ナンパ橋に街道ゼロヨンにクルマは親からのプレゼント! Z世代は目が点のバブル絶頂期の仰天カーライフ7つ

この記事をまとめると

■バブル期はクルマにまつわる文化や行動が華やかだった

■クルマを買う際は一番いいモノを買うのがステータスだった

■パパにクルマを買ってもらうのも珍しい光景ではなかった

バブル期のクルマ文化は華やかだった!

 明確な定義はありませんが、主に1990年代後半から2000年代に生まれた世代の方たちを「Z世代」と総称することが多いようです。その親御さんの多くはバブル時代にクルマの魅力を存分に味わった世代。取材やSNSなどを通じ、そのお子さんたちが成人してクルマを所有できる年代に入っていることを実感することが増えました。

 そんなZ世代の方たちの親御さんが若い頃は、いまではありえないことだらけだったのです。今回はそんなありえないことをいくつか振り返ってみましょう。

●アッシー&メッシー

 本命の彼氏の他に、タクシー代わりに迎えに来てくれる「アッシー君」や、クルマに乗せて食事へ連れて行ってくれる「メッシー君」が実在しました。もちろんその際にかかる費用も男子もち。お目当ての女子に都合良く使われているだけで、本命の彼氏に昇格する可能性は望み薄だった。

バブル期では当たり前だった自動車文化7選

 しかも、現代のように待ち合わせ時間に遅れそうなときはLINEで連絡する手段もありません。いつ来るかもわからない(そして成就しない)相手に対してお人好しにもホドがあるというかなんというか……。

●クルマでナンパ

 全国各地に通称「ナンパ橋」などと呼ばれるスポットがあり、主に金曜日や土曜日の夜になるとナンパ目当てにクルマで乗りつける男子と、ナンパされ目的で現地に向かう女子……。LINEはもちろん、メールも携帯電話もない時代。ファーストコンタクトでマッチングしていたのです。

バブル期では当たり前だった自動車文化7選

 めでたくマッチングすればそのままドライブ。その後の展開は当人同士次第!?  ソアラだとモテる。外車はさらに強い。ポルシェなら無敵……など、ナンパするクルマが強力な飛び道具になった時代。この時代にポルシェ・マカンやカイエンがあったらモテモテだったはず。

●街道ゼロヨン

 深夜になるとどこからともなく改造車が集まり、深夜0時を過ぎたあたりから街道ゼロヨンがスタートする……。会場は海沿いや工業地帯など民家が少ない場所が基本。深夜でも平気でバーンアウトし、400メートル先のゴールを目指して全開で加速していく……。やがて通報によりパトカーが駆けつけ、蜘蛛の子を散らすように逃げまわるエントリーカーとギャラリーたち……。落ち着いたら再開。

バブル期では当たり前だった自動車文化7選

 そしてまたパトカーが来て中断。それが朝まで繰り返されたのです。ゼロヨンスペシャルにチューニングされたスカイラインGT-Rロケットスタート&全開加速に圧倒された人も多かったはず。

新車を買うのは当たり前!

●新社会人で新車を60回ローンで手に入れる。

 新卒で社会人となり、数カ月後には60回ローンを組んで新車を買う! かつては120回ローンなんてありませんでした。60回がリミット。それでも5年です。途中で乗り換えることもザラでした。ユーノスロードスタースカイラインGTS-TタイプMあたりを思い切って買ったはいいものの、そのうちハイパワーなモデルが欲しくなり、結局スカイラインGT-Rなどをはじめとする280馬力スポーツカーに乗り換え……。

バブル期では当たり前だった自動車文化7選

 終身雇用の制度が色濃く残っていたバブル時代。給与は年齢とともに上がっていくし、ボーナスも期待できる。だからこそ、無茶なローンが組めたし、乗り換えることができたのです。しかも、そこからさらにチューニングしている人もザラ……。

●最上級グレードがえらい

 初代セルシオでいえばC仕様Fパッケージのフルオプション、メルセデス・ベンツなら無条件560SEL。ポルシェだったら911ターボ。とにもかくにも「一番イイヤツの全部付き(フルオプション)」がえらい時代だったのです。いまであれば現行アルファードのエグゼクティブラウンジE-Four 4WDフルオプション仕様。はたまたレクサスLMでしょうか。

バブル期では当たり前だった自動車文化7選

 オーナーは「一番イイヤツの全部付き(フルオプション)」と自慢できる。販売店は利益率の高い契約が取れる(苦労もあると思いますが)。将来、おトクな中古車として市場に出まわる。よくよく考えるとじつは皆さんハッピーになれる好循環な例かもしれません。

●自動車電話&携帯電話片手に運転

 運転中のスマホ等利用に対する罰則が強化されたのは2019年12月1日から。ちなみに、運転中の携帯電話の使用に罰則規定が設けられたのは2004年の6月3日から。もう20年近くも前なのです。それまではというと……。自動車電話&携帯電話片手に運転している光景があたりまえでした。

バブル期では当たり前だった自動車文化7選

 自動車電話、そして初期の携帯は重かったし、腕がしびれたものですが……。テレビドラマでも、運転中に携帯電話で話しているシーンがごく自然にオンエアされていました。再放送するときはカットされるのでしょうか。

●パパにクルマを買ってもらえる

 大学に合格したら、就職したら、嫁入り道具として……などなど。ライフステージの節目でパパ(※実の父)からクルマを買ってもらえる裕福な家庭がいま以上に多かったことも事実。某ディーラーでは、ご主人はメルセデス・ベンツ奥さまアウディ、お嬢さんはフォルクスワーゲン(または小ベンツといわれた190E)といった組み合わせが珍しくなかったとか。

バブル期では当たり前だった自動車文化7選

 バブル絶頂期の当時、とある雑誌でパパからフェラーリ・テスタロッサを買ってもらったという女子大生が記事になっていたのを見て驚いた記憶があります。件の女性、現在はおそらく50代中頃のはず。どこで何をしているのでしょうか。

まとめ:Z世代の親にとっての当たり前は現代の……

 こうして挙げてみると、バブル期はいかに見栄を張ってナンボな時代であったかがうかがえます。そもそも、見栄を張るにも体力がいりますし、原資となる相応の収入がなければできません。あの狂乱の時代はもう訪れることはないのでしょうか。

 それにしても、バブル期に自動車電話や携帯電話を所有できる(当時はレンタルみでしたが)のはごく限られた人たちだけだったのに、待ち合わせも普段の連絡もどうにかなっていたのが不思議なくらいです。

ナンパ橋に街道ゼロヨンにクルマは親からのプレゼント! Z世代は目が点のバブル絶頂期の仰天カーライフ7つ