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2024年1月に北海道で観測された記録や冬の使者「流氷」についてまとめました。
北海道付近は、冬型の気圧配置が長続きせず、7日から8日にかけては低気圧が北海道付近を通過し、南西部では局地的な大雪となりました。
後志地方の小樽では日降雪量が観測史上3位の69cmとなり、28年ぶりに日降雪量50cm以上の大雪となりました。また、8日午前7時までの24時間で降った雪の量は、後志地方の蘭越で70cm、胆振地方の豊浦町大岸で78cmとなり、ともに観測史上1位の記録となりました。

今シーズン初の氷点下10℃以下 道内初積雪200cm以上

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1月の北海道付近は、数日の周期で強い寒気が流れ込んだり、暖かい空気に覆われたりを繰り返しました。

今シーズン初めて氷点下10℃以下となったのは、留萌では1日、根室は11日、稚内は19日、小樽は21日、札幌も21日で例年より11日遅い観測でした。また、21日は旭川では氷点下21.6℃まで下がり、今シーズン初の氷点下20℃以下となりました。

今シーズン初めて積雪が200cmに達したのは、留萌地方の留萌市幌糠で9日午後7時に201cmとなりました。
例年、道内で最初に積雪が200cmに達するのは上川地方の幌加内町朱鞠内が多く、次いで後志地方の倶知安となります。朱鞠内や倶知安では冬型の気圧配置が続くと大雪になる傾向があります。

しかし、今シーズンは、度々低気圧や前線が北海道付近を通過した影響で、昨年(2023年12月)から幾度も大雪に見舞われた留萌市幌糠が、道内で1番早く積雪が200cmに達することとなりました。

平年より早い流氷の到来 網走と紋別では平年より13日早い流氷接岸に

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今シーズンは、平年より早く北海道に流氷が到来しました。
19日には、網走(平年より3日早い)と紋別(平年より5日早い)で流氷初日となりました。また、22日には網走、26日には紋別でともに平年より13日早い流氷接岸となりました。

今シーズンのオホーツク海の海氷域の面積は、12月前半まで平年並みでした。
しかし、12月後半は低気圧の影響を受けて、海氷域は平年よりも北海道付近への南下が進み、12月31日の時点ですでに宗谷岬と同じくらいの緯度(北緯45.5度付近)に達していました。
1月に入ってからも、北海道付近を低気圧が通過することが多くあり、海氷域は平年より早く北海道付近まで広がってきました。

低気圧の周りでは風が反時計周りに吹いています。そのため、低気圧が北海道を通過してオホーツク海へ進むと、北海道付近には北~北東の風が吹き付け、海氷が北海道に向かって吹き寄せられやすくなります。
今シーズンは低気圧の通過が多かったことが、平年より早い流氷の到来の要因の一つとなっていそうです。

※海氷とは、海に浮かぶ氷の総称
※流氷とは、海氷のうち、海を流れ漂い、海岸に定着していないもの。
※流氷初日とは、流氷が視界内の海面で初めて見られた日。

北海道の記録室2024年1月編 局地的な大雪や平年より早い流氷の到来