禁断のボタン一つでトイレがど派手なディスコに!色とりどりのスポットライトに照らされてゴージャスなミラーボールが回転し、80年代の若者を熱狂させたノリの良い楽曲が流れだす。
いつのまにやらアメリカでレトロブームがえらいことになっていた。
とにかくユニークと話題を呼んでるこちらのトイレは、ケンタッキー州を拠点とするコンビニチェーン、ホップ ショップ(HOP Shops )のもの。
普段はふつうのトイレだが、「絶対押すな!」という警告ボタンをポチっとすると、めくるめくディスコ(今でいうクラブ)空間へと変貌する仕様だ。
かつて足しげく通った世代にはたまらなくなつかしく、初見の世代にはとんでもなく斬新というユニークな仕掛けつきのトイレを見てみよう。
Travelers go out of their way to visit Kentucky's disco bathrooms
こちらはケンタッキー州オーエンズボロにあるガソリンスタンド兼コンビニエンスストア、ホップ ショップ(HOP Shops )。話題のトイレはこの中にある。
入ってすぐに目に入るのが、押せといわんばかりの位置にある巨大な赤いボタンだ。だがそこには「Do Not Push This Button(絶対押すな)」という大きな文字が。
なのにその下では、同店のマスコットのカエル、ホッパーがウィンク。つまり「押すなよ!絶対に押すなよ!」っていうあのパターンである。
さっそく期待通りにボタンを押すと、いきなりトイレが一変!
天井のディスコボールが回り出し、照明も色つきのスポットライトにチェンジ。
カラフルな無数のライトが室内を次々巡り、スピーカーから当時の若者を熱狂させた有名な曲が流れ出す。
曲のラインナップは店によって異なるが、鉄板どころとしては、ジェニファー・ウォーンズとビル・メドレーの「(I've Had) The Time of My Life(タイム・オブ・マイ・ライフ)」(1987)やブルース・スプリングスティーンの「Dancing in the Dark(ダンシン・イン・ザ・ダーク )」(1984年)など。
知らないという人も聞けばきっと惹きつけられる80年代の有名なヒット曲となっている。
その極端な変わりように多くの人が圧倒され、驚いたり笑ったりしながら、動画を撮り始めるそうだ。
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店の特徴でひらめいたディスコになるトイレ
アイデアを思いついたのは、ホップ ショップを傘下に置く石油企業、ヴァラーオイルの副社長のダモン・ベイル氏だ。
ヴァラーオイルは2018年に他の石油会社からこのチェーンストアを買収し、コンビニエンスストア事業に参入。
そこで差別化になる店の特徴としてこの仕掛けを思いついた。もともとはカナダで見たディスコトイレがモデルになってるそうだ。
最初は費用が高すぎる懸念があったが、ベイル氏はあきらめず合理的な価格でアイデアを実現した。
記念すべき第一号店は去年2月にオープン。するとディスコになるトイレはすぐに大評判となり、SNSでもシェアされまくりの状態に。
高速道路の出口にあることで多くの人が話題のトイレを利用、ついで買いするおかげもあって大繁盛となり、わずか1年で6つの店がディスコモードを備えるようになった。
今やおおぜいの人がトイレのファンに
各店のマネージャーによると、今やおおぜいの人がトイレを目当てにやってくるそう。
このトイレを見るためにわざわざ近くまできたというイタリアからの観光客までいるほど。そのお客は60代の女性でトイレから出てくるなり「人生で最高の日よ!」と感動していたそうだ。
近隣に住む大学生のハドソンさんもこのトイレの大ファンだ。朝、大学に行くついでにもこのトイレに立ち寄り、赤いボタンを押すのが一日の始まりだという。その様子はTikTokにも何十回と投稿している。
ハドソンさんは20歳の誕生日の時も、友人とこのトイレを訪問。「え?そこ誕生日に行くとこ?」と耳を疑う友人に「だから全店のトイレを回るんだって。ここのトイレが楽しいから!」と応じたそう。
80年代ブームに乗って好奇心をくすぐるトイレ
ディスコを知らない子どもたちにもウケているユニークなトイレ。禁断のボタンという設定も好奇心をくすぐるのに一役買ってるのかも。
ちなみにホップ ショップのディスコトイレはいまのところ、ケンタッキー州の5店舗と、オハイオ州の1店舗にある。女性用にも男性用にもあるようなので、立ち寄る機会があれる人はぜひどうぞだ。
しかしレトロブームほんとにすごいな。その当時、40年後にこんな日が来るなど誰が想像できただろう?
日本でもここ数年、80年代に流行した商品の復刻版とかが人気のようだし、いわゆる昭和ブームの到来とみてもいいのかな?
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