女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「結婚」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2018年12月11日 記事は取材時の状況)


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 皆さんは、夫・彼氏や家族に寝言を言っていたと指摘されたことってあるでしょうか?


 自分ではコントロールできない寝言って、変なことを言ってたりしますよね。中には思わず隠し事を口に出してしまう人もいるようで…。


 夫の寝言から不倫を見抜いた女性の話をきいてみました。



写真はイメージです(以下同じ)



 近頃、牧野麻美さん(仮名・33歳/主婦)は、夫の晃(あきら)さん(仮名・38歳/会社員)と一緒にネット配信のNetflixで海外の連続ドラマを観る事にハマっています。


 ですが疲れているのか、23時を過ぎると晃さんがソファーでうたた寝してしまう事が多々あるそうで…。


「寝るのは別にかまわないんですが、私が先にドラマの続きを観ると怒るので、毎回起こさないといけないんですよ」


 仕方なく、いつものように揺り起こしてみると…。


◆夫の寝言から女性の影を感じた妻がカマをかけると…
「普段はそんな事絶対にしないのに、私に抱きついてきて『アッキーまだ眠いの…』って言ってムニャムニャしてて…え、アッキーって? 感じでしたね」


 晃さんは、ちょっとマザコン気味なところがあるので“きっと、子供の頃にお母 さんからアッキーって呼ばれていたのかな?”と思い、寝ぼけている晃さんに「アッキー起きて!」と声をかけながら再び揺り起こしてみると…。



「夫はビクッと飛び起きて、あわてて携帯をつかんでキッチンまで走って行ったと思ったら、すぐ戻ってきて不安げな顔で恐る恐る『LINE見たの?』って言ってきたんですよ」


 晃さんの母親はLINEはおろかスマホも使っていないので、明らかに怪しい。これってもしかして女? とピンときた麻美さんは、LINEなんて見ていませんが、「見たよ、あの女だれ?」と、勝負に出てみました。


「そしたら夫は『悪いのは俺だけど…人の携帯見るなんてルール違反だよ!』って怒鳴ると、バタバタっとカバンやスーツをかき集めて車でどこかに行ってしまったんですよ」


◆泣いて下手に出る演技をしたら、夫が不倫を白状
“悪いのは俺だけど”って事は不倫している事は確定です。頭にきましたが、ふだん気の強い麻美さんには、こんな時のためにとっておきの手があります。


「とりあえず朝から『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(ビョーク主演の悲しい映画)を流しっぱなしにして気持ちを作りながら夫の帰りを待ちました」



ダンサー・イン・ザ・ダーク」松竹ホームビデオ



 すると深夜にソッと帰ってきた晃さん。


「夫の前に立ち、そっと手を握りながらポロポロと涙を流し『私がいたらないから、よその女性に目がいくんだよね…ごめんなさい』って渾身(こんしん)の泣きマネをしたんですよ」


 すると晃さんも涙目になりながら「何言ってるんだよ…悪いのは俺だよ! もうしないから」と麻美さんを抱きしめてきました。


 晃さんは、同じ部内の女性と不倫をしてしまったと告白し麻美さんに謝罪してきたそう。


「そうなったら、もうこっちのものですよ!(笑)その後、その女と別れてから夫は『これからは俺のLINEいつでも見ていいからね』と言ってくれました」


 ですが「もう信じてるから、見なくて平気」と返したそう。


◆夫に恋心はないので腹も立たない



「男は周期的に浮気をするものって思っているので、頭ごなしにキレても亀裂が深くなって仲直りが遅くなるだけだし、私が損するだけじゃないですか?」


 とにかく離婚はしたくないし、もめたくないと語る麻美さん。


「何年かに1度しか使えない手ですが…私の泣きマネで夫に改心してもらって、むしろ絆を深めるチャンスだと思って。ドラマチックに盛り上げないと!って力が入りますね」


 ですが、なぜ麻美さんはこんな風に浮気されても冷静でいられるのでしょうか?


「もう夫に対して恋心なんてほとんどないからですかね。つまらないような気もしますが、夫とは趣味も合うし収入もそこそこありますし…いいんです! このままの暮らしが幸せなので。


 ですが、不倫相手からつけられたあだ名なのか分かりませんがいい歳して“アッキー”は無いですよね」と苦笑いをしながら、肩をすくめる麻美さんなのでした。


<文&イラスト/鈴木詩子>


【鈴木詩子】漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラー棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop