果てとチークの『くらいところからくるばけものはあかるくてみえない』が、第68回岸田國士戯曲賞最終候補にノミネートされた。それに伴い、本作の上演映像が2月13日(火)23:59まで無料公開されている。

果てとチークは升味加耀が主宰する演劇ユニット。第六回本公演の『くらいところからくるばけものはあかるくてみえない』は、宗教という体系における男女の役割の不均衡、そしてミソジニー(女性嫌悪)・ミサンドリー(男性嫌悪)をテーマに、ひとつの宗教団体とその周辺の人々を描く物語だ。閉鎖的なコミュニティの中で起こりがちな、カルト化や洗脳、また多様なハラスメントを率直に描き出し、現代社会に蔓延る“格差”や“見えない暴力”に鋭く切り込む。

本作では軽快な会話劇をベースとしながらも、異様な世界に巻き込まれていく人々を描く緊張感のある物語をおくる。

そして、果てとチークは2024年度公演のスケジュールを公開。

8月に果てとチーク・あらためて公演『はやくぜんぶおわってしまえ』を上演 。第29回 劇作家協会新人戯曲賞最終候補作で、昨年初演の本作を、新たなキャスト・スタッフを迎え、最速再演する。

2012年の私たちと、透明で静かな地獄の話。「生徒の性自認が揺らぐ」——突然ミス・ミスターコン中止を告げられた始業式の放課後、“女子高生”のラベルの下、密かに軋んでいた生徒たちの思いが溢れ出す。


11月に果てとチーク第8回本公演『害悪』を上演 。令和元年北海道戯曲賞最終候補作で、新たなメンバーで、スケールアップしての再再演となる。

目を閉じたら、なんだって無いのと一緒だよ——。ギリシャ悲劇『トロイアの女たち』を下敷きに、仮想世界で行われる第三次世界大戦下、身を寄せ合うように生きていく三姉妹の、夏から冬を描いた物語。


そして、2025年1月に果てとチーク・つづきの公演『きみはともだち』(新作)を上演する。

自分がドウェイン・ジョンソンだったら、とか思わない? 本作は、『はやくぜんぶおわってしまえ』に登場した幼馴染、ノザワとソノの約10年後のお話。わかりあえないまま、それでも友達でいることの、尊く辛い”終わらなさ”を描く。『はやくぜんぶおわってしまえ』を未見の方にも楽しむことができる、独立した作品。

 

果てとチーク