ホームレスを支援している非営利団体には、多くの人からホームレスが必要とするさまざまな物が寄付される。
2023年4月、アメリカ・オレゴン州ポートランドにあるホームレス・シェルターに、匿名の人物から金色のNIKE・エアージョーダンが寄付された。
実はこの靴は超お宝級の激レアアイテムだった。後にオークションに賭けられると、日本円にしておよそ750万円の値が付いたという。
【画像】 ホームレス避難所に激レアのナイキスニーカーが寄付される
Rare Nike Air Jordan shoes worth over $10K donated to Portland homeless shelter
去年4月、オレゴン州ポートランドにあるホームレスのための救済支援団体「ポートランド・レスキュー・ミッション」のシェルターで、1足の金色のスニーカーが匿名で寄付用投降口に落とされた。
このスニーカーを見つけたのは、同団体の長期シェルター・プログラムに参加している元ホームレスのジェイムズ・フリーさんだった。
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一見してそのスニーカーが珍しい色であり、すごく状態も良かったので、ジェイムズさんは他の寄付された靴とは別にして脇に置いた。
その靴のことを聞いた同団体のスタッフで、担当ディレクターのエリン・ホルコムさんは、Google検索でこのスニーカーについて検索してみたという。
すると、そのスニーカーは2019年のアカデミー賞でスパイク・リー監督が初めてオスカーを受賞したときに履いていた、ゴールドのエア・ジョーダンにそっくりだったのだ。
最初私たちは、「わあ、なんてすごいレプリカなんだろう」と思ったんです。まさか本物だとは思いませんでした。
頭の中では、「レプリカでもeBayで100ドルくらいで売れるかもしれない」と思いました。(ホルコムさん)
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一般市場に出回っていない特別なスニーカーであることを知る
ホルコムさんは、地元のスニーカーショップにそれを持って行くことにした。
するとそのスニーカーはレプリカではなく、リー監督と彼のチームのために特別に作られたほんの一握りの激レアのエアジョーダンであることを知った。
店主はその場でスニーカーを買い取ると言ったが、ホルコムさんは「よく考えてみる」と返事をして即答を避けたそうだ。
ホルコムさんはその後すぐに、他の希少なスニーカーが、以前世界的なオークション・ハウスであるサザビーズに出品されていたことに気づいた。
サザビーズに出品することに
そこでサザビーズに連絡を取ったところ、その靴は年末のスニーカー・オークションに最適だとのことだった。
サザビーズは出品料を免除すると申し出てくれました。そしてすべての利益をこの団体に役立てることを許可してくれたのです。(ホルコムさん)
なお、サザビーズはこのスニーカーが一般には発売されていないものだと述べた。
ホルコムさんは、早速、この靴を製作したデザイナーのティンカー・ハットフィールドさんに連絡を取り、事情を話した。
ハットフィールドさんは、リー監督とのコラボで使用した未発表のデザインコンセプトボードと、スニーカーを入れる箱を寄付すると申し出てくれた。
地元ポートランド出身のハットフィールドさんは、ホルコムさんがサザビーズに出品するためにマンハッタンに飛び立つ前日、記念品にサインをするためにわざわざシェルターの事務所に出向いてくれたという。
スニーカーは約750万円で落札
オークションの日程が決まり、サザビーズはこのスニーカーが15000ドル(約220万円)から20000ドル(約300万円)で落札されると見積もった。
去年12月18日、ホルコムさんがこのスニーカーを出品してから1か月以上経った後、オークションが開始され、ポートランド・レスキュー・ミッション」はウォッチ・パーティーを開催した。
最終的に、このエアジョーダンはなんと50800ドル(約750万円)で落札された。
希少なスニーカーをオークションに賭けたサザビーズ・ストリートウエア・モダン・コレクティブルズ部門のスペシャリスト、エリック・リバッシ氏は、リーが履いていないにもかかわらずこのスニーカーが特別である理由を、次のように説明した。
限定生産とユニークなデザイン、箱とデザイン証明にあるティンカー・ハットフィールド氏のサインと相まって、このスニーカーは真のコレクターズアイテムです。
この一足は数少ないうちの一足です。スパイク監督と彼のチームの数人のために作られたと言われています。
スパイク監督とティンカー・ハットフィールド氏は、映画『BlacKkKlansman』で彼がオスカーにノミネートされたことを記念して、カラーウェイを制作することに取り組みました。
カラーウェイとは、デザイナーの用語で色の組み合わせを指します。
匿名の人物が寄付してくれたことに感謝感激
金の延べ棒ならぬ金のスニーカーを最初に発見したフリーさんは、オークション終了後、このように語った。
このスニーカーのおかげで、様々な形で多くの苦境に立たされている人々を団体がお世話をすることができます。
その機会を与えてくれて、本当にありがとうございます。
また、ホルコムさんは感激をこのように言葉にした。
あの靴の落札代金が私たちの寄付金箱に入るなんて、100万年経っても想像できなかったです。とても驚いています。
高値で落札されたと知ったときは、みんな本当に感激し、拍手や歓声が飛び交い、ハグやハイタッチをしあいました。
このスニーカーを寄付してくれた人が誰であれ、素晴らしい物語の美しい結末を創り出してくれたと思います。
私たちにこの靴を託すというリスクを冒してくれたのですから。
還元されたお金によって、施設の食事や宿泊シェルター、そしてそこで提供する重要なサービスを提供する能力を拡大することができます。
私たちは、この寄付から多くの食事を得ることができます。それは、非常に大きなことです。
今は一年で最も忙しい時期で、私たちのサービスには多くの需要があります。
この組織は毎年60トン近くの衣料品を寄付していて、それらはすべて困っている人々に届けられている。
私たちがここで人々にサービスを提供し続けることができるのは、自分のできる範囲で寄付をしてくれる多くの人々のおかげです。
何よりも大切なことは、地域の人々が示してくれる寛大さなのです。(ホルコムさん)
References:Anonymous Person Donates Rare All-Gold Nike Air Jordans Worth $50K to a Portland Homeless Shelter/ written by Scarlet / edited by parumo
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