バルセロナの次期監督候補としてハンジ・フリック氏の名前が浮上しているようだ。28日、ドイツ紙『ビルト』が伝えている。

 昨シーズンはラ・リーガで4年ぶり通算27度目の優勝を果たしたバルセロナ。しかし、今シーズンは負傷者続出の影響もあってか不安定な戦いが続いており、連覇を目指すラ・リーガではここまで21試合を消化し勝ち点「44」の4位に留まっている。また、スーペルコパ・デ・エスパーニャ決勝では“宿敵”レアル・マドリードに1-4で惨敗し、コパ・デル・レイ(国王杯)でもベスト4進出を逃した。

 現地時間27日に行われたラ・リーガ第22節では、ホームでビジャレアル相手に3-5で敗北。試合後、2021年11月から指揮を執っているシャビ・エルナンデス監督は「6月30日をもってバルサの監督を退任することを発表したい。これは副会長ラファ・ユステと決めたことだ。この状況は方向転換に値するものであり、クレとしてこの状況を続けることはできない」と、今シーズン終了後に指揮官の座を離れることを明言した。

 大きな注目が集まるバルセロナの後任人事。この度『ビルト』が報じたところによると、同クラブは新監督の候補としてフリック氏に強い関心を寄せており、招へいに乗り出す可能性があるという。ジョアン・ラポルタ会長はかねてからフリック氏に興味を示しており、2021年10月のロナルド・クーマン前監督解任時にはビデオ通話での説得を試みていたようだ。

 ドイツ出身で現在58歳のフリック氏は、ヨアヒム・レーブ氏の“右腕”として長年ドイツ代表のアシスタントコーチを務めた後、2019年11月にニコ・コヴァチ氏の後任としてバイエルン指揮官に就任。2019-20シーズンにはブンデスリーガチャンピオンズリーグを制覇すると、その後UEFAスーパーカップFIFAクラブワールドカップを含めた年間6冠を達成した。

 2020-21シーズン限りでバイエルン指揮官を退くと、2021年8月にはドイツ代表の監督に就任。FIFAワールドカップカタール2022・ヨーロッパ予選を9勝1敗・36得点4失点という圧倒的な強さを見せた。しかし、本大会でグループステージ敗退の憂き目に遭うと、その後の国際親善試合でも不振が続き、昨年9月に日本代表に1-4で敗れた直後に解任が発表された。

 なお、『ビルト』はフリック氏の他に、ボローニャのチアゴ・モッタ監督やレアル・ソシエダのイマノル・アルグアシル監督、ジローナのミチェル監督といった名前をシャビ監督の後任候補として挙げている。

昨年9月までドイツ代表を率いていたフリック氏 [写真]=Getty Images