詳細画像はこちら

おかえりなさい、待っていました!

ホンダのミニバンである「オデッセイ」が帰ってきた。

【画像】【画像大量】真っ黒な新グレード「BLACK EDITION」内装やディテールのフォトギャラリーはこちら 全131枚

2023年12月8日より「オデッセイ」の販売が再開した。新型ではなく、「再び」販売が開始されたのだ。実は、2013年に登場した現行型となる5代目モデルは、2022年に一旦、国内での生産と販売が終了した。しかし、中国生産となり、2023年暮れより日本市場にカムバックすることになったのだ。

詳細画像はこちら
2023年12月8日より「オデッセイ」の販売が再開した。    中筋友郎

生産国は変わったが、基本的な部分は生産終了前と同じで、ルックスは2020年11月のマイナーチェンジ版のリフレッシュ程度だ。ただし、グレード編成と細かな装備・機能面での変更は行われている。

大きいのはパワートレインがe:HEVと呼ぶハイブリッドひとつになったことと、すべてのグレードが「ABSOLUTEアブソルート)」と呼ぶスポーティ&ゴージャスなものとなったこと。そのため価格は480万0400円~516万4500円に。300万円台のお手頃グレードは消え去ったのだ。

それ以外の変更点は内装や機能面だ。2列目シートは電動化とヒーター追加を実施。ナビは大型化し、シフトレバーはスイッチ式のギヤセレクターになり、ステアリングに回生ブレーキの効き目を変える減速セレクターが追加された。

低速走行時の近距離衝突減速ブレーキや急アクセル抑制機能、オートハイビームなどの安全に関する運転支援機能が強化されているのも嬉しい点だ。

MM思想を実践したホンダらしさ息づく室内空間

今回、試乗したのはトップグレードとなる「e:HEV ABSOLUTE・EX BLACK EDITION」(516万4500円)だ。名前の通りに、グリルにホイール、ミラーにリアコンビネーションランプブラックアウトされている。

ステアリングは本革巻きで、シート&インテリアの内装も本革だ。見るからに精悍であるし、乗り込んでみれば、価格に納得の質の良さを感じる。

詳細画像はこちら
内装には本革がふんだんに用いられ、質感高く仕上げられている。    中筋友郎

全高は1695mm。先代の1500mm台からは背が大きくなってはいるけれど、それでもトヨタの「アルファード」の全高1935mmには遠く及ばない。やはり、今も「オデッセイ」は、背の低いミニバンなのだ。

しかし、ホンダ得意のMM思想(人の空間は大きく、メカは小さく)を実践する「オデッセイ」の床は非常に薄く、そして低い。車内空間の高さは十分なものが確保されている。

本革であり、オットマン&ヒーター付きの電動の2列目シートの安楽さも、この価格帯のクルマならでは。そして、3列目シートが床下に畳んで収納できるのも便利だ。また、約2年のブランクを埋めるような機能面での改良も施されている。

通信機能を活用した「Honda CONNECT」も最新になった。スマートフォンをデジタルキーにしたり、車内Wi-Fiなどが利用できるようになったのもトピックだ。Lクラスのミニバンに求められる利便性や快適性、機能性は合格点と言えるのではないだろうか。

もちろん注目は走り 軽快なハンドリング、爽快な加速感

便利で質感が高いのも嬉しいが、やはり「オデッセイ」の魅力の本丸は走りだろう。走行シーンの多くを最高出力184ps・最大トルク17.8kg-mのフロントモーターが担う。スムーズかつ、トルクフルで、スルスルスルと滑るように加速してゆく。その反応は鋭く、そしてダイレクトだ。

ドライバー右側のインパネにある「SPORTボタンを押し込めば、エンジンが稼働し、「いつでもフルパワーでの加速に対応するぞ!」という姿勢を見せる。そこでアクセルを踏み込めば、颯爽たる加速にあわせて、軽快で澄んだエンジン音が耳に届く。まるでスポーツカーのような爽快さだ。

詳細画像はこちら
加速は鋭く、ダイレクトだ。    中筋友郎

ハンドリングも軽快そのもの。振幅感応型ダンパーが、大きな動きには減衰を強く、小さな振動には柔らかく動きを変える。もともと背が低く、慣性モーメントが少ない「オデッセイ」だから、ロールやピッチングの動きはごくわずか。

Lサイズではなく、1クラスも2クラスも小さなクルマを運転しているような軽快さが楽しめるのだ。

精悍なブラックなルックスと、質感が高く、かつ機能的な室内空間、そしてホンダらしい軽快な走りを揃えるのが再登場した「オデッセイ」であった。MM思想をもとにした、走りが光るミニバン。いかにもホンダらしい1台ではないだろうか。

試乗車のスペック

価格:516万4500円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4860×1820×1695mm
燃料消費率(WLTC):19.9km/L
駆動方式:前輪駆動
車両重量:1950kg
パワートレイン:直列4気筒DOHC 1993cc
使用燃料:ガソリン
最高出力:145ps/6200rpm
最大トルク:17.8kg-m/3500rpm
モーター最高出力:184ps/5000-6000rpm
モーター最大トルク:32.1kg-m/0-2000rpm
ギアボックス:電気式無段変速機
タイヤサイズ:225/50R18(フロント)225/50R18(リア)

詳細画像はこちら
ホンダ・オデッセイ    中筋友郎

■ロードテストの記事
魅力くっきり、フラッグシップミニバンここにあり ホンダ・オデッセイが帰ってきた
ワインディングで乗った日産の3台 SUVにミニバンと流行り車の実力は? 災い転じて新たな発見も
ラインナップ現役17年目の工業製品 日産GT-RプレミアムエディションTスペック 2024年モデル
BYDドルフィン コンパクトEVで内外装のクオリティは上々 しかしながら残念な初試乗の顛末も

魅力くっきり、フラッグシップミニバンここにあり ホンダ・オデッセイが帰ってきた