愛知県東三河地域の新産業創出を担う第三セクター株式会社サイエンスクリエイトが、豊橋技術科学大学の研究をはじめ地域の大学が持つ研究シーズを、産業のシーズへと繋げる取り組みとして豊橋市の補助のもと、超異分野学会 豊橋フォーラムを豊橋サイエンスコアを会場に開催いたしました。

地域の特徴や課題を的確に捉え、知識プラットフォームの活用による新事業創造へと導く株式会社リバネスの、産官学文理分野横断型の交流コンテンツ『超異分野学会』は東海地区(愛知・岐阜・三重・静岡)では唯一の開催となっています。

<超異分野学会とは?>

 株式会社リバネスが企画・運営する、研究者、大企業、町工場、ベンチャーといった分野や業種の違いにとらわれずに、議論を通じて互いの持っている知識や技術を融合させ、人類が向き合うべき新たな研究テーマや課題を捉え、共に研究を推進するための場です。異分野・異業種の参加者により、これまでになかった研究テーマの創出、課題解決のアプローチを建設的に議論し、垣根を超えて共に最先端の研究開発を仕掛けることが可能になります。


<豊橋フォーラムについて>

 豊橋市は、豊橋技術科学大学・愛知大学・豊橋創造大学の3大学を有し、多種多様な製造業と国内有数の産出額を誇る農業が集積する東三河地域の中心都市です。

 株式会社サイエンスクリエイトが株式会社リバネスと手掛ける超異分野学会豊橋フォーラムでは、”知のゆりかご”豊橋をフィールドに、市内の研究シーズと地元企業、更には域外からの知の流入を促進することにより、若者・研究者・企業など多様な主体が集い、議論を展開しました。

本年度は大会テーマを『未来検証のまち・豊橋への進化』と題し、 本フォーラムを契機とした市内の事業者と連携した事業仮説の検証や、実証プロジェクト立ち上げを加速し、社会実装への環をつなぐことを目指しています。


<開催概要>

開催テーマ:

『未来検証のまち・豊橋への進化』

日程: 2023年12月9日(土) 10:00~18:00

場所: 豊橋サイエンスコア(愛知県豊橋市西幸町字浜池333-9 )

共同主催: 株式会社サイエンスクリエイト豊橋市補助事業)、株式会社リバネス、東三河スタートアップ推進協議会

参加対象者:

アカデミア、地元事業者、ベンチャー、大企業、町工場、生産者、自治体、中学・高校生・高専生 etc

関連キーワード

ものづくり、医工連携、ロボティクス、街づくり、空間設計、コミュニケーション、微生物、植物、バイオマス、藻類、素材、農業資材、エネルギー、宇宙

イベントHP:

https://hic.lne.st/archive/toyohashi2023/


<当日タイムテーブル>

10:00 【開会式】メイン会場:ホール

10:20 【超異分野スプラッシュ】研究者・ベンチャー・地元事業者による超異分野ピッチ

メイン会場:ホール

11:00 ポスター・ブース会場:アトリウム

13:30 【基調講演】大樹型オープンイノベーションによるスマートセンサ開発と社会実装メイン会場:ホール

【基調講演】大樹型オープンイノベーションによるスマートセンサ開発と社会実装

14:00 【セッション1】豊橋から生み出す農と食と健康の新結合~地域医療機関とともに考える新たな健康圏~メイン会場:ホール

セッション1】豊橋から生み出す農と食と健康の新結合~地域医療機関とともに考える新たな健康圏~

15:10 【特別企画】知識製造イグニッションメイン会場:ホール

16:20セッション2】循環させれば食品残渣が資源に変わる!~食品製造現場からはじめる持続可能な未来への第一歩~メイン会場:ホール

セッション2】循環させれば食品残渣が資源に変わる!~食品製造現場からはじめる持続可能な未来への第一歩~

セッションパートナー: 株式会社平松食品

17:30 メイン会場:ホール 閉会式



<当日の様子>

【開会式】

主催者挨拶

株式会社サイエンスクリエイト 代表取締役社長・豊橋市長 浅井 由崇


「本日はたくさんの方にご来場いただきありがとうございます。大学・研究機関・スタートアップが垣根を超えて連携していこう、という主旨で昨年度から開催しております超異分野学会豊橋フォーラム。昨年度が東海では初開催でしたが、その中で約40件の連携のタネが産まれました。すばらしい交流の成果だと認識しています。そのタネを地域でしっかりと花を咲かせるように豊橋市サイエンスクリエイト、そして東三河スタートアップ推進協議会と連携していきたいと考えています。東三河スタートアップ推進協議会は愛知県が進めるスタートアップ拠点ステーションAiと連携するパートナー拠点の第一号となっており、スタートアップの育成と地域のイノベーションを盛り上げていこうとしております。

 超異分野学会豊橋フォーラムは今回2回目で、「未来検証のまち豊橋への進化」がテーマです。今日の出会いから生まれたアイデアを豊橋で検証してもらおう。豊橋から日本の未来を、世界を未来をよくしてもらおうという想いがこもったテーマです。

 今日お集まりの皆さまに分野の垣根を超えて、一緒に豊橋で知的な刺激に満ちた未来を思い描く、そんな時間を過ごしていただき様々な出会いから化学反応を起こして、この地域からあたらしいスタートアップ企業が生まれる、新規事業に繋がる、といった展開につなげてお集まりの皆さんの飛躍に繋がる有意義な場にしてもらいたいと心から期待しております。」

(参考リンク)東三河スタートアップ推進協議会

https://www.eastmikawa-startup.jp/




【超異分野スプラッシュ】研究者・ベンチャー・地元事業者による超異分野ピッチ

(水などが)跳ねる・飛び散る、ザブンと落ちるというスプラッシュsplash)の意味にちなんだ超異分野スプラッシュは、研究者やベンチャー、地元事業者らが、90秒間のピッチで、自分のやりたいこと、参加者に求めていることを会場の参加者にぶつける場です。次々と登場する研究者・ベンチャー・地元事業者の知識と熱を浴びながら、熱を持った相手を見つけ、またそのピッチヒントに新たなアイデアを発想することを狙いとしています。その後、ポスター・ブース発表でさらに深い議論へと発展、新たな共同研究の創出につなげていくことを目指します。


株式会社はれると(イノチオグループ)宮内 徹 氏

株式会社TOWING 西田 亮也 氏

▽登壇者一覧はこちらからご覧いただけます。

https://lne.st/2023/12/01/hic-toyohashi2023_splash/?_gl=1*1h0c5rm*_ga*MzIzNDA1ODAwLjE2NzY5NTgwMjE.*_ga_6X6LJ0BL7J*MTcwNTkzOTgyNy43NS4xLjE3MDU5Mzk5MzYuMC4wLjA.&_ga=2.234428382.1139860470.1705939827-323405800.1676958021



【基調講演】「大樹型オープンイノベーションによるスマートセンサ開発と社会実装」

澤田 和明氏

豊橋技術科学大学 電気・電子情報工学系 教授


AIを用いて、検出したデータから「何を」センシングしたのかを分析する取り組みや、産地や品質の判断に活かす、疾患の発作の前兆現象を掴む、片頭痛の原因をさぐるといった様々な活用法を、さながら樹木が無数の枝を伸ばすように分岐させながら実装させていく、大樹型オープンイノベーションの手法によるスマートセンサの開発と社会実装の取り組みについてご紹介いただきました。


【ポスター&ブース コアタイム】

▽ポスター&ブース 出展団体一覧はこちらからご覧いただけます。

https://lne.st/2023/12/01/hic-toyohashi2023_poster/







セッション1】豊橋から生み出す農と食と健康の新結合~地域医療機関とともに考える新たな健康圏~

セッションパートナー: 豊橋ハートセンター


◎登壇者(上段画像左上から時計回りに)

鈴木 鉄也 (医療法人 澄心会 豊橋ハートセンター 事務長)

株式会社sotoetにて医療と農業を掛け合わせた介護予防デイサービスや自然栽培の貸し農園を運営

五領田 小百合山形大学 農学部 食農総合科学研究室)

団体SABEを立ち上げ、個人差を考慮した食事で病気から身を守る情報の提供や新規就農者を支援

小山 正浩 (株式会社ウェルナス)

(株)ウェルナスを設立、個別栄養最適食「AI食」を提案するサービス「NEWTRISH」やナスサプリの販売に取り組む

高橋 宏之 (株式会社リバネス 執行役員) ◎モデレーター

若手研究者向けの「リバネス研究費」や超異分野学会の設立をはじめ、研究シーズの創出に尽力


農と食と健康をテーマに、医療をただ命を守るだけでなく健康な暮らしを守るという近接領域に拡大し、健康圏を実現するために、どうすれば健康を意識するハードルを下げ、「健康」を習慣化・日常化できるのか、消費活動の運動ではない生産活動としての運動としての市民農園の可能性や、アナログな実践を心理的影響から身体的・生化学的アプローチまでテクノロジーが取り入れることで、どのように可能性を具体化し広げていくことができるのか議論が交わされました。


セッション2】循環させれば食品残渣が資源に変わる!~食品製造現場からはじめる持続可能な未来への第一歩~

セッションパートナー: 株式会社平松食品


◎登壇者(上段画像左から)

平松 賢介 (株式会社平松食品 代表取締役)

愛知県食品輸出研究会会長をはじめとして食を通じた東三河地域の観光振興をけん引

熱田 洋一 (株式会社豊橋バイオマスソリューションズ 代表取締役社長)

地域のバイオマス資源を循環利用したメタン発酵によるバイオマス活用に取り組む専門家

向 真樹 (株式会社花ごころ 研究開発部 マネージャー)

微生物学の研究の知見を活かし、畜産糞尿処理や畜舎の環境改善、循環農業の支援など一次産業の改善に挑む

石澤 敏洋(株式会社リバネス 戦略開発事業部 部長) ◎モデレーター

テックプランターを用いた研究開発型ベンチャーを創出するための地域エコシステム構築を進めるパイオニア


どんなに工夫しても絶対に無くならない食品残渣や廃油を資源に繋げアップサイクルを設計できないのか。バイオマスや肥料として捉えて活用できないのか、食べきる使い切る以外の方法は存在しないのか。大規模な工場以外の立場でどのようなアップサイクルの可能性を探ることができるのか、パネリストそれぞれの立場から忌憚のない意見が示されました。


【特別企画】知識製造イグニッション

本年度の豊橋フォーラムの新たな試みとして、参加者同士の連携プロジェクト創出プログラム「知識製造イグニッション」を実施しました。


『知識製造イグニッション』は事前に募集した地域のパートナー企業から提示された課題・テーマをもとに、連携プロジェクトのアイデアをプロジェクト発案者がスライド1枚で具体化してピッチセッションで発表、パートナー企業から選ばれたプロジェクト案については当日以降リバネスも伴走支援しながら具体化していく試みです。

 本フォーラムでは豊橋市に拠点を置く武蔵精密工業株式会社、ワルツ株式会社の2社が知識製造イグニッションパートナー企業として参画し、さらにリバネスも提案を受ける1社として加わり、参加者のみなさまからの提案を受けつけました。


【当日募集テーマ】

1.武蔵精密工業株式会社:『アグリ・バイオヘルスケア分野の連携募集』

メッセージ:

「武蔵精密工業株式会社は、微生物制御技術を基盤技術とした、新規事業展開を予定しています。事業領域は、バイオスティミュラント資材を応用した農業分野、発酵技術を応用したヘルスケア分野です。また、DNAメタバーコーディング技術を応用した事業展開も考えております。弊社を含めた様々な研究成果や資産を上手く”クロス”して、大きなシナジーを生み出し、持続可能な地球社会を実現するための新しい高付加価値ソリューションを一緒に創造し、世界を驚かせましょう。関連する最先端の技術を持ち、研究開発を行っているベンチャー様、研究者の方々、是非色々とお話をお聞かせください。」


選出提案:細胞培養装置の自動化

提案者:高砂電気工業株式会社 経営企画室 室長 山本 久美子 さん

選出コメント:

「応募・面談いただいたみなさんすばらしい発表でしたが、なかでも、今我々が直面している課題にドンピシャの解決策をもっていた、すぐにでも導入してやれるような技術を持っておられたことが理由です。」


2.ワルツ株式会社:『食を通じた地域貢献・地域活性化につながる技術』

メッセージ:

ワルツ株式会社は昭和27年の創業以来、豊かなカフェ文化の創造に取り組んできました。これまでの歴史を通じてめざしてきたのは、地域とともに着実に成長していける企業です。レギュラーコーヒーの製造機能を持ち、小売店舗の展開や食品の総合商社として、各種商材を飲食店、ホテル等に届ける機能もあります。店舗や商流など我々の持つアセットをフィールドとして、アップサイクルや食を通じた地域活性化につながる共同開発など、新しい価値を生み出しましょう。」


選出提案:折り紙工学を用いたコーヒーフィルターの開発

提案者:株式会社OUTSENSE CTO 石松 慎太郎 さん

選出コメント:

「具体的にOUTSENSEが持つおりがみの技術を用いてフィルターを作って、かなり深いところまでコーヒーの世界が変わるイメージがポンポンと湧いてきた。これはビジネスになりそうだ、新規事業になりそうだと感じました。」



3.株式会社リバネス:『豊橋の研究者、企業、生産者と実現したいプラン』

メッセージ:

「リバネス賞では、豊橋市内のプレイヤーと連携した技術開発、製品開発、実証試験を広く受け付けます。フォーラムに参加している豊橋市のプレイヤーとの連携案を膨らませる相手として当日ブースでお待ちしています。豊橋市内のプレイヤーと連携して、科学技術の発展と地球貢献を実現する取り組みを作っていきましょう。」


選出提案:サウナを通じたWell-beingの構築

提案者:豊橋技術科学大学 応用化学・生命工学専攻 博士後期課程1年 金子 光瑠 さん

概要:学生主体でカーボンニュートラルな(大学内の剪定枝の活用や再生可能エネルギーを活用した)、技科大サウナを作り、リフレッシュしながら学生と学生、学生と企業を結ぶ交流・ネットワーキングの場を作り出し、アントレ学習や共創の実践の場として運用する。

選出コメント:

「プレゼンテーションではアントレの実践にも言及をいただいていましたが、ただアイデアを出すだけだと全然アントレプレナーじゃないので、そこをしっかりと実践していただきたいなという想い、あとは普通のサウナじゃ面白くない、一緒にすごいサウナを作れるといいんじゃないかというところも含めて選定しました。スーパーなサウナを実現しましょう。」



【表彰】

超異分野学会では、情熱を持って自らの研究を遂行するため、積極的に異分野との連携を推進する姿勢を示した発表者に対し、ポスター賞を授与しています。当日発表されたポスター・ブース発表者の中から選ばれた方々に対しては、パートナー企業、ならびに主催者である株式会社サイエンスクリエイト、株式会社リバネスよりそれぞれ賞状が授与されました。


豊橋ハートセンター賞(医療法人 澄心会 豊橋ハートセンター)

受賞者: 株式会社ウェルナス 代表取締役 小山 正浩さん

受賞テーマ:AI食ですべての人のwell-beingを実現する

内容:

自分の好きな食事で健康になれたらとおもい、AI食というアプリを作りました。1人1人好き嫌いって違いますよね。それと同じように、自分にとって健康に近づく食事、遠ざかる食事も1人1人違いますよね。しかもそれは日々変わっていきます。それを皆さん1人1人のデータに基づいてアプリの中で提案するサービスを今年1月にリリースします。


選定理由:

「ポスターセッションで拝見して私たちが関わっている点と点が

その中の一つの事業が食というテーマで、すでに実体験もお話いただきましたが、なんとか皆さんを健康に導きたいという気持ちと取り組みに感銘を受けました。」


サイエンスクリエイト賞(株式会社サイエンスクリエイト)】

受賞者:豊橋技術科学大学 電気・電子情報工学課程 4年  浅田 吉博 さん

受賞テーマ:E-マイクロモビリティの開発

内容:

近年、物流量の追加にラストワンマイルの時間で移動に対応できていないという課題があります。

私達は人やモノ、どちらにおいても農業の隙間を埋めて誰もが時自由であれるそんな未来の移動社会を創りたいと思います。

Reマイクロモビリティを提案します。コンパクトかつ自動性があり、そんなモビリティが繋がって形を大きくしたりと形状を変化させることによって、様々なところに利用できます。 


選出理由:

「最後の一歩をどうするか、福祉の面、物流の面、あらゆる面に有効な研究を進めていらっしゃると感じました。

人生も事業も最後の一歩、たどり着くまでが大切だと考えます。この取り組みが素晴らしいものになってくれることを期待しています。」


【超異分野学会豊橋フォーラム2023賞(株式会社リバネス)】

受賞者:豊橋総合動植物公園 動物研究員 伴 和幸さん

受賞テーマ:豊橋から始まる動物園×生命科学のイノベーション~動物園の研究事情と豊橋総合動植物公園の挑戦~

受賞者:京都大学 ヒト行動進化研究センター 助教 今村 公紀 さん

受賞テーマ:豊橋から始まる動物園×生命科学のイノベーション~動物園まるごとiPS細胞化プロジェクト~


選定理由:

昨年のこの超異分野学会の場での出会いをきっかけに産まれたプロジェクトとして、どんどん進んでいて驚きました。

動物園を舞台に研究していく文化がこの場から広がっていくと素晴らしいと思いますし、リバネスとしても応援できる面が多いと感じました。動物園での研究の標準をいろんな企業、研究者を巻き込んで作っていきたいですね。



【閉会式】

株式会社サイエンスクリエイト 代表取締役専務 稲葉 俊穂

「私どもサイエンスクリエイトは産学官連携を支援する、起業・創業を支援する、ものづくりを支援する、そのような第三セクターであります。このサイエンスコア会場に集ってとても素敵なポスター展示、トークセッション、マッチングが大きなイベントとして開催でき、うれしく思います。今回豊橋から産まれた交流が全国に広がっていくことを強く期待しております。

本日ご参加の皆さんが来年度以降の開催にご参加いただけることを願っております。引き続きよろしくお願いします。」


<今後について>

株式会社サイエンスクリエイトでは来年度の豊橋市の予算成立を前提に、本年度のセッションやポスター発表の場でのディスカッションをベースに研究シーズの産業化に向けたチームビルドやチームの自立的な取り組みの支援を展開していきます。また、それらの取り組みは超異分野学会豊橋フォーラム2024等でご紹介していく予定です。

配信元企業:株式会社サイエンスクリエイト

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