本日2月3日に25歳の誕生日を迎えた、橋本環奈。福岡でアイドルとして活動していた中学生時代、ダンスする姿をとらえた写真がきっかけでその美ぼうがSNSで話題に。「千年に1人の逸材」として一気に表舞台へ躍り出た。のちに「奇跡の一枚」と呼ばれるあの写真から早10年。25歳となった橋本環奈の、華々しい20代を振り返ってみたい。

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■実写化には欠かせない女優に “美しさ”も“笑い”も両取り

 映画『銀魂』シリーズ、『斉木楠雄のΨ難』、ドラマ『今日から俺は!!』(日本テレビ系)など、人気漫画の実写化に次々と抜てきされた10代を経て、橋本環奈の20代は、映画『キングダム』で華々しく幕を開ける。山崎賢人(「崎」は「たつさき」が正式表記)主演の本シリーズにて、橋本は軍師をめざす河了貂を好演。大スケールで描かれる中華戦国時代の中で、その無邪気な笑顔が光っていた。

 『キングダム』のほかにも、橋本は『午前0時、キスしに来てよ』『弱虫ペダル』『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』といった実写化作品にてヒロインを演じている。2022年からは、舞台『千と千尋の神隠し』にて、上白石萌音とダブルキャストとして主人公の千尋に。チケットについて「倍率ヤバい」「全然取れない」とSNSで話題になるほど人気を集めた本作は、今年4月からはロンドンでの公演や帝国劇場での再演も控える。その唯一無二のかわいらしい見た目から、漫画から飛び出してきたような姿でキャラクターを再現できるのが、女優としての彼女の強みであることは間違いない。

 一方で、20代の橋本は“コメディエンヌ”としての才能も開花。前述した『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』『今日から俺は!!』で福田雄一監督の作品に出演し、普段の見た目とはギャップのありすぎる変顔や振り切ったボケなどを見事にこなして見せると、20代でも福田監督からのオファーは続き、『新解釈・三國志』『ブラックナイトパレード』ではヒロイン、『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』では主演に。『ブラックナイトパレード』では、まさかの“坊主姿”も披露するなど、体当たりで笑いに挑んだ。

■人気者・橋本環奈の本音――抱える“弱さ”や将来への思いとは

 一気にスターダムへの階段を駆け上った橋本環奈の20代。基本的に「ポジティブ」だという彼女だが、20歳の時に行われたインタビューでは「注目されることって、うれしい半面、やっぱりきつい」(※1)とも語る。メンタルは強いと自ら評価するものの、「心の弱い部分は言わないです。誰にも見せたくないっていう変な意地もあるし、自分のプライドでもありますね」と、“弱みを見せられない”という弱さを抱えているとも明かしていた。

 多忙を極める橋本環奈だが、意外にも「将来に関しては無欲」だという。2022年のインタビューでは、「先を考えて『ああしたい、こうしたい』といったことは考えていません。とにかく誠実に積み重ねていくだけです」(※2)と断言しており、「そのお仕事をやりたいのかどうなのか、きちんと自分自身で考えるようにしています。将来に関して無欲だからこそ、『これはやったほうがいいかな、これはやめておいたほうがいいかな』と、そのときの自分の直感を信じるようにしているんです」と、将来よりも“今”を大切にしていることを語っている。

■名実ともに「国民的」女優に! 20代後半突入する橋本環奈の展望は

 そして昨年の大みそか、橋本環奈は2年連続となる『紅白歌合戦』司会に抜てき。その落ち着いた進行ぶりやかわいらしい衣装はもちろん、昨年特に話題になったのはYOASOBIが披露したヒット曲「アイドル」での一幕。『紅白』に出場していたアイドルたちが一堂に会した豪華なステージのなか、“元アイドル”として橋本もanoと共に登場。あの「奇跡の一枚」で15歳の橋本が取っていたポーズを再現して見せたのだ。福岡のいちアイドルだった彼女が、『紅白』司会として10年ぶりに披露したこのポーズにSNSは大盛り上がりだった。

 2024年はついに“20代後半”に突入する橋本環奈。その活躍の勢いは止まることを知らず、3月にはテレビ朝日開局65周年を記念したドラマ『万博の太陽』主演、7月には大人気シリーズの最新作『キングダム 大将軍の帰還』の公開が控える。そして9月からは、連続テレビ小説『おむすび』主人公として、満を持して“朝ドラヒロイン”に。ますます“国民的”という言葉を冠するに値する女優に成長していく彼女の20代後半からも目が離せない。(文:小島萌寧)

※1 弱みを見せられる強さを私は欲しい――橋本環奈、「タフ過ぎる20歳」の弱さ Yahoo!ニュース

※2 橋本環奈「将来に関しては無欲」 着実に仕事を重ねる現在地 クランクイン!
橋本環奈、映画『バイオレンスアクション』インタビューにて(2022年)  クランクイン! 写真:小川遼