歌手テイラー・スウィフト(34)が米大統領選挙戦の標的となり、陰謀論までが浮上する事態となっている。テイラーは2020年の大統領選では、民主党候補のジョー・バイデン氏への支持を表明していた。そんなテイラーが先日、恋人でNFL選手のトラヴィス・ケルシーがスーパーボウルへの出場権を獲得したことを祝って、カメラの前で堂々とキスをした。すると共和党ドナルド・トランプ大統領を支持する右派から「スーパーボウルを不正操作しようとしている」「人為的につくられたカップル」といった陰謀論が流れ始めた。

テイラー・スウィフトはキャリアをスタートした当時、政治をめぐる発言や、民主党共和党のどちらを支持するかといった議論に加わることを避けていた。しかし2018年には、テネシー州の民主党候補者への支持を表明した

2020年の大統領選では民主党候補のジョー・バイデン氏への支持を表明し、テイラーは自身のTwitter(現在のX)で当時の米大統領ドナルド・トランプ氏に向けて「私達の投票により、あなたを退陣させる」と公言していた

今年11月の大統領選を前に現在、バイデン氏とトランプ前大統領は支持率で接戦を繰り広げている。そんな中、米国で多大な影響力を持つ歌手テイラーに対する陰謀論が浮上したのだ。

先月28日に開催したアメリカン・フットボール・カンファレンス(AFC)の優勝決定戦「AFCチャンピオンシップゲーム」では、テイラーの恋人トラヴィス・ケルシー選手が所属するカンザスシティ・チーフスが優勝し、スーパーボウルへの出場権を獲得した。

すると会場に応援に来ていたテイラーがフィールドにいるトラヴィスのもとに駆けつけ、カメラの前で勝利のキスをする熱々な姿を披露した

この様子が大々的に報じられると、共和党のトランプ氏を支持する右派勢力は、テイラーのことを「ペンタゴン(米国国防総省)のスパイである」「無名の左派勢力と共謀し、スーパーボウルを不正操作しようとしている」「大統領選でバイデン氏を支持する選挙妨害のサイコパス」などの陰謀論を発し始めた。

さらに翌29日、米紙『New York Times』が掲載した記事では、バイデン氏が今回もテイラーからの推薦を希望していることを示唆したため、陰謀論を助長する結果となった。

また一部では、テイラーがバイデン氏をホワイトハウスに留まらせるための陰謀に関わっており、ナショナルフットボールリーグNFL)もこれに関与しているとの説も流れた。

実業家ビベック・ラマスワミ氏は自身のXで、「来月のスーパーボウルでは、誰が優勝するんだろう」と記し、「この秋、人為的・文化的につくり上げられたカップルが、主要な大統領候補に対する支持表明をするのだろうか」と付け加えた。同氏は共和党大統領候補の指名争いで撤退し、現在はトランプ氏を支援している。

今回の件に関し、現在のところテイラー本人や代理人からのコメントは発表されていない。NFLの広報担当者は「フットボールはみんなのものです。試合を楽しんでください」と述べているという。

画像2枚目は『The Eras Tour 2024年1月28日付X「The IT couple」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)

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