左:小型月着陸実証機「SLIM」(イラスト、(C)JAXA)、右:「SLIM」に搭載している薄膜化合物太陽電池

シャープが開発・製造した薄膜化合物太陽電池を搭載し、誤差100m以内の「高精度着陸」を目指していた宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)の小型月着陸実証機「SLIM」が、1月20日(土)未明、月面への「高精度着陸」に成功し、着陸後も太陽電池が正常に稼働したことを確認しました。

当社は、1967年より宇宙用太陽電池の開発に着手し、1976年に実用衛星「うめ」に初搭載されました。以降、JAXAの認定を受けた国内唯一の太陽電池メーカーとして、約半世紀にわたり宇宙用太陽電池の開発、製造に取り組んでおり、これまでに当社製太陽電池を搭載した人工衛星は、約190基(※2)にのぼります。

「SLIM」に搭載している薄膜化合物太陽電池は、当社がNEDO(※3)の支援を受け2022年に当時世界最高(※4)の変換効率32.65%(※5)を達成した化合物3接合型太陽電池モジュール(※6)と同様の技術で開発。薄いフィルムで太陽電池セルを封止した構造のため、軽量かつ曲面への搭載も可能なフレキシブル性を備えており、高効率化と軽量化が求められる宇宙用途に適した仕様を実現しています。

当社は今後も、宇宙用太陽電池の研究開発を進め、JAXAをはじめとする人工衛星や宇宙探査プロジェクトに貢献してまいります。

■「SLIM」搭載薄膜化合物太陽電池の概要

※1 SLIM(Smart Lander for Investigating Moon)はJAXAが開発した小型月着陸実証機で、将来の月惑星探査に必要な高精度着陸技術を小型探査機で実証する計画。(https://www.isas.jaxa.jp/home/slim/SLIM/index.html

※2 2023年11月末現在。

※3 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構。

※4 2022年6月6日時点、研究レベルにおける太陽電池モジュールにおいて(シャープ調べ)。

※5 2022年2月、国立研究開発法人産業技術総合研究所(世界の太陽電池の公的測定機関の一つ)により、確認された数値[モジュール面積:965cm(2)、最大出力:31.51W]。

※6 インジウムやガリウム、ヒ素など、2種類以上の元素からなる化合物を材料とした光吸収層を3層重ね、各層で異なる波長の光を吸収させることで、高い変換効率を実現する太陽電池。

※7 搭載シート合計では約1.07kg。

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