今季からメジャー移籍を果たしたイ・ジョンフは、山本との対戦願望を明かした。(C)Getty Images

 2月1日プロ野球各球団がこぞってキャンプインした。これにより、日本球界は、いよいよ球春到来といった様子を見せ、活況を見せ始めている。

 新シーズンに向け、機運を高めるのはNPBの選手たちばかりではない。現地時間2月1日には、今オフにMLBの名門ジャイアンツへの入団を決めたイ・ジョンフが渡米。注目されるルーキーイヤーへの第一歩を歩み出した。

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 元中日の助っ人イ・ジョンボム氏を父に持つサラブレッドは、昨年12月にジャイアンツと6年1億1300万ドル(約163億8500万円)の大型契約を締結。国内外で、そのパフォーマンスに大きな期待を寄せられている。

 そんな25歳の若武者は、1日の渡米直前に『朝鮮日報』など地元メディアの取材対応。自身が「小学生の頃から憧れていた」というメジャーリーグで対戦したい相手を問われ、真っ先に「山本由伸」と回答。その理由として「同地区になったので、もう一度リーグ戦でやってみたい。国際大会とリーグ戦ではまた違うかなと思うし、彼から打ってみたい」と言葉を弾ませた。

 数多の名投手がひしめくメジャーリーグ。そのなかでイ・ジョンフが、自身と同じく「新人」となる日本人右腕の名を挙げたのは、以前から執念にも似たライバル心があるからではないだろうか。

 実は、山本と同世代のイ・ジョンフは、以前から日本球界最高と評される右腕を意識したコメントを発してきた。

 2021年の8月に開催された東京五輪で対峙して3打数2安打と好結果を残した後には、「あの3打席は野球人生で一番集中していた。打席に入ってからは、山本しか見えていなかった」と回想。そして、「ハッキリ言って、僕は日本の野球を見ていなかったから大会まで山本がどこまで成長していたかを知らなかった。それで成績を見たら田中将大MLBに行く前の成績よりも凄くて驚いた。思っていた以上というよりも、山本は途方もないぐらいのレベルだった」と絶賛した。

 真夏の東京を舞台に繰り広げた熱戦から約3年。ふたたび日本の怪物と対戦できるステージに立ったイ・ジョンフ。日本球界へのリスペクトを惜しまない彼が、メジャーリーグでいかなるパフォーマンスを見せるかも含め、両雄の対決は大きな注目を集めそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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