インターネット上でのコミュニケーションは、現実の世界で面と向かって対話するのとは全く異なったものだ。心理学では、ネットはそもそも人を攻撃的にさせやすく、また深刻な心の傷を簡単に負わせることができるものであると捉えられている。
それにしても、なぜネット上だと普段の生活では耳にもしないような罵声や誹謗中傷の言葉が飛び交っているのだろうか。「教えて!goo」にて、これについての議論が行われていたのでご紹介しよう。

なぜ皆さんは赤の他人へ平気で誹謗中傷できるの?

■匿名だから…ネット越しだから…

「匿名だから羽が伸ばせるんですよ。実名だったらまず言わないでしょう」(michiyo19750208さん)

「匿名で、絶対自分が書いた発言だと判らないと思ってるからではないでしょうか? (中略)…責任を取らなくていいし、何を書いても現実の自分が非難されるわけではない、と。(中略)…見ず知らずの人なら遠慮なく、何の後ろめたさも持たずにできる、と思っているのでは?」(fuukakouさん)

「ネット越しだと『対人』って感覚がない人が多いんですよ。(中略)…(たとえば、女性を口説くときに、セクハラまがいの発言はしないはずなのに)恋愛ゲームでその選択肢(セクハラまがいの言葉)があれば選ぶ人は多いです。で、『やっぱ怒ったwしかも絶交されたーーーwww』とか反応を楽しむのです」(Deathscytheさん)

そもそもの根幹に、“匿名性”が原因としてあると考えている人は多いようだ。匿名性という隠れ蓑があるから、発言に責任を負う必要がまったくない、と。では、この“匿名性”を利用して、「一体何を目的として誹謗中傷するのだろう」という話になる。

「単なる自己満足ではないでしょうか。ニュースや映像に接したときに、何らかの気持が沸き起こる。その気持を表したい。(中略)…ネットの中であれば、言葉だけではあっても言いたい放題。(中略)…言うだけ言ってスッキリする」(merciusakoさん)

「批判することが賢いと感じている人もいるのかなと。自分は相手より知っているぞと自慢したいなどもあります」(kyo-moguさん)

つまりざっくり言って、「自分が気持ちよくなるため」にそうしている、というのが大方の意見なようだ。また、こんな意見も出た。

「誹謗中傷っていうからおかしいのであって、反対意見、指摘事項、叱咤激励、評価とすれば問題ないのでは? (中略)…そういう行為を闇雲に止めてしまうのは世の中の発展も止めてしまう行為では? (中略)…賛美の意見しか聞きませんというのはおかしい態度ですよ」(IDii24さん)

これに対して、質問者さんは、「確かに例えば『~してくれたらまだ見れるがこれじゃダメだわ』的なコメントなら誹謗中傷とは思いません」と返答している。

回答者の大半は、ネット上での誹謗中傷に接するにつけ、残念な気分にさせられた経験があるようだ。
文部科学省では「情報モラル教育」というものを推進していて、これはネット・コミュニケーションにおける注意点の指導を含んでいる。成人にとってすら、インターネットは比較的新しいコミュニケーションツールだ。「情報モラル」を将来的にもっと向上させていくためには、個々人がきちんと意識を持って努力していくことが肝要なようだ。

Muto Koki)

なんでネット上だと誹謗中傷が多いんですか?