フェネルバフチェは29日、アトレティコ・マドリードからトルコ代表DFチャーラル・ソユンジュがレンタル移籍加入することを発表した。

 両クラブの発表によると、レンタル移籍期間は今シーズン限りの2024年6月30日までだという。フェネルバフチェは、ソユンジュの背番号「2」に決まったことを明かした。

 ソユンジュは1996年5月23日生まれの現在27歳。TFF1.リグ(トルコ2部)でキャリアをスタートさせると、2016年夏にはフライブルクへ完全移籍し、ステップアップを果たした。フライブルクでは2シーズンにわたって主力のセンターバックに君臨。2018年夏に完全移籍でレスターへ加わると、初年度はイングランドへの適応に苦しんだが、2年目からレギュラーポジションを確保した。ケガに悩まされた時期もあり、契約最終年度の昨季はベンチを温めることも多かったものの、最終的にはレスターで5シーズンプレー。公式戦通算132試合出場4ゴール1アシストを記録した。

 昨年夏にはレスターとの契約が満了を迎え、フリートランスファーでアトレティコ・マドリードへ加入。球際での力強さ、両足から放たれる正確なロングフィードなどを武器に、スペイン屈指の組織的な守備を誇るアトレティコ・マドリードでも活躍が期待された。だが、プレシーズンでは守備面で自身の強みを発揮した一方、ビルドアップでのミスが目立ち、ディエゴ・シメオネ監督の信頼を掴めず。今季のラ・リーガが開幕すると、ケガもあってベンチを温める日々が続いた。今季はここまで9試合に出場しているが、スタメンでピッチに立ったのはラ・リーガとコパ・デル・レイの合計2試合のみ。いずれの試合もハーフタイムで交代となるなど、シメオネ監督の評価はあまり高くなかった。

 2016年3月にデビューを飾ったトルコ代表では、これまでに国際Aマッチ通算で55試合出場2得点を記録。今夏にはEURO2024の戦いが控えているが、ソユンジュは同大会に向けて安定した出場機会の確保を求めており、今冬の移籍が取り沙汰されていた。スペインメディア『マルカ』によると、ポルトもソユンジュの獲得に向けて具体的な動きを見せていたものの、最終的には母国への復帰を決断。残るシーズンはスュペル・リグトルコ1部)での戦いに身を置くこととなった。

 レンタル移籍加入に際し、ソユンジュはフェネルバフチェを通してコメントを発表。かつて2部からドイツへ渡ったため、1部でプレーするのは今回が初のことだが、新天地での目標だけでなくスュペル・リグプレーすることへの期待感も口にした。

「チームの力になるために、そして街を盛り上げるために、できる限り早くチームに合流してベストを尽くしたい。クラブの目標も僕の目標も、スュペル・リグとカップ戦での優勝だ。それを成し遂げるため、僕はここにやって来た。現在のチームには素晴らしい選手たちが揃っているし、彼らと合流できるのが待ち遠しい。そして、僕個人としてはスュペル・リグは初めての舞台だ。非常にワクワクしているよ」

 今シーズン、フェネルバフチェはスュペル・リグでここまで19勝3分わずか1敗と好調を維持し、勝ち点「60」を積み上げて現在首位を走っている。1試合消化が少ない2位のガラタサライとの勝ち点差はわずかに「3」のため、今後も熾烈な優勝争いが繰り広げられると予想される。10シーズンぶりの覇権奪還に向けて、頼れる新戦力が加わることとなった。

【動画】フェネルバフチェがソユンジュ加入を正式発表

ソユンジュはアトレティコでは出場機会に恵まれなかった [写真]=Anadolu via Getty Images