ラ・リーガ第22節が28日に行われ、ジローナとセルタが対戦した。

 今季のヨーロッパで最大の“サプライズ”と称されているジローナは、前節終了時点で2位のレアル・マドリードより消化試合数が1つ多い状況ながら、1ポイント差をつけて暫定首位を走っている。ここまでのラ・リーガでの成績は16勝4分わずか1敗。勝ち点「52」を積み上げた。今節を既に消化したレアル・マドリードはラス・パルマスを相手に2-1で勝利したため、現在は2位という状況。首位の座を守り抜くためにも、ここまで3勝8分10敗という成績を残すセルタを敵地で打ち破りたい。

 立ち上がりから良い入りを見せたのはジローナ。10分、ペナルティエリア手前でクリアボールを拾ったヤンヘル・エレーラが胸トラップから強烈なミドルシュートを放つも、わずかに枠の外へ。12分には左サイドでパスを受けたサヴィオ・モレイラが縦へ突破し、クロスボールを送ると、中央で待っていたアルテム・ドフビクがヘディングシュート。ここはGKビセンテ・グアイタに弾き出される。このプレーで得た右コーナーキックから、アレイクス・ガルシアが右足でアウトスイングのボールを放り込むと、ドフビクが頭で合わせたが、再びGKグアイタが立ちはだかった。

 対するセルタは19分、敵陣左サイドでボールを奪ったところから、引き取ったマヌ・サンチェスが縦へ破ってマイナスへ折り返す。待っていたオスカル・ミンゲサが迷いなく右足を振り抜くと、強烈な一撃は枠を捉えたが、今度はジローナのGKパウロガッサニーガが好セーブを見せた。

 均衡が破れたのは20分、ジローナはらしさ溢れるビルドアップで左サイドからのボールを持ち運ぶと、セルタのハイプレスを掻い潜ったところからミゲル・グティエレスが一気にスピードを上げてボールを持ち運ぶ。サヴィオとのパス交換から左サイド深い位置に進入し、マイナスへ折り返すと、ボックス左のスペースへ入り込んだポルトゥがファーストタッチで相手を置き去りにし、自ら右足で仕上げた。ジローナが見事なビルドアップから攻撃を完結させ、敵地で先手を取った。

 1点ビハインドとなったセルタは30分、敵陣でクリアボールを回収して2次攻撃を続けると、イアゴ・アスパスとのパス交換からミンゲサがアーリークロスを送る。ボックス中央で競り勝ったヨルゲン・ストランド・ラーセンが強烈なヘディングシュートを放ったが、GKガッサニーガに触られ、その後クロスバーに直撃した。

 前半も終盤に差し掛かると、セルタはアナスタシオス・ドゥヴィカスやルカ・デ・ラ・トレにチャンスが訪れたものの、決め切ることはできず、前半はこのままジローナの1点リードで終了した。

 後半に入ると、ジローナのビルドアップに対して、セルタは前から捕まえに行く場面が目立つようになり、より積極的な姿勢でゴールを奪いに行く。デ・ラ・トレがフィニッシュまで持ち込むシーンを作ったものの、決定的なチャンスは生み出せない。

 ジローナは前半と同様に丁寧なビルドアップから相手を外そうと試みるも、前半と比較して効果的な前進の数が限られており、なかなかゴールを脅かすようなシーンを作り出せない。徐々に最後の局面でA・ガルシアが顔を出し、フィニッシュまで持ち込む場面を2度作ったが、決定的な追加点には至らなかった。

 終盤に差し掛かるとまずは1点が必要なセルタが前がかりとなり、中盤を省略してオープンな展開となる。人数をかけた攻撃でセルタはゴールへ迫ったものの、中央を固めるジローナの守備陣を崩し切ることはできず、試合はこのままタイムアップを迎えた。

 ジローナは直近の公式戦にあたる24日開催のコパ・デル・レイ(スペイン国王杯)準々決勝でマジョルカに2-3で敗れていたため、公式戦での無敗記録が「17」でストップしており、公式戦2試合ぶりの白星を飾った。ラ・リーガに限定すると14試合無敗を継続。今季4度目の連勝を飾り、再び暫定首位に浮上した。一方、セルタは公式戦3連敗、ラ・リーガでも2連敗と苦しい状況が続いている。

 次節、ジローナは2月3日久保建英が所属するレアル・ソシエダをホームに迎える。一方、セルタは同4日に敵地でオサスナと対戦する。

【スコア】
セルタ 0-1 ジロー

【得点者】
0-1 20分 ポルトゥ(ジローナ)

決勝ゴールを挙げたポルトゥ(左) [写真]=Getty Images