RIZAPグループ<2928> は29日、永久劣後特約付極度貸付契約(資本性劣後ローン)などによる成長投資資金等の調達を発表した。

 同社は22年9月に発表した中期経営計画に基づき、chocoZAP事業の本格的な展開に向け、経営資源の集中と成長投資の実行を進めている。その1つの結果として、コンビニジム「chocoZAP」は会員数、出店数とも当初の想定を上回って進み、23年11月にはフィットネス業界において日本で初めて会員数100万人を達成した。

 今回、「chocoZAP」の既存店舗のサービス改善と新サービスの開発・導入を推進し、同事業の成長をさらに加速するための機動的な成長資金調達施策の1つとして、瀬戸健代表取締役社長の資産管理会社であるCBMから貸付の申し出があった。これに対し、同社は独立社外取締役から構成される特別委員会の審議および答申を踏まえ、資本性劣後ローンなどによる資金調達の実行を決定した。金融機関からの調達は従来通り進んでおり、多様で機動的な資金調達策の一環としてCBMからの借入を実施することとした。

 今回の成長投資資金は総額50億円の借入を予定しており、そのうち45億円を資本性劣後ローンとして、残額の5億円を金銭消費貸借契約による短期借入金として調達する。資本性劣後ローンは借入極度額45億円、弁済期日は期限の定めなし、適用利率は基準金利+劣後性相当分(1.00%)で、短期借入金については借入極度額5億円、弁済期日24年5月31日、借入金利は資本性劣後ローンの基準金利が適用される。

 同社は23年8月に「長期借入金および資本性劣後ローンによる成長投資資金等の調達」を実施しており、そのときの55億円と合わせて資本性劣後ローンは総額100億円となる。資本性劣後ローンは元本の弁済期日の定めがなく、利息の任意繰延が可能なことなどから、国際会計基準(IFRS)における「資本性金融商品」に分類される。そのため、同社の連結財務諸表上、資本性劣後ローンによる調達額は累計100億円を上限として「資本」に計上される。

 なお、今回の資金調達は同社の支配株主であるCBMとの取引となり、支配株主との取引等に該当する。特別委員会による協議の結果、その手続きは取引の公正性を担保するための措置、また利益相反を回避するための措置が講じられており、その内容においては少数株主にとって不利益なものではない、との答申を得ている。さらに、同取引により、瀬戸健代表取締役社長のchocoZAP事業への自信と覚悟に基づくさらなるコミットメントを引き出し、同社の持続的成長に向けたchocoZAP事業の成長加速と、財務健全性および安定性を高めることが可能になるとしている。