ジュピラー・プロ・リーグベルギー1部)第23節が30日に行われ、コルトレイクはクラブ・ブルッヘとの試合を3-3で終えた。今冬の移籍市場でコルトレイクに新加入した藤井陽也と角田涼太朗はともにフル出場を果たした。クラブ・ブルッヘ所属の本間至恩は、現在セカンドチームにあたるクラブNXTを主戦場としており、メンバー外だった。

 前節終了時点で3勝5分14敗の勝ち点「14」で最下位に沈むコルトレイクが、11勝7分4敗の勝ち点「40」で2位につけるクラブ・ブルッヘの本拠地に乗り込んだ一戦。試合は16分に動く。クラブ・ブルッヘは右サイド高い位置でボールを持ったアンドレアス・スコフ・オルセンからの折り返しがGKに弾かれると、こぼれ球をフィリップ・ジンカーナゲルが押し込み、先手を取った。前半はこのままクラブ・ブルッヘの1点リードで終了したが、後半に入ると壮絶なシーソーゲームと化す。

 まずは後半立ち上がりの53分、コルトレイクはペナルティエリア右寄りの位置で左足へ持ち替えたジョナサン・アフォラビが狙い澄ました一撃を沈め、試合を振り出しに戻す。68分には敵陣でヒューゴ・ヴェトレセンを囲い込んでボールを奪ったところから、マッシモ・ブルーノが自ら持ち運んでゴールネットを揺らし、逆転に成功した。

 ホームで負けるわけにはいかないクラブ・ブルッヘは78分、右コーナーキックからブランドン・メシェレが同点ゴールをねじ込む。終盤に差し掛かった86分には、左サイドコンビネーションで高い位置を取ったミハウ・スコラシュがクロスボールを送ると、イゴーリ・チアゴがヘディングシュートを叩き込み、遂に試合をひっくり返した。

 だが、コルトレイクはこのままでは終わらなかった。後半アディショナルタイム、最終ラインからボールを持ち運んだ藤井が、味方とのパス交換からペナルティエリア右のスペースへ侵入し、グラウンダーのクロスボールを送る。ここは味方に合わずにファーサイドまで流れ、その後送られたクロスボールも合わなかったが、ペナルティエリア右でセカンドボールに反応した藤井が頭で折り返す。マルク・マンパシがヘッドで横へ流すと、最後はジビ・セックが右足でボレーシュートを叩き込み、再び同点に追い付いた。

 試合はこのままタイムアップ。コルトレイクは上位につけるチームを相手に痛み分けの試合を演じ、敵地から貴重な勝ち点「1」を持ち帰った。これで直近3戦の成績を1勝2分とし、無敗を継続している。一方、クラブ・ブルッヘは優勝争いに向けて痛すぎるドロー。ホームで3連勝を逃した。

 3バックの右に入った藤井、左に入った角田はともにフル出場を果たした。角田に関しては7分頃にピッチへ倒れ込み、状態が心配されたが、右肩の付近に包帯を巻いて再びピッチへ。90分間戦い抜いた。

 1失点目の場面では、角田の放ったロングフィードがブロックされ、そのボールが失点に繋がってしまう。3失点目の場面でも、藤井はスコラシュの放ったクロスボールを1度はブロックしたものの、こぼれ球を拾われてクロスボールを許し、ボックス内で角田の前に入られてヘディングシュートを決められた。

 最終ラインの選手のため失点シーンでは目立ってしまったものの、90分間を通して見ると両選手の堅実な対応、競り合いの強さなどが目立ったシーンも多かった。攻撃時にも持ち味を生かす場面が見られ、藤井は3ゴール目の起点となる持ち運びを見せている。最終的にコルトレイクは31本ものシュートを浴びながらドローに持ち込んでおり、ジョアン・シルヴァとともに構成された3バックとしてチームの勝ち点獲得に貢献した。ここまで藤井は3試合、角田は2試合の出場だが、直近3試合でチームは負け知らずで、新天地で上々の滑り出しと言えそうだ。

 次節、コルトレイク2月3日にホームで森岡亮太所属のシャルルロワと、クラブ・ブルッヘは2月4日に敵地でロイヤル・アントワープと、それぞれ対戦する。

【スコア】
クラブ・ブルッヘ 3-3 コルトレイク

【得点者】
1-0 16分 フィリップ・ジンカーナゲル(クラブ・ブルッヘ)
1-1 53分 ジョナサン・アフォラビ(コルトレイク
1-2 68分 マッシモ・ブルーノコルトレイク
2-2 78分 ブランドン・メシェレ(クラブ・ブルッヘ)
3-2 86分 イゴーリ・チアゴ(クラブ・ブルッヘ)
3-3 90+7分 ジビ・セック(コルトレイク

名古屋から加入した藤井陽也、横浜FMから加入した角田涼太朗 [写真]=三浦誠、兼子愼一郎