事業を通して社会課題解決に取り組む、株式会社LIFULLライフル)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:伊東祐司、東証プライム:2120)が運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」は、2023年における実際の問合せ数からユーザーの「本気」で住みたい街を算出した、住まい探しの「いま」が分かるランキング「2024年 LIFULL HOME'S みんなが探した!住みたい街ランキング(近畿圏版)」を発表します。

「2024年 LIFULL HOME'S みんなが探した!住みたい街ランキング」特設サイト

https://www.homes.co.jp/cont/s_ranking/

「出町柳」が「江坂」を僅差で逆転し初のトップに!京都市内の駅が1位になったのも初。

近畿圏「借りて住みたい街」ランキングは、前回まで2年連続の1位だった「江坂」を「出町柳」が僅差で破り、初の1位に輝きました。3位は前回6位に下がった「新大阪」がランクアップしてベスト3に復帰、前回2位の「三ノ宮」は4位にやや後退しました。

過去10年近く「江坂」と「三ノ宮」の“2強争い”が続いていましたが、そこに「出町柳」が新たにトップ争いに参入したことになります。ただし、2位「江坂」と3位「新大阪」は、広域ではほぼ同じエリアであり(間の「東三国」も14位)、近畿圏で最も借りて住みたいというニーズが集まっているエリアは「江坂」~「新大阪」周辺という状況が続いています。

前回の4位から今回初めて1位に輝いた「出町柳」は京都大学の本部機能がある吉田キャンパスの最寄り駅で、古くから学生の街として知られています。また京阪本線の終点・始発駅でもあり、大阪中心部の「淀屋橋」「北浜」「中之島」などにもダイレクトアクセスが可能なため、多くの賃貸ユーザーから人気を集めています。これまでオンライン授業が多く、必ずしも大学の近くに居住する必要がなかった学生が、授業が本格再開したことを受けて大学周辺での居住ニーズが高まったこと、高齢者の住まい支援が手厚いことなども1位になった要因と考えられます。これまでも上位を維持していた「出町柳」ですが、これまで1位となったことはなく、また京都市内の街が1位になったこともなかったので快挙といえます。

集計エリア拡大で「南草津」が5位にランクイン

今回から近畿圏の対象エリアを拡大したことで、5位に「南草津」がランクインしたことは特に注目です。京都市内のベッドタウンとして、また大阪への通勤圏として機能している「南草津」は賃料が比較的安価で多くのユーザーから支持されています。なお、今回対象エリアを拡大した奈良と和歌山では、「近鉄奈良」が66位、「奈良」が86位、「和歌山市」が95位にランクインするにとどまっています。滋賀での賃貸ニーズは高いエリアがあることが分かりましたが、同時に奈良と和歌山では、大阪中心部へのアクセスを考慮すると地元のニーズにほぼ限られることも明らかになりました。

次にくる街はどこだ!「急上昇ランキング」:1位は79ランクアップの「奈良」

天王寺」が前回から27ランク上昇(84位→57位)、「四天王寺前夕陽ヶ丘」も27ランクアップ(108位→81位)したのが目立ちます。2駅はほぼ同じエリアで、大阪・梅田や難波方面へはJR線と大阪メトロが利用可能な極めて利便性の高いエリアながら、開発が進むなかでも賃料が10万円以下(40平米換算)と比較的安価なことで多くの支持を集めました。

また最もランクが急上昇したのは79ランクアップの「奈良」(165位→86位)と73ランクアップの「近鉄奈良」(139位→66位)です。2駅は1km程度離れていますが、いずれも大阪中心部へのアクセスが乗り換えなしで30分超と交通利便性が良好で、賃料相場が6万円台であることも大きな魅力です。便利な割に賃料が安価なことは、物価上昇の折、特に近畿圏では強く意識される物件選択の傾向です。

「姫路」が2年連続の1位! 物件価格の高騰を背景に“二極化”の兆し続く

近畿圏「買って住みたい街」ランキングは、「姫路」が2年連続して1位を獲得しました。2018年および2019年にも1位となっていますが、2020年以降も2位→5位→4位と上位を維持しており、近畿圏の人気居住エリアとして完全に定着しています。2位は前回3位の「堺筋本町」が1ランクアップ、3位は前回5位の「寝屋川市」と最上位の顔ぶれは例年と変わりませんでしたが、今回は5位以降に大きな変化が表れています。

前回に続いて「姫路」が1位に輝いたのは、新型コロナウイルスの5類移行後に回復したインバウンド効果が挙げられます。姫路城をはじめとした観光資源が再び注目が高まり、姫路市を中心とした“播磨圏”が勢いを取り戻したことで居住ニーズも顕在化しています。新築マンションおよび新築一戸建ての分譲がコンスタントに継続し、また受け皿となる中古住宅の動きも活性化したことで、2府4県という広いエリアでも最も高い注目を得ることになったようです。大阪や神戸といった中心エリアと比較して、物件価格が安価であることも居住ニーズの顕在化に大きく影響しています。2位の「堺筋本町」はここ数年タワーマンションの分譲が本格化し、今回も分譲大手が手掛ける300戸、500戸を超えるクラスの大型物件の販売が好調で、話題性も高く、ランキング上位を維持しています。

市街地中心部での物件価格の高騰によって、居住ニーズは近畿圏郊外エリアにも拡散し始めています。一方で大阪市神戸市京都市の各中心部でもマンション開発がコンスタントに行われ、資産性と利便性を同時に享受したいと考えるユーザーから高い支持を得ており、“二極化”の兆しが続いています。

インバウンド需要で「五条」の人気高まる

5位以下では特に京都市中心部の「五条」と大阪市中心部で大阪天満宮最寄りの「南森町」の上昇が目立ちます。「五条」では、商業地である四条大宮~清水五条エリアでのマンション分譲がここ数年継続しており、いずれも高額ですがインバウンド需要の高まりで注目が高まっています。また「南森町」では、大阪天満宮の落ち着いた借景を得られる周辺物件の人気が高く、新築・中古問わずマンションへの問合せが増加しています。

次にくる街はどこだ!「急上昇ランキング」:交通利便性の高い「寺田町」が物件開発で急上昇

「買って住みたい街」は物件開発の有無で順位が大きく変動しますが、今回は111ランクアップの「寺田町」(139位→28位)が特に目立ちました。JR大阪環状線で「大阪」まで20分、ターミナル性の高い「天王寺」へも1駅という高い交通利便性を誇りますが、これまで目立った物件開発がなく、順位は低迷していました。エリアポテンシャルの高いところで物件開発があると順位が急上昇するという典型例です。

また大阪市内近郊エリアの「河内公園」(216位→73位)、「藤井寺」(193位→84位)、「新森古市」(243位→88位)など、旧来の住宅地でも小規模ながら物件開発があり、いずれも大阪市中心部まで30分前後のエリアであることから居住ニーズが顕在化し、大きく順位を上げる結果となりました。

※参考:<首都圏版> 2024年 LIFULL HOME'S みんなが探した!住みたい街ランキング

https://lifull.com/news/30808/

出版社を経て、1998年から不動産調査会社にて不動産マーケット分析、知見提供業務を担当。2014年9月にHOME'S総研副所長に就任。

不動産市況分析の専門家としてテレビ、新聞、雑誌、ウェブサイトなどメディアへのコメント提供、寄稿、出演を行うほか、年間多数の不動産市況セミナーで講演。国土交通省経済産業省東京都ほかの審議会委員などを歴任。(一社)安心ストック住宅推進協会理事。

  • 調査概要

期間:2023年1月1日 ~ 2023年12月31日

対象エリア:近畿圏版(大阪府京都府兵庫県奈良県滋賀県和歌山県)※        

集計:LIFULL HOME'Sに掲載された賃貸物件・購入物件のうち、

実際の問合せ数を駅別に集計

分析:LIFULL HOME'S 総研

※ 前回までは大阪、兵庫、京都を対象としていましたが、今回から滋賀、奈良、和歌山を追加しています。またそれに合わせて昨年順位を再集計しています。

1位との比較:ランキング1位の問合せ件数を100とした時の、問合せ件数の比率

平均家賃(借りて):問合せのあった賃貸物件(1LDK)の中央値を40平方メートル あたりに換算

平均価格(買って):問合せのあった中古マンション(2LDK)の中央値を60平方メートル あたりに換算

掲載件数が一定に達しなかったものは「―」表示

LIFULL HOME'Sは、「叶えたい!が見えてくる。」をコンセプトに掲げる不動産・住宅情報サービスです。賃貸、一戸建て・マンションの購入、注文住宅から住まいの売却まで。物件や住まい探しに役立つ情報を、一人ひとりに寄り添い最適な形で提供することで、本当に叶えたい希望に気づき、新たな暮らしの可能性を広げるお手伝いをします。

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