全米視聴者数No.1ドラマ「シカゴファイア」をはじめとする“シカゴ”シリーズの第2弾として製作され、シカゴ警察21分署特別捜査班の活躍を描いた、手に汗握る刑事ドラマ「シカゴ P.D.」。オンライン動画配信サービスHulu」では、本作のシーズン1~8を配信中だ。本記事では、「シカゴ P.D.」のあらすじや見どころなどを深堀りしていく。

【写真】銃を構えるシカゴ警察21分署特捜班…緊迫感あふれるシーン

シカゴ警察の“悪徳刑事”ハンク・ボイトら特捜班メンバーの活躍を描く

本作は、シカゴ消防局51分署の消防士や救急隊員らが命がけで人命救助にあたる姿を描いたレスキューアクション「シカゴファイア」のスピンオフ第2弾。「シカゴファイア」シーズン1で消防士マシュー・ケイシー(ジェシースペンサー)を脅迫して命まで狙った、シカゴ警察の“悪徳刑事”ハンク・ボイト(ジェーソン・ベギー)が主人公として登場。彼が率いるシカゴ警察21分署特捜班の精鋭チームが、危険を顧みず街を守り抜く姿を、迫力満点のアクションシーンと共に描く。

2010年にカナダのGlobalとアメリカのABCで放送がスタートした本作。目的のためなら自らが悪に染まる事もためらわない“ダークヒーロー”のボイトが、凶悪犯罪の数々に立ち向かっていく姿が話題となり、2チャンネルの合計視聴者数は毎週平均850万人を記録。初回放送からわずか3週間後には、シーズン2の制作が決定したという。悪徳刑事のイメージが強かった“ボイトの真の姿”に惹きつけられた視聴者も多かったようだ。

また、「シカゴファイア」とのクロスオーバー・エピソードも本作の見どころの一つ。「シカゴファイア」とは異なる新たな視点から描かれているため、元となるエピソードを見ていなくても楽しめるようになっている。

■アメリカテレビ界の重鎮ディック・ウルフが手掛けた“シカゴ”シリーズ

そんな本作の製作総指揮を務めるのは、エミー賞に11年連続でノミネートされた大ヒットドラマ「LAW & ORDER」シリーズを手掛けたことでも知られる米TV界の重鎮ディック・ウルフだ。彼は、シカゴを舞台に医療チームの活躍を描いた「シカゴ・メッド」も手掛ており、“シカゴ”シリーズは全米で高視聴率を記録するメガヒットシリーズとなっている。

また、特捜班のメンバーの個性も光る。特捜班唯一の女性で、薬物中毒者だったがボイトに引き取られて更生した過去を持つエリン・リンジー役を、映画「ヒッチャー」で主演を務めたソフィアブッシュが、リンジーの相棒で第75レンジャー連隊に所属していた元軍人のジェイ・ハルステッド役を、映画「TIME/タイム」でウェッブ役を演じたジェシー・リー・ソファーが演じている。

さらに、特捜班のベテラン刑事アルビン・オリンスキー役を、映画「コラテラル・ダメージ」でブラント役や「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」でガトー役を務めたイライアス・コティーズが、オリンスキーが警察学校から引き抜いた特捜班の新人刑事アダム・ルゼック役を、映画「世界最速のインディアン」でラスティ役を演じたパトリック・ジョン・フリューガーが担当する。

他にも、元・風紀課の刑事で以前ボイトを逮捕したことがあるアントニオドーソン(ジョン・セダ)や、シカゴ警察21分署の刑事で、技術面で特捜班の後方支援をするシェルドン・ジン(アーチー・カオ)、シカゴ警察21分署のパトロール警官のキム・バージェス(マリーナ・スコーシアーティ)やケビン・アトウォーター(ラロイス・ホーキンズ)らが出演。互いに協力し合いながら、チームで事件を解決に導いていく。

■違法捜査ギリギリで独自のやり方を貫くボイトに、たびたび圧力がかかる

シカゴ P.D.」シーズン1で、ボイトらシカゴ警察21分署の刑事たちは、子供3人が死亡した薬物絡みの事件を追っていた。違法捜査ギリギリのやり方で独自のやり方を貫くボイトに、署長のペリー(ロバートウィズダム)は嫌がらせをする中、アントニオの息子・ディエゴが誘拐される。特捜班のメンバーは事件解決に奔走するが、敵の多いボイトにはたびたび圧力がかかり邪魔が入ることも…。そんなボイトの荒っぽいやり方に疑問を抱くこともあるが、メンバーたちは彼の優秀さを認め、ボイトについていくのだった――。

シーズン2では、特捜班のメンバーが遺体で発見され、ボイトは内部調査部に疑いをかけられる。しかし、ジェイに送られてきたUSBには、亡くなったメンバーが内部調査部長に脅迫されていた事実や、ボイトを盗聴していた記録などが収められていた。一方、情報屋から現金輸送車を襲う計画があると聞いた特捜班は、輸送会社のスタッフに扮して捜査にあたるのだが、輸送中にトラックがボイトたちの車に衝突し銃撃戦となり、死傷者が出てしまう――。

シーズン3では、アントニオの情報屋の女性が恋人に裏切られたと自殺騒ぎを起こし、その恋人ベンジーの身柄を拘束した特捜班は、彼の兄である大物売人デレクを逮捕するため、見逃す代わりに協力するよう要請する。その後ベンジーの協力を得て、ヤクのバイヤーに扮したハルステッドは取引場所へ向かうのだが、罠に気づいたデレクに拉致されてしまうのだった――。

シーズン4で、21分署のクロウリー署長(バーバラ・イブ・ハリス)は、リンジーに“ボイトが過去に犯した罪”について問いただす。ボイトをかばい通したリンジーだったが、重い秘密を抱えたことで苦しむこととなる。その頃、駐車場の車の中から焼死体が発見され、胸に警察の無線機がついていたことから、麻薬課のおとり捜査に協力していた人物であることが判明する。殺人犯を割り出した特捜班は、犯人の元恋人に協力を要請するのだが――。

■ボイトは、次期シカゴ市長が射殺された事件で第一容疑者となってしまう

シーズン5では、ジェイとアプトンが、銃の売人と地元ギャングの仲間が取引をする現場に踏み込み、銃撃戦となる。その際、市民3人が巻き込まれ、女性が死亡。黒人男性ジャームズ・ペルは足を負傷し、違法な託児所があった隣の建物では少女モーガンが重体となっていた。モーガンを撃ったのがジェイであることが判明すると、世間ではジェイが人種差別主義者の白人警官に仕立て上げられ、警察への信頼が揺らぐ事態に――。

シーズン6では、薬物により複数の若者が死亡する事件が発生。現場に向かうボイトだったが、ブレナン副本部長(アン・ヘッシュ)から、捜査中の発砲の正当性に関する調査が終わるまで停職処分を言い渡されてしまう。その後特捜班をアントニオが率い、売人の元締めであるジェイレンを逮捕するのだが、ジェイレンは頑なに犯行を否定し、その間も犠牲者が増え続ける。ついには、アントニオの指揮に納得がいかないルゼックが、隠れてボイトに捜査の協力を要請するのだった――。

シーズン7では、次期シカゴ市長のケルトンが何者かに射殺される事件が発生し、特捜班と殺人課が共同捜査を行うことになる。しかし、ボイトの車が現場近くで目撃されていたことで、当初から“ボイトが犯人ではないか”と疑われることに。そして線条痕から、ケルトンを撃った銃が“警察が2016年の強盗事件で押収したもの”であることが判明すると、その時の担当刑事だったボイトは、第一容疑者になってしまう――。

シーズン8では、アトウォーターの証言によって、ドイル刑事を撃った黒人男性の仲間2人が不起訴となり、ドイルの仲間たちからのアトウォーターへの嫌がらせが続いていた。一方ボイトも、新たなシカゴ警察本部長から、捜査のやり方を変えるよう警告を受ける。そんな中、5歳の少女が撃たれる事件が起き、現場近くの監視カメラには、覆面の男が別の男と揉み合いになり、銃で2回発砲する様子が映っていた。そしてジェイとアプトンが動画に映っていた教会へ行くと、なぜか神父が縛られているのだった――。

「シカゴ P.D.」シーズン8より/(C)2020 Universal Television LLC. All Rights Reserved.