オンライン動画配信サービスHulu」では、全米で視聴率No.1を獲得した大ヒットドラマ「CSI:科学捜査班」のシーズン1~15を配信中。本作は欲望が渦巻く街・ラスベガスを舞台に、市警察の科学捜査班・CSI(CSI=Crime Scene Investigation)の捜査官たちが最新科学を駆使して様々な凶悪犯罪を解明していくクライムサスペンスだ。そんな本作のストーリーや見どころを紹介していく。

【写真】科学を駆使して事件を解決に導くCSIのメンバーたち

■社会現象を巻き起こした“鑑識ドラマ”の金字塔

本シリーズは、「トップガン」「アルマゲドン」など、数々のヒット作を生み出してきたジェリー・ブラッカイマー製作総指揮のもと、2000年に全米で放送が開始された。以来、最終章であるシーズン15の放送が終了した2015年までの間に、世界で最も視聴されているドラマに贈られる「国際テレビ観客賞」を、過去最多となる6度受賞するなど、世界的な大ヒット作となった。

昆虫学、血痕分析、オーディオ・ビジュアル分析など、それぞれに得意分野をもつ捜査官たちの人間的な魅力に加え、警察やFBIも使用しているという本物の“科学捜査”の最新テクニックが凝縮されていることでも話題を呼んだ。人気のクライムドラマの中でそれまで注目されてこなかった“鑑識”に焦点を当てた本作のヒットにより、陪審員が科学捜査についての知識を深めて証拠を重視するようになり、CSIに憧れる学生たちが法医学クラスへ殺到するなどの社会現象も巻き起こした。そして、今でこそよく見かける“鑑識ドラマ”に多大なる影響を与えた作品でもある。

また、本作は主人公格のキャラクターは存在するものの、毎回1話完結型となっており、事件の性質によってそれぞれの捜査員がスポットを浴び、専門知識を駆使して活躍する姿が描かれていく。そのため、“どのエピソードから見ても楽しめる”という点も本作の魅力の一つと言えるだろう。

■シリーズを通してテイラー・スウィフトら豪華なゲストが多数出演

個性豊かなCSIメンバーを率いるのは、ウィリアムピーターセン演じるギル・グリッソムだ。専門は昆虫学で、法医学者・検死官として17年のキャリアをもち、実験的な捜査方法を好む。常に冷静沈着に捜査を進め、部下の信頼も厚い。そんなグリッソムを支えるキャサリン・ウィロウズ(マージ・ヘルゲンバーガー)は、元売れっ子のストリップダンサーで仕事熱心なシングルマザーだ。また、チーム唯一のラスベガス育ちとなるウォリック・ブラウン(ゲイリー・ドゥーダン)の専門はオーディオ・ビジュアル分析で、才能はあるがギャンブル好きなのが玉に瑕。

ニック・ストークス(ジョージ・イーズ)は、元ダラス市警の警官だったおちゃめなムードメーカー。毛根・繊維分析が得意で仕事熱心だが、女性好きでトラブルに巻き込まれることも。ほかにも、理論物理学でグリッソムの元教え子のサラ・サイドル(ジョージャ・フォックス)をはじめ、CSIに所属歴があり、よき協力者でもあるラスベガス市警殺人課のベテラン刑事ジム・ブラス(ポール・ギルフォイル)、派手なシャツがトレードマークで、いつも冗談ばかりだが、仕事は堅実な鑑識課の実験技術者グレッグサンダース(エリック・スマンダ)など、魅力的なキャラクターが多く登場する。

さらに、シリーズを通して豪華なゲストが多数出演しているのも本作の特徴。シーズン9の第16話には、被害者少女役で人気歌手のテイラー・スウィフトが、シーズン11の第1話には、同じく人気歌手のジャスティン・ビーバーが爆弾犯である兄を持つ青年役で出演。また、当時6才だったダコタ・ファニングは、シーズン1の第7話で一家惨殺事件の生存者を、「アベンジャーズ」のホークアイ役で有名なジェレミー・レナーは、シーズン2の第6話で殺人事件の容疑者を演じている。

そして、15年の長きに渡って続いたシリーズが2015年放送のシーズン15でフィナーレを迎えた際には、グリッソムをはじめ、キャサリン、サラ、検視官のロビンスなど、歴代の名キャラクターたちが続々カムバックして注目を集めた。

■シーズン5ではクエンティン・タランティーノが監督を務め、エミー賞にノミネート

シーズン1の第1話では、警察学校を卒業したばかりの新人ホリーがCSIに加入するのだが、コネ採用であることをよく思わない主任のブラスは、ホリーを追い出そうと嫌な仕事を押し付けていた。そんな中、昏睡強盗事件と殺人事件が発生。ウォリックとホリーは捜査に当たるのものの、ウォリックはギャンブルをするために持ち場を離れてしまう。その間に、現場に戻ってきた犯人がホリーに襲いかかるのだった…。

この一件の責任を取り、ブラスは殺人課に異動となり、グリッソムが主任としてチームを率いることとなる。シーズン3からは、分析ラボを持ち場とし、自信過剰だが憎めないオタク分析官のデヴィッド・ホッジス(ウォレス・ランガム)が登場。シーズン5の24話&25話「CSI“12時間”の死闘」(前編・後編)では、「キル・ビル」のクエンティン・タランティーノが監督を務め、エミー賞にノミネートされている。

シーズン6では、ウォリックの結婚や、グリッソムとサラの恋模様などのエピソードも描かれ、シーズン8では、サラの誘拐やウォリックの殺人容疑など、メンバーが窮地に立たされる場面も。さらに、シーズン9ではグリッソムがCSIを去ったことでキャサリンが主任となり、新たなメンバーとして、大学教授で医学博士のレイモンドラングストン(ローレンスフィッシュバーン)が登場。連続殺人鬼ネイサン・ハスケル(ビル・アーウィン)が引き起こした事件を解決するべく、捜査に協力することとなる。

シアトルCSIからやってきたD・B・ラッセルが主任となり事件解決に挑む

シーズン11では、犯罪学の権威ラングストンとともに、伝説の凶悪犯・ハスケルや、シリーズ最凶のライバルとなる連続殺人鬼ジキル博士”に挑むCSIメンバーの姿が描かれる。そんな中、ハスケルがラングストンの前妻・グロリアに乱暴を働いたことで、ラングストンは怒りが抑えられなくなってしまう――。

シーズン12では、ハスケルの事件が原因でラングストンがCSIを去り、キャサリンは降格。シアトルCSIからやってきたD・B・ラッセル(テッド・ダンソン)が新たな主任となる。ユニークな言動と冷静な視点で事件解決に全力を尽くすラッセルだったが、シーズン13ではラッセルの息子が殺人の容疑者となり、ブラス警部の娘も事件に巻き込まれる波乱の展開に。

そして、最終章となるシーズン15の第1話では、ラッセルと、キャサリンの代わりにやってきた血痕鑑定が専門の捜査官ジュリー・フィンレイ(エリザベス・シュー)が、5年前にシアトルで解決した“ギグ・ハーバー事件”に似た手口で女子大学生が殺される事件が発生する。すでに犯人は逮捕され死刑囚となっているため、手を下せるはずもない…。それにも関わらず、鑑識作業を行うと、現場は前回と酷似していた。

模倣犯の仕業かとも思われたが、5年前の事件との関連性が次々と浮上。そして、捜査の手が事件の核心に迫ろうとしたその時、フィンレイは犯人が仕掛けた罠にかかってしまい、絶体絶命の窮地に陥るのだった――。

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