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大きなものから小さなものまで、“最近のK-POP”の話題を振り返るマンスリー連載「K-POP、最近どう?」。今月の「Kどう」では、ベテラン勢の動向や日本で撮影された映像作品といったトピックをお届けします。大晦日に放送された「NHK紅白歌合戦」で“天才的なアイドル様”が集結したYOASOBI「アイドル」のステージが注目を浴びたことも記憶に新しいですが、前回に引き続き、今回も年末年始恒例の大型歌謡祭や授賞式の話題をピックアップしました。

文 / 岸野恵加 イラスト / hakowasa

1. 「紅白」YOASOBIステージに“天才的なアイドル様”大集合

昨年大晦日に放送された「第74回NHK紅白歌合戦」に、K-POPアーティストが多数登場! Stray KidsSEVENTEENLE SSERAFIMTWICE内ユニットのMISAMO、そして特別枠でNewJeansが出演しました。2023年を代表するヒット曲となったYOASOBI「アイドル」のステージでは、5組に加え、櫻坂46乃木坂46、BE:FIRST、JO1、NiziUが次々にダンスを披露。anoと司会の橋本環奈も登場し、日韓のアイドルが集結した豪華なステージが繰り広げられました。

さらに1月7日に放映された「NHKスペシャル 世界に響く歌~日韓POPS新時代~」ではYOASOBIとNewJeansがフィーチャーされ、NewJeansのプロデューサーであるミン・ヒジンが初めて日本のテレビ番組のインタビューで創作の裏側を明かしました。

また「紅白」の三山ひろしの舞台で恒例となっている「けん玉世界記録への道」に、なんとSEVENTEENのVERNONが参加。終了直後にはチャレンジ成功と発表され、VERNONは一時Weverseにて自身の名前を「けん玉ギネス記録保持者」と表記していました。ところがのちに失敗していたことが報告されると、すかさず「けん玉ギネス記録保持者になりそうだった」に変更。VERNONのけん玉へのストイックな姿勢がうかがえます。

「紅白」の裏側では、MISAMOとLE SSERAFIMのSAKURA、KAZUHAといった日本出身のK-POPアーティストがTikTokを撮影。SAKURAが手作りのニット帽をMISAMOの3人にプレゼントしていたことも明かされ、女神たちの交流に心が温まりました。

2. 親子共演、ピ・チョリン乱入…年末年始ならではの豪華な宴

日本が「紅白」に沸いていた大晦日、韓国では毎年恒例の音楽祭「MBC歌謡大祭典」を華やかにオンエア。4年ぶりにHYBE所属アーティストが出演したことでも注目を浴びました。

一夜限りのコラボステージが多数展開された中、特に印象的だったのは、仲がいいことで知られるIVEのユジンとラッパーのイ・ヨンジによるステージ。ビヨンセ「End of Time」とレディー・ガガ「Born This Way」を堂々と歌い上げ、まさに「Born This Way」の歌詞のごとく“自分らしく生きる”を体現する2人の姿はまぶしかったです。また、かねてから顔が似ているとファンの間で話題を集めていたイェジ(ITZY)とヒョンジン(Stray Kids)はコラボダンスをし、RIIZEアントンは歌手で作曲家の実父ユン・サンと共演。親子でチェロキーボードをそれぞれ弾き語りし、温かな歌声を響かせました。

年が明けて1月6日には、音楽授賞式「第38回 ゴールデンディスクアワード with Bank Mandiri」がインドネシアジャカルタで開催。SEVENTEENは昨年発表した日本オリジナル曲「今 -明日世界が終わっても-」の韓国語バージョンをステージで初披露し、SEVENTEEN内ユニット・BSSのステージには、DINO扮するキャラクターのピ・チョリンが突如乱入して騒然となりました。

ちなみにSEVENTEENは、YouTubeで公開しているバラエティコンテンツ「GOING SEVENTEEN」内に登場した楽曲「軽音楽の神」を、12月26日に本当に音源化。ピ・チョリンはそのコンテンツ内にも登場しています。VERNONのけん玉を含め、トップスターとなっても遊び心を忘れないSEVENTEENに楽しませてもらった年末年始でした。

3. 東方神起20周年!SISTAR19は11年ぶり復活

活動歴の長いベテランアーティストたちにも、さまざまな動きがありました。東方神起12月26日にデビュー20周年を迎え、同日に9thフルアルバム「20&2(20th Anniversary & Two Members)」をリリース。リード曲「Rebel」のミュージックビデオでは、チャンミンとユノが貫禄を漂わせつつキレのいいダンスを見せています。また12月30、31日には、韓国で4年9カ月ぶりとなる有観客公演として、20周年コンサート「2023 TVXQ! CONCERT [20&2]」を開催しました。

そして2017年に解散したガールズグループSISTARより、ヒョリンとボラのユニット・SISTAR19が再始動。11年ぶりとなるシングル「NO MORE (MA BOY) 」を1月16日にリリースしました。連日音楽番組で見せてくれる余裕たっぷりのパフォーマンスは、至極セクシーながらも、健康的な美しさに満ちています。

また少女時代のユナが、SMエンタテインメントと3度目の再契約をしたことが明らかに。さらにSMエンタテインメントは、EXOの8人が今後もグループとして活動を続けていくことを1月8日に発表しました。ディオの専属契約が満了し、ベクヒョンは自身が設立した新レーベル「i&B100」にシウミン、チェンとともに所属した中で、今後の活動の行方が注目されていました。

4. RIIZEにTWS…日本での撮影ブーム到来?

注目の新人ボーイズグループが、日本で撮影した映像作品を立て続けに発表して話題に。RIIZEが1月5日にリリースした新曲「Love 119」のミュージックビデオは、メンバーが学生に扮し、日本の電車に乗ったり、学校の体育館でダンスをしたりするシーンで構成されています。撮影のビハインド映像を確認すると、駅のシーンはどうやら京王線府中競馬正門前駅で撮影された様子。RIIZEのInstagramにも、撮影のオフショットが数多く投稿されています。

SEVENTEENの所属するPLEDIS Entertainmentから1月22日にデビューを果たした6人組ボーイズグループTWS(トゥアス)は、デビュー前に公開したメンバーのソロ動画シリーズ「FIRST TIME」を日本で収録。こちらは伊豆半島の各地で撮影が行われたようで、“Special Thanks”として熱海高校、三島市、函南市、伊豆箱根鉄道がクレジットされています。また1stミニアルバム「Sparkling Blue」のハイライトメドレーにも、東京などの街並みが登場しました。

日本で撮影されたK-POPのMVといえば、沖縄で撮影されたTWICEの「Dance The Night Away」(2018年)と宇宙少女の「Boogie Up」(2019年)、福岡で撮影されたASTROの「Confession」(2016年)などが思い浮かびますが、RIIZEとTWSの作品はリアルで身近な日本の空気感を活かしたドラマ仕立てである点が新鮮に映ります。日本のどこかノスタルジックなムードが、今K-POPのクリエイターたちに刺さっているのかもしれません。

5. 2023年米国内のCDセールスTOP10にK-POPが6組!

2023年度のアメリカ国内CDセールスランキングがデータ調査会社のLuminateにより発表され、上位10位中、1、8、9位のテイラー・スウィフトを除く7作すべてをK-POPアーティストの作品が占めました。

Stray Kidsは2位に「5-STAR」、4位に「ROCK-STAR」の2作がランクイン。そのほか3位にTOMORROW X TOGETHER「The Name Chapter: TEMPTATION」、5位にNewJeans「Get Up」、6位にTWICE「READY TO BE」、7位にSEVENTEEN「FML」、10位にJUNG KOOK(BTS)「GOLDEN」と続きます。デジタルセールスを合わせたランキングでも、Stray KidsとTOMORROW X TOGETHERは上位10作にランクインしており、大きなインパクトを残しました。

また4月にアメリカ・カリフォルニア州インディオで開催される最大級の音楽フェスティバル、“コーチェラ”こと「Coachella Valley Music and Arts Festival」に、ATEEZとLE SSERAFIMが出演することも決定。ATEEZはK-POPボーイズグループ史上初の「コーチェラ」出演となります。2024年も、K-POPグループはグローバルな活躍で私たちを魅了してくれそうです。

2024年1月のひとりごと

ライター 岸野

ずっと欲しいものリストに入っているYanYanニット、aespaのウィンターさんが沖縄での最高の着こなしを見せてくれてうっとり。絶対買いますね……。

編集 獅々堀

NMIXX「DASH」の掛け声が楽しそう。自分も参加したいです。

「K-POP、最近どう?」扉イラスト