観客を唸らせた激闘を繰り広げた穴口選手。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 日本ボクシングコミッションJBC)は2月2日、昨年12月26日に行われた日本バンタム級タイトルマッチで右硬膜下血腫を起こして入院治療中だった穴口一輝さん(真正)が、同日午後5時38分に死去したと発表した。23歳だった。

 年間最高試合(世界戦以外)に選出されるほどの熱戦だった。穴口選手は、昨年12月26日に東京・有明アリーナで開催された「バンタム級モンスタートーナメント決勝」の日本王座戦に出場。日本同級王者である堤聖也(角海老宝石)と壮絶な打撃戦を繰り広げた。

 強打の堤に4度のダウンを奪われ、判定で逆転負けを喫した。それでも互いに一歩も譲らなかった激闘を目の当たりにした観客からは大きな拍手が送られた。ただ、穴口選手は試合後に戻った控室で意識を失って救急搬送。右硬膜下血腫により緊急での開頭手術を受けて一時は容体が安定していたが、最後まで意識を取り戻すことはなかった。

 穴口選手は21年7月にプロデビューを飾って以来、6戦無敗(2KO)と破竹の勢いで勝ち進んでいた。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

年間最高試合を見せたプロボクサーの穴口一輝が逝去 4度ダウンの日本王座戦後に開頭手術も意識戻らず