無料のBS放送局「BSJapanext<263ch>」で、韓国の人気社会派ドラマ「ミセン‐未生‐」の放送が2月2日(金)夜からスタート。冷酷で理不尽な競争社会で生きる人々の姿をリアルに描いた作品で、韓国内では“名作中の名作”として名前を挙げる人も多い。上司部下の関係、取引先との不和、男性社会のなかでもがく女性社員…現代社会が抱えるさまざまな問題にスポットを当てた話題作だ。

【写真】仲間と助け合って力強く生きるイム・シワン“グレ”の表情に注目

■現実の社会問題を描く話題のドラマ「ミセン‐未生‐」

同作の主人公チャン・グレを演じるのは「Boyhood」「それでも僕らは走り続ける」で知られるイム・シワン。人気ドラマ「イカゲーム」のシーズン2へ出演が決まったことでも話題になった、いま旬の俳優だ。チャン・グレは元天才棋士と騒がれた逸材だったのだが、父の死をきっかけにその道を断念。ダラダラと過ごすなか、母の伝手で大手総合商社にインターンとして入社することに。

だがいわゆるコネで入社しただけのチャン・グレは、これまでバイトでしか働いた経験がない。まともな社会経験はないに等しかった。そのため努力してもなかなか契約社員から正社員に上げてもらえなかったり、嫌な上司からは学歴などを馬鹿にされることもしばしば。夢を諦めた青年に待ち受ける、痛々しいまでの現実が描かれていた。

さらにイ・ソンミンが演じるオ・サンシク課長は、妻子を持つ43歳のワーカホリック。部下や家族を思って動く正義漢で、上司が取引先と組んで働いていた不正を暴くシーンもある。それによってオは昇進するのだが、一部の社員からは「チームの仲間を犠牲にしてのし上がった男」と見られるなど、正義がすべてを救うわけではないといったリアルな展開も同ドラマの持ち味だ。

さらに優秀だが女性ということで男性上司から疎まれるアン・ヨンイ(カン・ソラ)。英語やロシア語に長けている才媛であるからこそ、彼女を阻むさまざまな障害との対比が“女性の生きにくさ”を克明に描いている。

多くの人から共感を得られる社会の構造的課題や、古い価値観からくる理不尽な迫害。だがそうした暗く冷たいテーマを主軸に据えているからこそ、チャン・グレが棋士としての洞察力を活かして活躍するシーンはいっそう輝いて見えるのだ。そしてオ・サンシク課長も正しく自分の信念を貫き、アン・ヨンイは実力で上長の信頼を勝ち取る。多くの問題を描きつつも、「現実は無情」と冷たく突き放すだけではないストーリーが同ドラマを“名作”たらしめていると言っていいだろう。

「ミセン‐未生‐」はBSJapanextで、毎週月曜から金曜の平日夜7時~8時に放送される。なお同局の公式アプリ「つながるジャパネット」では、無料の見逃し配信も試聴可能。

■「ミセン‐未生‐」第1話あらすじ

チャン・グレは幼いころから囲碁が得意で棋士を目指していたが、父親の他界によりその道をあきらめ、26歳までバイトにあけくれていた。

ある日、母の知人の紹介でワン・インターナショナルのインターンになるも、会社員経験のないグレはコピーの取り方も、電話対応もわからず、雑用すらできないお荷物に。活気のある会社で一人とりのこされていた。

グレは、困ったことがあるたびに、優秀な同期、アン・ヨンイに頼ってしまうのだが……。

イム・シワン主演の名作「ミセン‐未生‐」が“名作中の名作”と語られるワケ/(C)CJ E&M Corporation,all rights reserved.