「もっと節約しなければ」と、日々の生活のなかでお金について考えることはありますか? 節約できない原因は、「本当は買わなくてもよいもの」まで購入しているからかもしれません。『買わない暮らし。 片づけ、節約、ムダづかい……シンプルに解決する方法』(大和出版版)著者筆子氏が貯金に回せるお金の使い方について解説します。

貯金額を増やす方法

誰でも「お金がない」「もっとお金がほしい」「もっと節約しなければ」と考えることがよくあるでしょう。

生活のあちこちで切り詰めて、節約に励んでいる人もいるかもしれません。しかし、我慢を強いられるような疲れる節約をしなくても、現在の買い物の習慣を見直し、買わなくていい物を買うのをやめれば、もっとお金が残ります。

貯金額を増やす方法は、3つあります。

①収入を増やす

②支出を減らす

利回りのいい運用をする

※③は投資なので、ここでは取り上げません。

たいてい、固定費を見直したり、食費を節約したりするものですが、切り詰めているつもりでも、買わなくてもいい衣料品や化粧品、雑貨を買いすぎていることに、まったく気付かないことがあります。

いえいえ、私は、無駄遣いはしていません。ギリギリまで削っています」

こうあなたは言いますか? ですが、多くの人は、本当は買わなくていいものまで、「これは買うのが当たり前」だと思って買い続けているのです。

洗浄剤を例に挙げましょう。自分を洗うものひとつ取っても、顔用、手のひら用、髪用、身体全体用と複数の商品があります。さらに家の中には、住居用の洗剤、食器用洗剤、衣料用洗剤もありますね。

住居用も、床用、お風呂用と分け、トイレ専用スプレー、油汚れ専用スプレーと取り揃える人もいます。

実は、こんなにたくさんの洗浄剤を使わなくても、自分の身体のメンテナンスも、家の掃除も問題なくできます。私が掃除に使うのは、重曹、お酢(クエン酸)、アルコール、石けん、水、エッセンシャルオイル(抗菌、殺菌、香り付け用)だけです。

石けんで全身を洗って、お酢でリンスするか、湯シャンを取り入れれば、シャンプー、リンス、トリートメントをズラズラとお風呂場に並べる必要はありません。私たちは、本当は使う必要のない物や、なくても生活に支障がない物をなんの疑問も持たずに何年も買っています。こうした買い物を見直せば、きつい節約をしなくても、貯金するお金が手元に残るのです。

無駄なお金のサイクル

シンプルライフを目指して、普段、片付けに励んでいる人でも、知らないうちに無駄な物にお金を使っています。あなたは、こんなことを繰り返していませんか?

家に着られる服がたくさんあるのに、おしゃれで安い服を見つけて買う。

買ったあと、多少は着る。しかし、すでにたくさん服を持っているので、やがて死蔵品になってしまう。

着ないのに、「いつか着られるかもしれない」と思って捨てない。その結果、家の中に服がたまる。

タンスがいっぱいになり、収納ケースを買う。それでは足りなくなり、100円均一ショップで、一見便利そうな収納かごを買って、タンスの中身を整理する。

一方で、相変わらず、安くてかわいい服を見つけるとほしくなって衝動買い。そのうち収拾がつかなくなり、安くはないお金を払い、片付けセミナーに出席したり、整理収納アドバイザーを家に呼んだりする。

こうして「捨てること」に開眼。不用品を大量に捨てる。あまりにたくさんあるので、トラックや回収業者にお金を払う。

いったん片付け体質を身につけるも、これまでの買い物習慣がなかなか抜けず、「買っては捨てる、買っては捨てる」を繰り返す。

家計が苦しくなり、パートに出る。「パートに行くんだし、きちんとした服を着ないとね」などと思い、また服を買う。

最初に戻る。

これは極端な例ですが、次々と買う生活が普通になっていると、何をするにも、「まずは、あれとこれを買わなきゃね」と、新しい物を買うことを思いついてしまうのです。

筆子

ブロガー

(※写真はイメージです/PIXTA)