株式会社三菱総合研究所(代表取締役社長:籔田健二、以下 MRI)は、1月30日、研究レポート「CX2030:非言語情報のデジタル化がコミュニケーションを変革」を発表しました。本レポートでは独自の視点から非言語情報のデジタル化に着目してその意義を明らかにし、具体的な利用イメージとともにさまざまなコミュニケーション上の課題が緩和・解消される未来について考察しています。

1. 背景

MRIでは50周年記念研究(2021年1月発表)(https://www.mri.co.jp/50th/columns/topics/no02/ )において、デジタル・トランスフォーメーション(DX)、バイオ・トランスフォーメーション(BX)、コミュニケーション・トランスフォーメーション(CX)の3つの変革(3X)を提示しました。本レポートは、特にこれからのコミュニケーションのあり方を大きく変容させるCXに着目した調査研究の成果の一部をとりまとめたものです。

2030年代のCXではバーチャルテクノロジー(V-Tec)が大きな役割を果たします。MRIは、V-tec関連市場(広義のメタバース市場)として、2030年に国内関連市場が約24兆円規模と予測しています※1。

コミュニケーションにおいて非言語情報(身ぶり、手ぶり、ジェスチャーなど)が重要な役割を果たしていることは知られていますが、非言語情報をデジタル化することの意義はこれまで認識されていませんでした。このたびMRIでは、「非言語情報のデジタル化」に着目した調査研究を行い、デジタル化した非言語情報はV-Tecとの親和性が高く、広義のコミュニケーションに関わるさまざまな社会課題の緩和・解消につながる新たな事業創出が期待されることを明らかにしました。

※1:2030年代、メタバースの産業利用が社会課題を解決(MRIトレンドレビュー 2022.11.22)

https://www.mri.co.jp/knowledge/column/20221122.html

2. 研究成果の概要

本レポートは5章構成となっています。

第1章では、コミュニケーションにおける非言語情報の重要性を概観するとともに、非言語情報をデジタル化する意義を整理しました。

第2章では、非言語情報とV-Tecの関係性を整理しています。V-Tecの代表的な活用環境であるメタバースの構成要素(3Dバーチャル空間、オブジェクトエージェント)は、接触行動以外の非言語情報を良好に再現できることが分かります(図表1参照)。アバターの外観が操作者自身の心理にまで影響を及ぼす「プロテウス効果」や、デジタルヒューマンに情動の認識・表現機能を加えた「アフェクティブ・デジタルヒューマン」についても言及しています。

第3章では、有効性が確認されているV-tec関連研究領域として、学習・教育・技能伝承領域、医療・健康・ヘルスケア領域、およびその他のコミュニケーション応用領域での研究の現状を取りまとめています。

第4章では、コミュニケーション応用領域の発展として、非言語情報のデジタル化による社会課題の緩和・解消の可能性について考察しています。情報関連サービスの品質や生産性の向上、コミュニケーション阻害の解消、生活アシスト孤独感抑制によるQOL向上などの効果が期待されます。一例として図表2に、さまざまな生活シーンでのパーソナルアシスタントの利用イメージを示します。

最後に第5章では、デジタル化した非言語情報が社会に浸透するために解決すべき技術的、非技術的課題を整理しました。

図表1 非言語情報とメタバースの構成要素の関係

出所:三菱総合研究所

図表2 生活シーンでのパーソナルアシスタントの利用イメージ

出所:三菱総合研究所

本レポートを通じた、カギとなるメッセージは以下の3点です。

  • 非言語情報のデジタル化&活用によりコミュニケーションの強化・拡張が進む

  • プロテウス効果やアフェクティブ・デジタルヒューマンなどのデジタル化非言語情報の活用技術により、コミュニケーションに関わる多様な社会課題が解消・緩和されることが期待される

  • 社会課題をビジネスで解決するための手段の1つとして、今後の発展に注目していく必要がある

MRI先進技術センターでは、今後も社会課題をビジネスで解決するための情報を提供します。

レポート全文

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「CX2030非言語情報のデジタル化がコミュニケーションを変革」全文を読む [4.2MB]

https://www.mri.co.jp/knowledge/column/jdvs5f0000000dt4-att/mtr20240130.pdf

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