バウアーは昨年10勝をマークした(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 オリオールズからFAとなっていた藤浪晋太郎が、メッツと契約合意したと3日、MLB公式サイトが伝えた。単年契約で335万ドル(約4億8575万円)、85万ドル(1億2325万円)の出来高が付くとされる。

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 メッツにはすでに千賀滉大が所属しており、今オフは日本人選手が複数在籍する球団が増えている。ドジャース大谷翔平山本由伸)を筆頭に、パドレスダルビッシュ有松井裕樹)、カブス鈴木誠也今永昇太)に続いて4球団目とあって、日本人ファンに向けてもまた新たな楽しみが増えそうだ。

 まもなくメジャーキャンプインを迎えるなど各球団戦力が整いつつある中、去就が定まらない選手もいる。

 昨年DeNAで活躍したトレバー・バウアーもその一人だ。サイ・ヤング賞右腕は昨季、開幕にこそ間に合わなかったものの、5月に初登板を果たすとシーズン10勝(4敗)、防御率2・76をマーク。中4日の登板も志願するタフネスぶりでチームを盛り立てた。

 一方、オフはメジャー復帰を目指し奮闘した。ドジャース時代の2021年には性的暴行などの疑いで女性から訴えられ出場停止処分を受けたが、後に不起訴処分に。近年の米球界は特に女性問題、素行不良の選手に対して厳しい目を向ける傾向にあるが、米国の報道番組などにも出演し、猛省する姿勢をアピールしたが現時点に至るまで、朗報は届いていない。

 となれば、現実的には再度日本球界にとどまるという可能性も浮上する。

 昨年所属したDeNAでは今オフ、左腕エースの今永がポスティングシステムを利用してカブスに移籍。長年チームを支えてきた柱を失うだけにバウアーが残留となれば大きな力となりそうだ。

 一方チームはすでに〝バウアー抜き〟のチーム構想も着々と固めている。新外国人投手として先発候補には最速158キロ右腕のアンドレジャクソン(前パイレーツ・27)、アンソニー・ケイ(前アスレチックス・28)を補強済み。

 先発陣は昨年最多勝を獲得した東克樹を筆頭に石田健大、浜口遥大の左腕トリオ大貫晋一平良拳太郎、新外国人のジャクソン、ケイなど顔ぶれも充実、これらの投手陣に小園健太など若手のアピールも待つ構えとあって、バウアーと再契約できれば当然大きな上積みとなるが、危機管理も進めている。

 また先発を求めているチームといえば、ソフトバンクの名前もあがる。西武からFAとなった山川穂高を獲得と打線にはさらなる厚みが増したが、投手陣は目立った補強は行っていない。一方、昨季の先発陣はシーズン途中から先発ローテーション入りしたメジャー帰りの有原航平がチームトップとなる10勝をマーク、2桁勝利をあげたのは有原のみで続いたのがベテラン左腕の和田毅の8勝という苦しさだった。

 昨季ノーヒットノーランも達成した石川柊太(4勝8敗)、東浜巨(6勝7敗)らの実績ある投手の奮起が待たれる中、中4日先発も果たせるタフネス右腕が加入となれば、チームにとっても大きな力となりそうだ。

 ほかにも無双エース山本由伸、左腕の山崎福也がFAで退団と昨季の勝ち星から「27勝」が抜けたオリックスも注目となる。山本がドジャースポスティングで移籍した際の譲渡金は70億超ともいわれており、資金力には事欠かないが、育成を重視するチーム方針とあって、その点がどうなるか。すでにチームには「ネクスト由伸」ともいわれる、150キロ超をマークする潜在能力豊かな投手が複数所属しており、1軍舞台の活躍を目指して力を蓄えている。中嶋聡監督も新戦力の台頭で新たな常勝軍団作りを目指すとされる。

 順当なのは、DeNAでシーズン2年目を迎えることだが、刻一刻と日米球界で開幕への時間が進む中、自身の去就にどんな判断を下すのか。今後も注目の存在となりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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