大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合、日曜よる8時~ほか)が、イケメンパラダイスです。吉高由里子を主演に、千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を生み出した紫式部の人生を描く本作。そこに登場する注目の俳優陣についてご紹介します。7人全員が藤原姓です。


◆まさに“平安のF4”! 柄本佑町田啓太の存在感



光る君へ』第3回(C)NHK



まずご紹介したいのは藤原姓のプリンスたちです。不朽の名作漫画『花より男子』に登場する御曹司グループ「F4(エフフォー)」になぞらえて、“平安のF(藤原)4”だ!と話題を集めています。


まず、主人公のまひろ吉高由里子)の運命の相手であり、のちの最高権力者となる藤原道長を演じている柄本佑言わずもがなの貴族風情! 三男坊ののんびりした無邪気さと、品のある佇まいが魅力です。


1月21日放送の第3回「謎の男」から登場して、貴族感が圧倒的だったのは町田啓太。関白・頼忠の息子、公任(きんとう)を演じています。登場してすぐに道長たちへ、女性から贈られた恋文の山を披露。「文だの歌だの贈らないでも、訪ねてしまえばいい!」と、プレイボーイっぷりを見せつけました。まさに『源氏物語』の光源氏ではないか!! ただ美形ということではない、町田の存在感にうっとりしてしまいます。



光る君へ』第3回(C)NHK



◆意外な“貴族感”のはんにゃ金田、個性を見せそうな渡辺大知
F4の中では大納言の息子・斉信(ただのぶ)を演じる金田哲(はんにゃ.)も負けていません。雅な平安の世界に、もの凄く馴染んでいます。金田の俳優としての実力を見せつけられたのは、2021年の映画『燃えよ剣』での新選組八番隊組長・藤堂平助役。直情型の演技と剣の立ち振る舞いが美しく、芸人・金田であることに全く気づきませんでした。本作でも、第3回での碁を打つ姿をはじめとする所作が優雅で、これからの演技に注目です。



光る君へ』第3回(C)NHK



“平安のF4”最後の一人は、道長より6歳下でよき相談相手・行成(ゆきなり)を演じる渡辺大知黒猫チェルシーのボーカルとしてメジャーデビューした渡辺ですが、俳優としてのキャリアも長いのですよね。陰も陽も、どんな役柄も個性的な雰囲気が印象的で、日本の映画・ドラマ界には欠かせない存在になっています。


のちに書で名を馳せる行成。第3回では他の3人と書に励むシーンのみの登場でしたが、そこで数秒見せた道長との表情のやり取りだけで関係性を表しており、今後に期待が膨らみます。



光る君へ』第3回(C)NHK



彼らはこれから友情を育みながら青春時代を過ごし、のちに政治の中枢を担っていくことになります。美しい4人の雅な掛け合いに、どんな感情を乗せて展開してくれるのか、楽しみでなりません。


◆暗躍する玉置玲央、平安の美男子ビジュアルなロバート秋山
華やかな“F4”と比較して、陰の空気を纏った役どころの俳優陣にも魅せられます。第1回でまひろの母を殺害した道長の次兄・道兼を演じる玉置玲央。毎週、彼本人によるリアルタイムでのX(旧Twitter)実況も面白く、放送を盛り上げています。



光る君へ』第3回(C)NHK



玉置の繊細な演技により、回を重ねるごとに父に暗躍を命じられた道兼の葛藤を見事に表現。第1回で見せた暴君の一面とは違い、父に愛されたいと願う道兼の健気さを観ると、応援したくなってしまいます。


同じく暗躍系貴族として、凄まじい存在感を放っているのは、藤原実資(さねすけ)を演じるロバート・秋山竜次。実資は藤原小野宮流の当主で、天皇の側近。第3回では「頭中将」と呼ばれ、大和和紀氏の『あさきゆめみし』で育った筆者としては「えっ、あのイケメン頭中将が実資ってこと?」と一瞬戸惑ってしまいました(失礼ですみません……)。もちろん、頭中将は役職にすぎないのですが。



光る君へ』第3回(C)NHK



しかし、公家衣裳がよく似合う貴族としての佇まいには、平安の時代ではまさに秋山がイケメンだったのでは! と思わせる説得力があります。演技力の高い芸人さんは多くいらっしゃいますが、秋山の風格は唯一無二。実資は長寿であったことも記録に記されており、ドラマ終盤まで秋山の演技が堪能できそうです


◆主人公の弟として、可愛らしさ爆発の高杉真宙
最後に触れておきたいのが、愛らしさ満点! まひろの弟・太郎(のちの藤原惟規/のぶのり)を演じる高杉真宙です。まだ幼い設定ということもありますが、「あ~ね~う~え~(姉上)」と甘える声や、減らず口をたたく無邪気な様が可愛くてたまりません。


高杉は、現在放送中のドラマ『となりのナースエイド』(日本テレビ系)で、イケメン天才外科医・竜崎大河も演じています。こちらはクールで俺様な役どころ。弟キャラと俺様キャラのギャップ萌えで、高杉に沼りそうです。


◆活躍は藤原氏だけじゃない。謎の男や“クセ強”親王も



光る君へ』第3回(C)NHK



他にも、町辻で風刺劇を披露する散楽(さんがく)の一員で、まだ謎めいた存在の直秀(なおひで)を演じる毎熊克哉も魅力的。前クールのドラマ『セクシー田中さん』(日本テレビ系)で見せた、偏見まみれだけど素直な男性・笙野とのギャップを楽しませてくれそう。少ない登場回数にも関わらず、クセがありすぎる師貞親王(のちの花山天皇)を演じる本郷奏多など、大河らしく本当に多くの俳優陣が、作品の魅力を押し上げています。


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政治的な陰謀に、身分違いの恋、平安貴族たちの雅ながらドロドロしたストーリー展開から目が離せない2024年の大河ドラマ『光る君へ』。物語と同時に、推しメン探しも楽しんでみてはいかがでしょうか。


<文/鈴木まこと(tricle.ltd)>


【鈴木まことtricle.ltd所属。雑誌編集プロダクション、広告制作会社勤務を経て、編集者/ライター/広告ディレクターとして活動。日本のドラマ・映画をこよなく愛し、年間ドラマ50本、映画30本以上を鑑賞。Twitter:@makoto12130201



『光る君へ』第3回(C)NHK