この度、高齢者認知機能推定AI「Cognivida」を用いたヘルスケアサービスを提供しているジョージ・アンド・ショーン株式会社(本社:東京都渋谷区・代表取締役:井上憲)と、北陸先端科学技術大学院大学(以下、JAIST) 岡田研究室が共同研究を行う、ベッドセンサを用いた睡眠データより認知症傾向を推定する技術に関する研究成果「Dementia Scale Classification with Sequential Model from Sleep Activity Data(睡眠活動データからのSequential(系列)モデルによる認知症スケール分類)」がIEEE(アイ・トリプル・イー)の公式サイトに公開されました。

本共同研究成果は2023年7月にシドニーで開催された生体医工学分野における世界最大規模の学会「45th Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society 2023 (以下、IEEE EMBC 2023)」に論文として採択され、同学会で開催されたセッション<Biomedical Signal Processings>にて登壇発表を行っています。2022年4月に国際論文誌「IEEE Access」へ採択された論文から継続研究を行なった論文となり、睡眠から認知症高齢者の特定行動を抽出する方法の有用性に関する評価を受けての採択となりました。両社は認知症の早期発見という観点から世界規模の課題となりつつある高齢化社会問題へ寄与するため今後も研究を続けてまいります。

  • 採択論文概要

論文名:Dementia Scale Classification with Sequential Model from Sleep Activity Data

日本語訳:睡眠活動データからのSequential(系列)モデルによる認知症スケール分類

論文公開URL(英語):https://ieeexplore.ieee.org/document/10340400

予稿集(日本語、関連する内容を2023年度人工知能学会全国大会にて発表):https://www.jstage.jst.go.jp/article/pjsai/JSAI2023/0/JSAI2023_2E1GS1004/_pdf/-char/ja

研究背景

現在までに、高齢者福祉施設や実験参加者のご協力の下、日常行動と認知症傾向の間の関係を分析・モデル化する研究を行ってきました。今回、認知症傾向の高齢者に見られる特徴である、睡眠パターンの変化、睡眠の不規則性に着目し、睡眠行動からの認知症推定方法を提案しました。 体動・心拍等を計測・推定する機構を備えたベッドセンサにより睡眠中の行動・生体活動に関する特徴を取得し、睡眠行動の時系列性を考慮した機械学習方法であるLSTMに基づいて認知症傾向の有無を推定します。まだ精度向上の余地はあるものの、比較的簡便なベッドセンサのみを用いて取得した睡眠行動データより認知症傾向を推定できる可能性を示しており、今後の発展が期待できます。

Shinichi Sugiura, Ken Inoue, Shinichiro Yokoyama, Shogo Okada, Binary Classification Prediction of Cognitive Status Using Sleep Activity Data

  • 認知症予知検知が目指す姿と今後の展開

高齢化は世界各国の課題ですが、特に欧米やアジア圏を中心に深刻な問題です。日本では既に超高齢化社会へ急進しており国全体における大きな社会課題です。2012年における認知症有病者数は462万人となり、2040年には約2倍の953万人、2060年には1,154万人になると予測されています。割合でみると、65歳以上のうち認知症を発症している人は15%ですが、2025年には20%を超え65歳以上の4人に1人が発病、2060年には3人に1人が発病すると予測されています。※

認知症、特にその前段階であるMCI(Mild Cognitive Impairment : 軽度認知障害)は、早期に検知することで回復する可能性が示唆されています。G&SはMCIに着目し、ライフログとAIを活用した早期検知のアルゴリズムの開発を継続して行なっており、中期的には、検知された結果を経て、日常生活の中からの早期発見・気づきに寄与できる各人に合わせた改善の一助となるサービスの提供を目指しています。高齢者の方が健康で長く、安心して暮らせる都市づくりをしていくことをミッションとして、高齢者認知症の社会課題解決に向けて、多くの提携事業者とともに健康寿命延伸のためのサービス開発を続けてまいります。

※出典:厚生労働省老健局 令和元年6月20日 「認知症施策の総合的な推進について」

IEEEIEEE EMBCとは

米国電子電気学会。IEEEはInstitute of Electrical and Electronics Engineers の略で、米国公益法人法で公益法人に指定されています。人類社会の有益な技術革新に貢献する世界最大の専門家組織で、世界160ヵ国以上に会員数は40万人を超えます。「IEEE EMBC」は、IEEEが開催する医療支援・ヘルスケアのための生体工学、脳科学、医療情報システムを含む研究開発成果が発表される世界最大規模の国際会議です。

北陸先端科学技術大学院大学 岡田研究室

2017年度発足。マルチモーダルデータの機械学習理論に基づき、コミュニケーションスキル・感情等の人間情報を予測する社会的信号処理に関する研究を推進しています。IEEE TAFFC、ACM TOMM、ACM ICMI、ACII等、当該研究領域のジャーナル、トップカンファレンスで多くの研究成果を挙げています。

准教授:岡田 将吾(OKADA Shogo

研究分野:マルチモーダルインタラクション、データマイニング、機械学習、パターン認識

ウェブサイト:http://www.jaist.ac.jp/~okada-s/

ジョージ・アンド・ショーン株式会社
「少しだけ優しい世界を創ろう。」をビジョンに掲げ、なくしもの防止&見守りタグ兼アプリの「biblle(ビブル)」の開発・販売や、biblleのコアとなるテクノロジーである、ビーコンテクノロジーや、AIを活用し、認知症/MCI 早期検知サービスの開発など様々な社会課題解決のための開発を行う。社員の多くが兼業での活動をしており、新しいスタイルの起業を体現し、メディアへの露出も多い。海外への出展や、ピッチコンテストにも積極的に参加し、数々の賞を受賞。この世界に暮らす人々が、少しだけ優しくなれるために、ジョージ・アンド・ショーンは事業を展開していきます。

主な事業展開
・biblle(ビブル)         ビーコン位置情報見守りタグ/アプリ
・施設360°(シセツサンロクマル) 高齢者施設向け位置情報見守り&生活習慣管理システム
・Cognivida(コグニヴィーダ)   生活習慣データを利用した脳の認知機能推定AIサービス
・hulali(フラリ)        「地球の歩き方」と「ハワイ州観光局」公認のハワイトラベルアプリ
KYOUDOKO(キョウドコ)    小田急電鉄株式会社との共同事業の地域コミュニティアプリ

代表:井上憲

本社所在地:〒151-0001 東京都渋谷区神宮前6-23-4 桑野ビル2階

電話番号(代表):03-3405-7230

ウェブサイト:https://george-shaun.com/

配信元企業:ジョージ・アンド・ショーン株式会社

企業プレスリリース詳細へ

PR TIMESトップへ