秋広は昨年10本塁打ブレイク、レギュラー獲りに大事なシーズンとなる(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 4年ぶりのV奪回を目指すチームの心強い援軍となりそうだ。巨人1月30日、巨人OBの松井秀喜氏が2月10日から13日までの第3クール4日間において、宮崎市で行われる春季キャンプで臨時コーチを務めると発表した。臨時コーチを務めるのは6年ぶりとなる。

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 阿部慎之助新監督とは現役時代を通じて親交を深めた仲、年明けには紙面上で対談も行い、エールを送られていた。4年ぶりのV奪回を目指すチームにとっても、勝利の厳しさを知る強力OBの来訪は多方面にプラスに働きそうだ。

 まずナインでは16、18年のキャンプ時にも直接指導を受けた岡本和真の存在があがる。当時は長距離砲の心構えを説かれ、その後の才能開花に至る足がかりともなった。昨年41本塁打本塁打王に輝くなど、今や球界を代表する存在ともなった岡本に今度はチームを浮上させるための「4番打者」の在りかたなど、新たな学びの機会となりそうだ。

 さらに本格覚醒のきっかけにとチームも期待をかけるのは秋広優人だろう。松井氏の着けていた背番号「55」を引き継いだ、ニューゴジラはプロ3年目となった昨季は121試合に出場し、打率・273、10本塁打、41打点とブレイク。一時は3番も任せられるなど、大きく飛躍を果たした。

 レギュラー奪取のためには今季が非常に大事な位置づけとなるが、松井氏とは背番号以外にも〝縁〟がある。

 今オフは阿部監督に遅刻グセを明かされるなど、違った意味で脚光も集めてしまった55番だが、松井氏も現役時代は遅刻にまつわる逸話で知られた。巨人には「ジャイアンツタイム」と呼ばれる定刻より早めに集合する習慣がある中で松井氏は新人時代から泰然自若として、決して慌てなかったというのだ。それも「大物エピソード」の一つとして受け入れられていたことで、秋広にも成績をしっかり残した上で愛されキャラの系譜を受け継ぐことが期待される。

 実施されれば、松井氏による秋広に向けての直接指導は初めてとなる。まずは同じ左打者の大先輩のエキスをしっかり受け止め糧としたいところだ。

 チームにはほかにも昨年のドラフト1位、浅野翔吾、プロ2年目にして遊撃レギュラーの位置を奪った門脇誠など飛躍が期待されるヤングジャイアンツがたくさんいる。世代交代の過渡期ともいわれる中、少しでもイキのいい若手が伸びてくることがV奪回への道しるべともなる。

 盟友のためにひと肌脱ぐ覚悟をした松井氏のためにも、充実した時間となることを願いたい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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