音楽業界を筆頭に、様々なコンテンツでサブスクなどの「配信サービス」が主流となった昨今。しかしCDやレコードなどの、いわゆる「フィジカル」に強い愛着を持っている人も少なくないだろう。

以前X(旧・ツイッター)上では、配信サービスでは実現不可能な「レコード店の出会い」が話題となっていた。

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■この名盤、何かがおかしい?

今回注目したいのは、Xユーザー・事務の森村さんが投稿したポスト。

「前の持ち主がキャピトルステレオ調に名前書き込んだ挙句、ジャケに自分の写真を紛れこませたサージェントをユニオンに買い取らせるとは」と綴られた投稿には、ロックを代表する名盤と名高いThe Beatles(以下、ビートルズ)のアルバム『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』(以下、サージェント・ペパーズ)のレコードジャケットが写った写真が添えられている。

ビートルズ

ビートルズのメンバーと多数の著名人がコラージュされた、ロックファンからすれば「親の顔より見たジャケ」だが、よく見ると…。

 

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■「むしろ貴重では」の声も

ビートルズ

米作家のエドガー・アラン・ポー、米俳優のフレッド・アステアの間に、満面の笑みを浮かべた眼鏡の男性が確認できるではないか。さらに男性の上には「←MASATAKA→」と、マジックペンで記したと思しきアルファベットが。

ビートルズ

よく見ると明らかに1人だけ浮いているのだが…妙に馴染んでいるため、初見では違和感に気づかなかったロックリスナーも少なくないだろう。

ビートルズ

こちらのポストには「こういう、しょうもない落書き好きなんだよなぁ」「これを買い取ったのか…」「こういうのを引き当てたい」「むしろこれ貴重では?」など、驚きの声が多数寄せられていたのだった。

 

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■発見者は「ありそうで意外となかった」

ポスト投稿主・森村さんに話を聞いたところ、こちらのLPは東京新宿区の「ディスクユニオン」新宿ロックレコードストアにて発見したものと判明。

発見時の心境について、森村さんは「まず目に入ったのが落書き。単に『MASATAKA』と持ち主と思われる人物の名前が書かれているだけでなく、1960年代のレコードのジャケ上部によく記されていた『STEREO』を示すデザインを真似ていた点に惹かれました。普通、落書きの入ったレコードなんて目にも留めないのですが、この落書きのセンスとインパクトに惹かれて手に取りました」と、振り返っている。

興味を持ってLPを手に取ると、今度は新たにコラージュされた顔写真を発見。こちらに気づいた際は「ありそうで、意外となかった…新しい」とも感じたそうだ。

とはいえ、通常こうした商品に値がつくのは「アーティストのサイン」などの付加価値がある場合で、今回のケースは単なる「一般人の落書き」である。

こちらを踏まえた上で、森村さんは「落書きコラージュまで入っていながら買い取ったお店もですが、『難あり』もいいところなコンディションでありながら、1,500円という価格が付いているのも面白いです」とも語っていた。

なお、こうしたレコードは「故人の遺品整理」によって買い取られるケースも少なくない。かつての持ち主の現在を確かめる術はないが、渾身のコラージュが多くのロックリスナーに大ウケした事実を知れば、きっと喜ぶことだろう。

 

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■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。

ビートルズで一番好きなアルバムは『リボルバー』。

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