2月4日(日)放送「噂の!東京マガジン」(毎週日曜昼1:00-1:54、BS-TBS)内の「噂の現場」では、母国を離れ日本で働く外国人技能実習制度について特集。番組ディレクターにあてた1本の電話をきっかけに、外国人技能実習制度の驚くような実態が明らかに。処遇に耐えられず失踪したベトナム人の技能実習生を取材した。

【写真】車中で取材を受ける技能実習生のミンさん

■“テレビの週刊誌”がコンセプトの長寿番組

「噂の!東京マガジン」は、1989年10月1日に放送を開始。放送35年目に突入した長寿番組で、2021年4月には地上波TBSからBS-TBSへ引っ越し。

同番組では、身近に起こっているさまざまな問題を出演者が直接取材する「噂の現場」や、街行く人々が楽しく料理に挑戦し、プロの料理人にコツを教わる「やって!TRY」などが人気を博している。

■きっかけは番組ディレクターにかかってきた1本の電話

2023年11月29日福島県で噂の現場の取材を終えた山口良一とロケ隊が車で東京に帰る途中、ディレクターの携帯が鳴った。かけてきたのは失踪した外国人技能実習生を保護している東京のNPO団体の代表。以前、失踪問題の取材で協力してくれた人だった。

代表からの電話は「関東の工場で実習中だったベトナム人女性が処遇に耐えきれず失踪、茨城まで逃げてきたが所持金が底をつき助けを求めている。すぐ迎えに行ける職員がいないので代わりに誰か保護してくれる人はいないでしょうか」という相談。「このままだと野宿することになる」と言われ、人命にもかかわる事態ということでロケ隊は、急遽茨城へ向かい実習生を保護した。

ベトナム人の技能実習生が悲惨な実態を証言

実習生を東京にあるNPO団体のシェルターに送っていく車中、「なぜ失踪したのか?」など話を聞くと、給料の未払いや長時間労働など、受け入れ先のありえない仕打ちを浮き彫りにする貴重な証言を得ることができたという。

国は今、技能実習制度を廃止し、新たに労働力を確保することを目的とした「育成就労制度(仮案)」に移行する方針だが、その最中にも毎日のように技能実習生の失踪は起きている。失踪した後、技能実習生はどうなるのか。その後も追跡取材すると、元技能実習生たちの悲惨な状況が浮かび上がってきた。

ベトナム人の技能実習生に話を聞く山口良一/ (C)BS-TBS