【家電コンサルのお得な話・165】兵庫県2月1日から、プレミアム付デジタル券「はばタンPay+(プラス)」の申し込みを開始した。2023年度も多くの自治体で「プレミアム商品券」が発行された。既に使用期限が過ぎ、事業が終了している自治体も多いが、使用期限が迫っている自治体もかなりある。プレミアム商品券が手元に残っていないか確認していただければと思う。

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●一人当たり最大4口(2万円)で、2万5000円分使用できる



 兵庫県は「食料品等の物価高騰に直面する県民生活を支援するとともに、原材料調達コスト上昇の影響を受ける県内の小売店、飲食店等を支援する」ことを目的とする「ひょうご家計応援キャンペーン」を実施している。

 同キャンペーンの登録店舗で利用できる「スマートフォンアプリを活用した、プレミアム付デジタル券」が「はばタンPay+」となる。今回は第3弾となる(第1弾・第2弾で購入したデジタル券の有効期限は24年2月29日まで)。発行総額は118億円規模に及ぶ。

 この事業の購入対象者には「子育て応援枠」と「一般枠」があったが、今回は「一般枠」のみで、兵庫県在住者(第1弾・第2弾購入者も申し込み可能)となっている。

 また、申し込み期間は24年2月1~25日(日)20:00までで、事前申込制による抽選販売である。

 利用期間は24年3月11日(月)~6月30日(日)が予定されている。気になるプレミアム率だが、1口6250円分を5000円で販売するため、25%となる。

 一人当たり4口まで購入可能で、4口(2万円)を購入すれば2万5000円分使用できるため、5000円分がお得になる。

 「はばタンPay+」は、スマホへのアプリのインストールが前提となっているため「利用者様向けサポート」も充実している。専用のコールセンターに加えて、携帯電話ショップにおける対面サポートが実施されるため、スマホに不慣れな人も利用しやすいだろう。


●「デジタル分断」を引き起こさないための配慮も



 ただ、スマホを持っていない方は、この事業の対象外となっているのが残念である。行政の事業である限り、平等性や公平性は担保されることが望ましい。こういった事業を行う自治体は、経費は掛かったとしても「紙商品券」を作成するなど、購入機会そのものを最初から排除することは避けてほしいと思う。

 デジタル技術の普及は多くの利便性をもたらすが、同時に「デジタル分断」という新たな問題を引き起こしている。同事業におけるデジタル分断は、特に高齢者やテクノロジーにアクセスしにくい層に影響を及ぼす。

 もし兵庫県民の方で、家族の方に対象外の方が居られたら、今後のために県議会議員に改善の要望を冷静に申し入れてみてはいかがだろうか。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)

■Profile

堀田泰希

1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。
兵庫県が実施しているプレミアム付デジタル券「はばタンPay+(プラス)」