1月23日に放送された野球トークバラエティ「ダグアウト!!!」(毎週火曜夜10:00-11:00、BSJapanext<263ch>)。今回のゲストは、現役時代にはチームの日本一とリーグ優勝に大きく貢献した華々しい経歴を持つ谷繁元信。“球界の番長”こと清原と対戦した際への思い入れや、「ストレートの呪文」について語った。

【写真】谷繁元信が現役当時を再現、MC・岡田圭右も興奮

バッターボックスから呪文のように聞こえてくる「ストレート」の声の正体

1月23日放送のゲストは、日本球界を代表する捕手として現役時代その名を轟かせた谷繁元信。谷繁が今回挑戦するのは、ゲスト自身もメンバーに入れた“理想のベストナイン”をセレクトする番組の名物コーナー「俺のベスト9」だ。現役選手や自分が現役時代にプレーしていたOB選手…といったルールを踏まえつつ、自分好みのベストナインを作っていくというもの。

谷繁が4番に選んだのは、清原和博だった。言わずと知れた名選手で、プロ1年目から打率は304.31本塁打を記録したという気を苦を持つ。MCを務めるますだおかだの岡田圭右も、「我々世代はやっぱり清原やね!」と納得を見せた。

谷繁いわく、清原には“4番の雰囲気”があったという。谷繁は埼玉西武ライオンズ時代の清原とオープン戦で対戦。練習のときから清原の所作に“4番バッターの風格”が感じられたと話す。高校からプロの世界に入った清原だったが、既にもう何年もプロの世界にいるような迫力があったのだとか。

「軽く投げているのに、なんであんなに綺麗な球が投げられるのかな」「軽く振っているのになんであんなに飛んでいくのかな」と1つひとつの所作に魅入られていたようだ。一方で清原がジャイアンツに移籍したこともあり、結果的に清原とは数多く対戦したという谷繁。当時を振り返り、「対戦が楽しかった」と笑みを浮かべていた。

谷繁としては、佐々木主浩ピッチャー、清原が打席に立つという対戦の構図が面白かったようだ。谷繁がバッターボックスに立つ清原へ視線を向けると、「ストレートストレートストレート」と小さい声で言っているのが見えたという。それを見た谷繁は「とりあえずフォーク出しておこう」と思ったなど、当時のことを大笑いで楽しそうに振り返る。

ちなみに谷繁は試合後、清原がずっと「ストレートストレート…」と口ずさんでいたことを伝えたという。すると清原は、「えっバレてた?」とびっくりしてたとか。どうやら清原本人は周りにバレないくらい小さな独り言を漏らしていたつもりだったらしい。

「頭のなかで、ストレート来いと思っているのが口に出てきてしまったのかも」と岡田が分析。「俺はそんな清原さんのことはリトルリーグで対戦したときに刷り込まれている」と岡田の一撃でスタジオは笑いに包まれた。

■「一緒にゲームを作る」谷繁が築いた審判との関係性

続いてのコーナーは、ゲスト自らがガチャガチャマシンを回して出てきたトークテーマに沿って野球トークをおこなう“ガチャガチャダグアウト!!!”。

谷繁がガチャガチャを回して出てきたトークテーマは、「審判との駆け引き」だった。現役当時の谷繁は「審判の方とは正直に向き合う」をモットーにしていたという。プレーをする自分も、審判をするのも人間なので、多少ミスすることもあるということを念頭におきながらプレーをしていたようだ。

たとえばゲームが始まると、まず谷繁はストライクゾーンを確認。そこで何度か一緒の試合でプレーしていた審判のクセを覚えるということをしていたと明かした。

ゲームの初回は選手も審判も手探り状態。そんなときに少し外れているボールを「ストライク」と判断する審判がいたときには、修正しながらゲームを進めていくことを意識していたのだとか。谷繁の場合、わずかに外れているボールを「ストライク」を判断した審判に対して、「今のばボールですよ」と審判に指摘することもあったそうだ。

そのような小さな積み重ねによって、審判と信頼関係を構築していった谷繁。「一緒にゲームを作っていく」という気持ちで審判と向き合っていたというが、現役当時にその姿勢が伝わっていたと感じる瞬間も。ある試合で審判が怪しい判定をしてしまったとき、他の人にはわからない程度に谷繁の肩をポンポンと軽く叩き、「悪い悪い」と謝ってくれたこともあったという。

当時取材で谷繁が出ている試合会場にいたMC・平井理央は、谷繁が審判と話しているシーンをよく目撃していたことを思い返し、腑に落ちたようなリアクションをしていた。

■野球愛あふれるMC陣の熱量

谷繁の理想のベストナインセレクトや、審判との向き合い方、全国の野球を愛する子供達からのプレーに関する質問など、1秒たりとも見逃せない内容となっていた23日の放送回。野球界で名を馳せた豪華なゲストに、貴重な話を聞けるのもダグアウトの空気感をイメージした同番組ならではの光景である。

豪華ゲストの貴重な話を聞き出すためには、MC陣もある程度野球に詳しくなければ深掘りすることはできない。そこをいくと、同番組MC陣は軒並み野球愛にあふれたメンツばかりだ。たとえば岡田は根っからの野球ファン。またリトルリーグではあの清原和博とも対戦経験があるため、今回の清原エピソードを聞く姿勢は人一倍前のめりだったように思える。野球をこよなく愛する岡田だからこそ、視聴者が知りたい“ファン目線”の質問ができるのかもしれない。

意外に話好きも多い野球人。芸人顔負けのトークスキルを持つゲストにタジタジなこともあるが、野球に対する熱い思いと芸人魂で、これからもさまざまなトークを引き出してくれることを期待したい。

谷繁元信が、ライバル清原和博とのエピソード語る「対戦が楽しかった」/※提供画像