原田泰造が主演を務めるドラマ「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」(毎週土曜夜11:40-0:35、フジテレビ系)の第4話が、1月27日に放送された。誠(原田)が久々に登校する不登校中の息子・翔(城桧吏)を鼓舞するようすが描かれ、感動を呼んだ。(以下、作品のネタバレを含みます)

【写真】笑顔がかわいい!ピンク髪のギャルたちと楽しそうに話す翔(城桧吏)

■偏見だらけの“おっさん”が古い常識のアップデートに奮闘

同作は、練馬ジムの同名漫画が原作のホームコメディー。「男は男らしくあるべき!」という古い価値観を持つ沖田誠(原田)は、家族からは「堅物」と嫌われ、デリカシーのない言動で会社の部下からも敬遠されている。

そんな偏見だらけの“おっさん”である誠に、二回り以上年下のゲイの友達ができたことで、これまでの古い常識がアップデートされていく。愛する家族のため、そして、周囲の愛すべき仲間たちのため、 誠の奮闘劇が始まる。

物語を導くゲイの青年・五十嵐大地役をFANTASTICS・中島颯太が演じる他、誠の息子でアップデートのきっかけとなる一言を誠にぶつける息子・沖田翔役を城桧吏が、デリカシーのない誠に反発する大学生の娘・沖田萌役を大原梓が務める。

また、昭和世代からは、大地の母親・五十嵐美穂子役に松下由樹、堅苦しい夫を半ば諦めていた妻・沖田美香役に富田靖子と演技派2人がそろい、大人の女性目線からも昭和のダメオヤジを叱咤(しった)激励する。

不登校中の翔が久々に登校しようとする

昭和生まれの51才・沖田誠はそのデリカシーのない言動のせいで家族や会社の部下たち、さらには愛犬のカルロス(こまち)にまで嫌われていた。ある日、誠は引きこもっている息子・翔の部屋にいる五十嵐大地がゲイであることを知り、思わず翔の部屋に入って大地を否定してしまう。そんな誠に対して、翔は「僕は…お父さんみたいな人には絶対なりたくない!」と冷たく言い放つ。

家族のために頑張ってきたつもりの誠だったが、何をどうすればいいのかすら分からない。そんな苦悩を抱える誠に大地が声を掛け、大地との交流によって誠は意識を変える決心をする。

不登校中の息子・翔が久しぶりに学校に行くと言い出し、思わず褒めようとする誠だったが、妻の美香(富田靖子)に止められ、そっとしておくことにする。

翌朝、翔は早くに支度して電車に乗りたくないから徒歩で行こうとする。美香が驚いているところに誠は「もし良ければ車で送っていくぞ」と声をかける。翔は無言で静かにうなずき、誠は慌てて支度するのだった。

■制服が嫌なんじゃないかと誠は翔の心に寄り添おうとする

美香にお弁当を渡され「帰ってきたくなったらそうしていいんだからね」と送り出された翔は誠の車の後部座席に乗り込み、緊張しているのかそっと自分で自分の手を握る。誠は横目で見守りながら「こんなときにかけてやる言葉も思いつかないなんて、本当に父親であることは難しい」と心のなかでつぶやく。

高校近くまで来て車を停めた誠は動こうとしない翔に「このまま帰ってもいいんだぞ」と声をかける。「もしかして男子の制服がいやなんじゃないか。もし、そうなら無理しなくていい。私服通学の学校とか制服を選べる学校に転校すればいいんだから」と誠が言うと「お父さんってそういうこと考えないんだと思った」と翔。

誠が「そうだな。少し前までは考えたこともなかった。これもアップデートだ。大地くんのおかげだよ」と言うと、翔は「制服はこれでいい。僕は男であることは別に違和感はないんだ。でも、自分のことよく考えてみて男っぽく振る舞うとか、乱暴なのが嫌い。あと、かわいく綺麗になりたい」と言って口を結び、そして車を降りる。

しかし、足取り重く翔が立ち止まってしまうと、誠も車を降りて「翔、自信を持て。お前、父さんの長年の圧力に耐えてきた。これぐらい頭の固いわからずやはそうそういないだろ。お前には十分な免疫がある」と鼓舞する。翔が振り返って誠を見ると、誠は真剣な顔をして親指をたてる。そんな誠に翔は微笑んで「行ってきます」と行って踏み出していくのだった。

翔が一歩踏み出せたことが嬉しく、誠と翔の心の距離が近づいたことも前向きな気持ちにさせてくれた。

◆構成・文=牧島史佳

「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」第4話より