俳優、声優、YouTuberとして幅広いフィールドで活躍中の染谷俊之の魅力に迫るWEBザテレビジョンの連載「月刊染谷WEBマガジン」。毎月、深掘りインタビューを敢行し、仕事の近況からプライベートまで、事務所NGギリギリの質問をぶつけて“染様(染谷俊之の愛称)”を丸裸にします。第26回は、出演舞台「メイジ・ザ・キャッツアイ」(2月6日3月3日/東京・明治座)の見どころを聞きました。

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■名作漫画「キャッツ・アイ」をオリジナルストーリーで舞台化

──明治座の創業150周年ファイナル公演として行われる「メイジ・ザ・キャッツアイ」。どんな内容の作品でしょうか?

1980年代週刊少年ジャンプ(集英社 刊)で連載され、アニメ化もされた「キャッツ・アイ」を、明治時代の設定に置き変えたオリジナル演劇です。脚本はお笑い芸人の岩崎う大さん(かもめんたる)、演出・共同脚本は河原雅彦さんで、ストーリーがしっかり作り込まれていてとにかくおもしろい。コメディの要素やアクションシーン、ショータイムなども散りばめられた、エンターテインメント性の高い作品です。

※「キャッツ・アイ」の「・」部分はハート

──三姉妹の怪盗キャッツ・アイを藤原紀香さん、高島礼子さん、剛力彩芽さんが演じられます。染谷さんの役どころは?

僕が演じるのは、内海俊夫というキャッツ・アイを追う刑事の役で、さらに三姉妹の次女・瞳(藤原紀香)の恋人です。瞳がキャッツ・アイだということを知らないまま付き合っていて、キャッツ・アイを逮捕して、瞳にプロポーズしようと考えているんですが、瞳はもちろん逮捕はされたくない。でもプロポーズはしてほしいと思っていて、複雑な関係です。俊夫自体は、ちょっと抜けているところもありますが、正義感と責任感のある熱血刑事です。

──藤原紀香さん、高島礼子さん、剛力彩芽さんはお三方とも初共演ですが、それぞれどんな女優さんですか?

藤原さんは、僕が芸能界に入る前からご活躍されていて、出演ドラマを一視聴者としてずっと見てきました。テレビで見てきた勝手なイメージは、すごく優しくて気さく、そしてサバサバされている方だと思っていましたが、実際にお会いしたら、まさにその通りで何だかうれしかったです。

高島さんは、映画「極道の妻たち」の印象が強くて、まさに大御所の女優さんというイメージでした。制作発表会のときに実際初めてお会いしたのですが、着物をお召しになられていてかっこよかった。イメージ通りの妖艶で大人の魅力がある方だと思います。

剛力さんはすごく華のある女優さん。三姉妹の末っ子、三女の愛役を演じられるのですが、元気のいいスポーティーな女の子で、一人称が「ボク」。ボクっ娘の先駆け的なキャラクターで、剛力さん自身、ショートカットが似合う素敵な方なので、ピッタリの役だと思いました。

■「原作ファンの方はもちろん、原作を知らない方も楽しめる作品です」

──本格的な稽古は1月から(※注:インタビューは2023年12月下旬に実施)とのことですが、俊夫を演じるにあたって、どんな役作りをする予定ですか?

今、俊夫を知るために、原作の漫画をちょうど読み進めているところです。ただし、今回は設定が明治時代ということで、原作とは異なるところが多々あります。例えば、俊夫と瞳は恋人同士ですが、当時は男女が表立って手をつないで歩くような時代ではないので、そういった恋愛のもどかしさも僕なりに表現したいですね。女性に慣れていない感じなどを細かく作り込んでいけたらと思っています。

──明治時代の刑事は何か特徴があるのでしょうか?

明治時代の初期は、警察官ではなく「邏卒(らそつ)」と呼ばれていたそうです。制服も今と違いますし、拳銃も携帯していない。代わりにサーベルを携えています。明治時代をイメージした衣装などにも注目してもらいたいですね。

──演出家の河原雅彦さんと役作りについてお話しされましたか?

河原さんとも今回「初めまして」なんですが、不思議なオーラを持った方です。初めて顔を合わせたとき「どうですか、人生は?」って声をかけられました。「最近どう?」ではなく「人生はどう?」って聞かれたのは初めてで、完全に意表を突かれました。僕も咄嗟に「最高です」と答えちゃいました(笑)。演出家としてはもちろん、しっかりとした考えをお持ちの方で「キャッツ・アイを逮捕したいという思いを強く出してほしい」と注文されました。

──改めて作品の見どころをお願いします。

本当にいろいろな要素が詰まっていて、原作ファンの方はもちろん、原作を知らない方も楽しめる作品です。僕が演じる内海俊夫と、藤原紀香さんが演じる瞳の関係にもぜひ注目してください。そして、今回は明治座150周年記念公演のフィナーレとなります。明治座は本当に素晴らしい劇場なので、その雰囲気も楽しんでいただければと思います。公演中は出演者ののぼりを立ててくださるので、僕ののぼりもぜひ見つけてください。また、明治座の公演は必ず途中に約30分の休憩を挟みます。休憩時間には、公演限定の「キャッツアイ御膳」(2,900円/要事前予約)なども味わえるので、そちらもぜひご堪能ください。

■プライベート映像満載の韓国旅行記Blu-rayが5月に発売

──ここからはもう1ネタ。玉城裕規さんとのコラボBlu-ray「UNLIMITED feat. Yuki Tamaki&Toshiyuki Someya」が5月15日(水)に発売されることが決まりました。どういった内容でしょうか?

以前、玉城くんのニコ生(ニコニコ生放送)の番組にお邪魔したとき「2人で韓国に行きたいね」と話していたんです。それが実現したご褒美企画です(笑)。昨年の11月中旬に3泊4日で行ってきました。気温がマイナスになる日もあってめちゃくちゃ寒かったですが、すごく楽しかったです。

──玉城さんとの関係性は?

僕の2コ上の先輩ですが、誕生日(12月17日)が同じなんです。デビュー当時からお互いを知ってはいたんですが、しばらく共演経験はありませんでした。その後「Messiah メサイア」シリーズや「刀剣乱舞」シリーズで共演して、親しくなりました。玉城くんのニコ生に僕が出たり「月刊染谷マガジン」にも2回出てもらったりして、今ではすごく仲良しです。

──そんな2人の旅行のテーマは?

純粋に僕らが楽しむ旅(笑)。明洞(ミョンドン)や梨泰院(イテウォン)など、ソウルのいろいろなところに行きました。街歩きがベースで、2人で話しながらぶらぶらして、おいしいものを食べたり、韓国の文化に触れたりしました。

──特に印象に残っているのは?

キムチ作りを体験したり、民族衣装を着たり、全部楽しかったですね。海外で初めて舞台も見ました。「NANTA/ナンタ」という何十年(注:初演は1997年)も続いている有名な作品。簡単に説明すると、料理人たちが時間内に料理を完成させるストーリーで、実際にリズムよく野菜を包丁で切ったり、皿を投げたりしながら、歌やダンスを繰り広げるんです。食材を無駄にしまくるので、日本ではコンプライアンス的に絶対に許されない作品ですが(笑)、臨場感があってすごくおもしろかったです。

──韓国料理も満喫しましたか?

そうですね。ソルロンタン(牛骨スープ)やサムギョプサル(豚バラの焼肉)、タッカンマリ(鶏の水炊き)、豚カルビなど、思う存分食べました。あと、お酒も!初日の夜に行ったお店で、最終日の打ち上げかというくらい、たくさん飲んじゃいました(笑)。ビールをチャミスル(韓国の焼酎)で割ったものやマッコリなどを飲み過ぎて、実はあまり記憶がないんです。その模様ももちろん撮影をしていました。実際にそのシーンが使われているかどうかはまだ分かりませんが、何を喋っていたのか、怖いですね(笑)。

──では最後にファンにメッセージをお願いします。

先ほども言いましたが、この企画自体が僕らへのご褒美なんです。何のご褒美かは分かりませんが(笑)。なので僕らが楽しんだら、おもしろくなるというスタンスで、スタッフさんもいろいろ配慮してくれました。僕と玉城くんがひたすらキャッキャしている映像を、楽しんでもらえたらうれしいです。

取材・文=河合哲治郎

名作漫画を舞台化した出演作品や、発売予定のBlu-rayについて語る染谷俊之/撮影=岩堀和彦/スタイリスト=岩田友裕/ヘア&メーク=中元美佳