酔して千鳥足で家を出入りしたり、峡谷を車で走り回ったりしています。死人が出ないと、警察は動いてくれないのでしょうか」
ソロモン氏は、家を貸しているテナントは武装した警備員を雇って、不測の事態に備えなくてはならない状態だと語る。
この家の元所有者は、殺人容疑でレバノンに逃亡中
ウッドワース氏によると、この広大な地中海風邸宅をめぐる混乱は、所有権の問題から生じていると説明する。
現在、450万ドル(6億6千万円)で売りに出されているこの家の元の所有者は、整形外科医のムニール・ウワイダ氏だそうだ。
交際相手だったとされる21歳のモデル、ジュリアナ・レディング殺害の容疑者だが、現在レバノンに逃亡している。
2015年の報道によると、ウワイダ氏は健康保険詐欺にも関与していて、相変わらず行方不明のままだという。
不法占拠で買い手がつかない状態に
1999年に建てられたこの物件は、売りに出されてから複数の申し込みがあったが、所有権に関する問題と、現在の不法占拠状態のせいで、売買が成立するどころではないという。
ウッドワード氏は、ロスでのブローカーとしての40年以上のキャリアの中でこのようなケースは初めてだという。
そもそもこの物件を誰が正式に所有しているのか、はっきりしていないとのことだ。
ビバリーヒルズは全米でも有数の高級住宅街だが、最近の治安が悪化をうけ、小売店や銀行、レストランなどが次々と閉店し、一部ではゴーストタウンと化している。
References:Beverly Hills mansion overrun by hard-partying squatters — outraging neighbors / 'Squatters' take over Beverly Hills mansion, throw wild parties / written by konohazuku / edited by / parumo
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