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崎山蒼志柴田聡子による弾き語りツーマンライブ「ライブナタリー“崎山蒼志 × 柴田聡子”」が1月29日に東京・渋谷CLUB QUATTROで開催された。

【写真】お役御免になった柴田聡子のメガネ

まずパフォーマンスを行ったのは柴田聡子。マイクスタンド1本だけが立つシンプルなステージに現れると、彼女は「すこやかさ」でライブの幕を開ける。「今日は崎山蒼志さんとのツーマン楽しみにしてきました。楽しんでいくぞー!」とひと言挨拶し、柴田は「雑感」「スプライト・フォー・ユー」と続ける。彼女はギターを奏でながら儚い歌声を優しく紡ぎ、観客をじっと聴き入らせた。その後も柴田は「どうして」「白い椅子」などを次々と歌い上げ、会場を心地いい空気で包み込んでいった。

「崎山さんとはひさしぶりで。どっちもメガネということで……気合い入れてきました。私のメガネは曲前に上げるのを忘れると大変なことになってくるんですけど、崎山さんはどうなのかな。けっこうフィット感いいですよね。うらやましいな」という、メガネユーザー同士のツーマンならではのMCが飛び出したのち、柴田は「いじわる全集」「Synergy」を連続で披露し、徐々にパフォーマンスのギアを上げていく。「気合い入れて初めてかけるメガネをかけてきたら、もうけっこう落ちてきてましたね」と語ったのちに披露された「ぼちぼち銀河」では、曲中にメガネが鼻下までずり落ちてくるというハプニングが。歌唱後に柴田はすかさずメガネを外し、「カッコよくやりたかったー! 残念ながらこのメガネは今日で終わりです」と悔しがって笑いを起こした。その後柴田はレアな裸眼姿で「涙」「素直」を歌い上げ、ラストに「旅行」をパフォーマンス。軽やかにギターを掻き鳴らしながら、朗らかな空気でライブを締めくくった。

2番手の崎山は「舟を漕ぐ」でライブをスタート。アコースティックギターで刻まれる激しいリズムに唯一無二の揺らぎを持った歌声が乗り、たちまち崎山蒼志の世界が広がっていく。2曲目「覚えていたのに」ではギターの激しさが倍増し、そのダイナミックな演奏に、客席から大きな歓声が沸き起こった。MCで崎山は「柴田聡子さんはめちゃくちゃ尊敬してますし、大好きな方なのですごくすごくうれしいです。ありがたいです」と語り、彼は「しょうもない夜」を披露。さらに「潜水」「係留」が立て続けに演奏され、激情と優しさが共存したパフォーマンスを観客はじっと見届けた。

崎山は「柴田さんのライブはめちゃくちゃ素晴らしかったですし、『雑感』で食らいすぎて、うわあってなってました……本当に光栄です」と再び柴田への思いを口にし、「塔と海」を歌唱。独特の節回しの歌声で観客をぐっと惹きつける。「Samidare」では耳をつん裂くような鋭利なギターサウンドが響き渡り、演奏後には客席から万雷の拍手が送られた。その後崎山は「野菜とか食べてくださいね」と観客に言葉を投げかけ、「燈」で伸びやかな歌声を響かせる。そしてラストに「国」を演奏し、本編を締めくくった。アンコールの拍手を受けて登場した崎山は「本当に柴田さんめっちゃ好きですし、本当にありがたいなって……何度目なんだって話ですけど」と改めて語り、「I Don't Wanna Dance In This Squal」を披露。オートチューンの効いた歌声とパーカッシブなギターの演奏で観客の体を動かし、ライブの幕を下ろした。

セットリスト

「ライブナタリー“崎山蒼志 × 柴田聡子”」2024年1月29日 渋谷CLUB QUATTRO

柴田聡子

01. すこやかさ
02. 雑感
03. スプライト・フォー・ユー
04. どうして
05. 目の下
06. 白い椅子
07. いじわる全集
08. Synergy
09. ぼちぼち銀河
10. 涙
11. 素直
12. 旅行

崎山蒼志

01. 舟を漕ぐ
02. 覚えていたのに
03. ソフト
04. My Beautiful Life
05. しょうもない
06. 潜水
07. 係留
08. 塔と海
09. Samidare
10. 燈
11. 国
アンコール
12. I Don't Wanna Dance In This Squal

左から崎山蒼志、柴田聡子。(Photo by MAYUMI)