レギュラーガソリンが300円台に突入! ドイツで「プリウス」は却下せざる得ない理由とは【みどり独乙通信】

まさかの値上げにクルマ生活をあきらめる!?

2023年末、和やかな年の瀬ムードを一瞬にぶち壊すように、ドイツ政府が自動車に関する2024年からの変更点を発表し、その内容に胃がさらにキリキリ痛くなりました。

1Lあたり6円の値上げ……

変更点はいくつかあるのですが、最も衝撃的なことはさらなるガソリンの値上げ! エネルギー価格の高騰が続き、ここ数年のドイツでのレギュラーガソリン価格はリッターあたり300円前後で、給油する度に悲痛な叫びになっています。そこへ追い打ちをかけるように新たなCO₂税が加算され、ただでさえ痛いガソリン代がさらに値上げとなるのです。ガソリンもディーゼルも1Lにつき4セント以上の値上げとなる予定のようです。ざっと計算しただけでも1Lにつき6円以上の値上げです。

一時期のレギュラーの2ユーロ/L超えの日々からは少しは落ち着いたとはいえ、高値が続いています。とっくに限界価格に達しているのに、シュルツ首相が熱弁する政策をテレビの経済ニュースを観ながら、私はひとりで怒り狂っています。平均的なドイツ人の所得は日本より高いそうですが、消費税が19%な上、各種税金も高いですし、物価や家賃も日本よりも高い中で、手元に残る金額は多くないでしょう。

私の愛車は幸いにもドイツのレギュラーガソリン(スーパーという名称でE5やE95等で表示されています)でまだマシですが、ハイオク(スーパープラス)になるとさらに30~40セント/Lほど割高という恐ろしい価格です。日本のガソリン価格が180円代で大騒ぎになっていますが、ドイツに比べると相当安いので、本当に羨ましい限りです。

たった6円程の値上げに目くじらを立てなくても……金銭的に余裕があるのなら、私もきっとそう感じるでしょう。しかし、私は仕事柄、かなりの長距離を運転しますので、一日に二度満タン給油をする事も多々あるだけに、自分の食費よりも毎月のガソリン代のほうがかさみます。

とくに繁忙期には1カ月に5000km以上を走りますので、必然的にその月は10回以上満タンにする事になり、月のガソリン代だけで1Lあたり300円計算で軽く15万円以上……背筋がぞっとします。経費で全部落とせるからいいじゃないの~と思われそうですが、落とせる事は落とせますが、日本のようにほぼ全額落とせるワケではなく、ほんのごく一部のみなのでがっくりなのです。

ドイツのガソリン代が高い

だったら日本で大人気の低燃費車トヨタプリウス」に乗れば良いではないか! と思われるかもしれませんが、なかなかそううまくはいかないのです。アウトバーンの速度制限解除区間では、若い頃よりはスピードを出さなくなったとはいえ、空いている時にはいまも180km/h前後はごく普通に出します。私だけがスピードを出しているのではなく、流れに沿った運転でその位がスムーズに運転できる時があるという感じです。

従って、プリウスなどのハイブリッド車やEVは残念ながらそのスピードでは逆に長所が活かせなくなってしまい、燃費がとても悪くなってしまいます。ですので、最近は都市部では増量中のプリウスタクシーですが、ドイツの街で一般ユーザーが運転するプリウスはほとんど見掛ける事はありません。同様に日本で大人気のレクサスも残念ながら非常に稀な存在です。

モータースポーツのシーズン中にはヨーロッパ各国を取材しに、ひとり自走で駆け回っている日々。その反動でシーズンオフには愛車の走行距離をなるべく抑える為に地下ガレージに保管して、大雪や雨の日以外はママチャリミュンヘンの街を駆け抜けています(笑)。

The post first appeared on .
2014年当時のガソリン表示。ドイツでのレギュラーとなるSuperは1.559ユーロだった