少しずつ注目が集まってきている井上とネリのマッチアップ。この興味深い対戦にメキシコ人戦士が持論を展開した。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext、(C)Getty Images

 東京ドームでの文字通りのビッグマッチに向けた緊張感がにわかに高まっている。

 現地時間2月1日、契約する米興行大手『TOP Rank』のボブ・アラム会長は、ボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が、来る5月6日東京ドームで、元世界2階級王者のルイス・ネリメキシコ)と対戦すると語った。米メディア『Boxing News24』などがこれを伝えている。

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 昨年12月にマーロン・タパレスフィリピン)をTKOで打破し、史上2人目となる2階級での4団体統一を成し遂げた井上。いまや群雄割拠のボクシング界でもトップクラスの声価を得ている“怪物”だけに、他でもないネリの母国メキシコでも、その下馬評は高い。

 ネリを良く知るメキシコボクシング界の新鋭も井上の勝利を予想した。WBCの世界スーパーバンタム級で2位に位置付けるデビッドピカソメキシコ)は、母国のYouTubeチャンネル『Fino Boxing』のインタビューで「正直に言って、イノウエは偉大なファイターだ。世界王者としての資質をたくさん持っている」と、敵なしの強さを誇る日本人ファイターを絶賛。そして、こう続けている。

「もちろん、メキシコ人として、メキシコ国旗が高いところに掲げられたら嬉しいと思うし、そう願っている。だけど、現実的に意見を言わせてもらうと、イノウエが勝つと思う。それもノックアウトでね。もちろんネリのことは尊敬している。偉大なアスリートであり、偉大なボクサーだ。でも、今の彼のキャリアは下り坂だ。一方でイノウエはキャリアの最も強い時期にいる」

 自身も将来的に井上と対戦する可能性がある。ゆえにピカソは「イノウエとの試合は実現したいというのは本当のところだ」と告白。そして、「彼はニックネームの通り、モンスターだ。素晴らしい戦士だ」と評する日本の偉才に対する強い想いを続けた。

イノウエは偉大だ。だけど、僕もその名前はダビデでもある。旧約聖書では、ダビデ(デビッドとも)がゴリアテと戦った。そしてダビデはゴリアテに勝って王になった。今は誰もがイノウエゴリアテと思っているけど、僕は彼を倒せると思う。少なくとも勝つつもりだ。誰もが予想しないビッグサプライズを起こして、王座に君臨したい」

 同胞戦士よりも井上を高く評価したピカソ。日進月歩で進化を続ける彼がリングで怪物と対峙する日は訪れるだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

井上尚弥の圧勝に高まる機運 WBC2位のメキシコ人戦士もネリの惨敗を予想「現実的にイノウエが勝つ。KOでね」