株式会社CuboRex(本社:東京都葛飾区、以下「当社」)は、東京電力パワーグリッド株式会社(本社:東京都千代田区、以下「東京電力パワーグリッド」)と共同で2023年12月22日に、山間部の断線事故の緊急対応や改修工事に伴う機材運搬の労力削減のための実証実験を実施しました。
今回の実証実験では、当社の「一輪車電動化キット E-cat kit2」を利用することで、従来人力で運搬していた作業を電動一輪車の使用によって運搬時間が約70%短縮され、大幅な効率化になることが明らかになりました。

  • 今回の実証実験の背景

・有事における山間部のインフラ復旧工事の現状

2024年1月1日に発生した能登半島の地震では、電気の復旧にかなりの時間を要していました。1ヶ月経った現在は概ね復旧していますが、完全復旧にはまだ至っていないのが現状です。

経済産業省によると配電設備の損傷が主な原因とされており、山間部などの倒木や土砂崩れにより立ち入りが難しい現場では復旧に時間がかかってしまう場合が多くあります。*2

こうした有事の際は、作業員が総重量50kgを超える修理機材を背負って現場まで登頂し改修作業にあたります。到着してからの迅速な対応が重要な現場ですが、機材運搬にかかる労力が非常に大きく、現場作業に取り掛かる前に運搬作業によって体力を大幅に低下してしまう現場も少なくないといいます。

(*1https://www.rikuden.co.jp/nw/teiden/f2/now/otj040_17.html

(*2https://www.meti.go.jp/press/2023/01/20240130005/20240130005.html

・迅速な復旧の鍵は「体力温存」

東京電力パワーグリッドでも同様の課題を抱えていました。地震、大雪、強風などによる山間部の断線事故では、現場での迅速かつ正確な対応が求められます。

このため、運搬作業における労力削減と作業員の体力温存が非常に重要と認識されており、これに対応するため、東京電力パワーグリッドではさまざまな方法の試験導入を進めていました。

このような状況の中、当社が開発した電動一輪車が有効な解決策であるとの見解が得られ、当社と共同実証実験を実施する運びとなりました。

  • 今回の実証実験の概要

・実施日程:2023年12月22日

・実施概要:山中の断線工事の出動を想定、必要な資機材を山頂の現場まで運搬

 従来の運搬方法である、作業員が背負って運ぶ場合と電動一輪車利用時の差を比較

・作業内容:山間部の断線工事の修繕に必要な資機材の運搬

・試験場所データ

・検証状況

  • 実証実験の結果

・定量的な調査結果

総重量56kgを人力で運んだ場合と電動一輪車で運んだ場合、上り道の往路で57分、下の復路で約77分電動一輪車の方が早く到着するという結果になりました。運搬に携わる作業員の人数も加味すると、約4.2倍の効率化が見込まれることがわかりました。

・定性的な調査結果

人力で運んだチームと電動一輪車では、スピードだけではなく体力消費の面で目に見えて大きな差がつきました。

約28キロの背負子を背負った状態では登山自体が大変困難で、現場に到着後も疲労度が高い状態でした。現場到着後もある一定程度の休憩が必要になり、迅速な対応が難しい状況になることもあります。一方で、一輪車を使用した作業員の疲労度は低く、現場に到着後すみやかに復旧作業を始められる体力的余裕が残っている状態でした。

  • 今後の展望

本実証実験を通じて、山間部での断線改修工事における電動一輪車の導入が作業効率の向上と作業員の負担軽減に大いに貢献することが確認されました。

この成果は、ロボティクスが災害現場で直面する多くの課題に対して有効な解決策を提供する可能性を示し、「現場作業のキツい」を軽減するという当社のミッションを具体的に体現するものです。

今後も当社はインフラ業界と協力を深め、災害現場のDXを促進し、より安全で効率的な作業環境の実現を目指します。

【会社概要】

社名 :東京電力パワーグリッド株式会社

事業内容 :一般送配電事業、不動産賃貸事業及び離島における発電事業

設立年月日 :2015年4月1日

WEBサイト :https://www.tepco.co.jp/pg/

  • CuboRexについて

【会社概要】

社名 :株式会社CuboRex

事業内容 :電動クローラー等の製品開発・製造 / 受託開発

設立年月日 :2016年3月31日

WEBサイト :https://cuborex.com/

配信元企業:株式会社CuboRex

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