技能実習制度から特定技能制度へー現実と隔離している、人権に配慮されていないという悪評が続く技能実習制度は、今まさにその制度が改正され特定技能制度へ集約され移行されようとしています。今後、日本には在留資格「技能実習」ではなく在留資格「特定技能」の外国人労働者が増えていくでしょう。ますます来日前の日本語教育が重要になると考えられることから、日本語国際センターでは、2024年1月17日から2月8日の日程で「特定技能制度による来日希望者のための日本語教授法研修(第3回)」が行われています。この研修は、日本での就労を目指す学習者に日本語を教える教師を対象としています。

一般社団法人グローバル人財サポート浜松では、先月25日(木)と26日(金)にかけて、国際交流基金日本語センターの「特定技能制度による来日希望者のための日本語教授法研修」にて、現地視察のコーディネートと講義を行いました。

今回の研修では、パキスタンスリランカウズベキスタンラオスの公的機関の文化センターや日本語学校にて日本での就労を目指している現地学習者に日本語を教える現地教師9人を対象に行われており、彼らが実際に外国人労働者が活躍している現場を訪問し、その受け入れの工夫や課題などのお話を伺うことで、現地での日本語教育の学びに生かすことを目的として実施されました。

初日は、まず磐田市にある平野ビニール工業株式会社を訪問。平野社長から、ご自身の海外留学のご経験から外国人受け入れの工夫をされている様子や会社の理念についてお話を伺いました。そして、質疑応答では日本の就労観をあらかじめ教えることの重要性などをお話いただきました。特に外国人は「失敗した時に謝らない」ことについて、たとえその態度は文化的価値観が影響しているとはいえ、実習生としても同じチームの一員として働く以上、自らの失敗がチーム全員に与える影響についても考えられる人材へと育成していく必要があると強く話されたことが印象的でした。

参加者からは「社員のみなさんが笑顔で大きな挨拶をしてくれた」「最初は小さな会社だと思ったが、理念が素晴らしくすごい会社だと思った」という感想がありました。

平野ビニール工業日本人責任者からお話を伺う参加者

二日目には社会福祉施設和合せいれいの里を訪問し、介護老人福祉施設和合愛光園や障がい者施設、リハビリを目的とした施設なども見学させていただきました。参加者は実際に日本の介護施設を見るのが初めてだったため、すべてにおいて新鮮で、看取りまで施設で行われていることに衝撃を受けている様子もありました。愛光園で活躍する2名のフィリピン人と交流することができ、彼らから介護福祉士資格を取得するために努力した様子や職場の同僚に常に相談していることなどをお話いただき、参加者は働く側の工夫や心構えを学ぶことができました。

和合愛光園視察の様子

いずれの事業所でも「国籍や性別、宗教に関係なく人を人としてとても大事にされている」ということがよくわかり、参加者はとても感激をしていました。一方で、最終日の総括では、当法人の代表理事である堀が講師を務めさせていただきました。そこでは、現地での日本語教育において、日本の特徴的な就労観である「ホウレンソウ」や5S(しつけ、整理、整頓、清掃、清潔)の重要性を日本語授業内に加えて指導しておくと、来日後のリアリティショックがなくていいだろう、そして戦略的な日本語使用ができるよう指導する工夫といった講義を行いました。

グローバル人財サポート浜松にて

厚生労働省によると令和5年10月の外国人労働者数は 2,048,675 人で前年比 225,950 人増加し、外国人を雇用する事業所数は 318,775 所で前年比 19,985 所増加といずれも過去最高の数値だということです。

日本では、適正な外国人受け入れを行う事業所を増やしていくことで、アジアの国際人材獲得競争に打ち勝つ努力を進める必要があるでしょう。そのためにも、現地での日本語教育の質の向上に、当法人も微力ながら尽力していきたいと考えています。

国際交流基金日本語国際センター

https://www.jpf.go.jp/j/urawa/

平野ビニール工業株式会社

https://www.hiravi.co.jp/

社会福祉法人 聖隷福祉事業団 和合せいれいの里

https://www.seirei.or.jp/elderlyhome/wagou/

一般社団法人グローバル人財サポート浜松

https://www.globaljinzai.or.jp/

配信元企業:一般社団法人グローバル人財サポート浜松

企業プレスリリース詳細へ

PR TIMESトップへ