なにわ男子・道枝駿佑が主演を務めるドラマ「マルス-ゼロの革命-」(毎週火曜夜9:00-9:54、テレビ朝日系)の第2話が1月30日に放送された。同作は、道枝にとってゴールデン帯連続ドラマ初主演となる青春“クーデター”サスペンス。謎多きカリスマ転校生に導かれ、“マルス”という動画集団を結成した落ちこぼれ高校生たちが大人社会に反旗を翻していく姿が描かれていく。本格的に始動したマルスが選んだ案件は、トップスプリンターの殺人未遂事件だった。(以下、ネタバレがあります)

【写真】ゼロの宿敵、黒幕Kこと國見社長を演じるのは江口洋介

武藤将吾の脚本による完全オリジナルドラマ

同作は、「3年A組 ―今から皆さんは、人質です―」(2019年、日本テレビ系)の武藤将吾の脚本による完全オリジナルドラマ。道枝は大胆不敵で過激な言動で、カリスマ的な魅力を放つ一方、ダークで妖しい裏の顔を持つ主人公・美島零=ゼロを演じる。

ゼロの右腕的存在となる逢沢渾一、通称・アイコンを板垣李光人が、渾一の幼なじみで初恋相手でもある貴城香恋を吉川愛が演じる他、井上祐貴、横田真悠、山時聡真、泉澤祐希が動画集団“マルス”のメンバーとして出演。また、ゼロと過去に因縁がある大手通信事業グループの社長・國見亜門役で江口洋介も登場している。

■個性的な7人が集まり、新生“マルス”が始動

突然現れた転校生・美島零=ゼロ。スクールカウンセラーの毛利(野間口徹)が校内で違法薬物の原料となる植物を栽培し、生徒をクスリ漬けにしていたことを動画配信を使って世に暴き出した。まさにセンセーショナルな登場をして、渾一の望みだった動画研究会も7人を集めて“部”に昇格させることができた。渾一は、大好きだった動画配信者“マルス”の正体がゼロだということも分かり、第1話で自殺を考えていた時とは別人のよう。

ゼロと渾一、渾一の幼なじみでもある香恋、「ロックじゃねえ」が口ぐせのバンドマン・二瓶久高(井上)、元秀才のクールキャラ・呉井賢成(山時)、食いしん坊癒やし系・桜庭杏花(横田)、万年球磨きの野球部員・桐山球児(泉澤)という個性もバラバラな7人で新生“マルス”を始動させた。

1年前にマルスが大人の圧力によって活動中止を余儀なくされた過去を明かすゼロ。そのゼロの目的は「やつらの闇を暴いて、オレたちが新しい時代を作る」ことで、それを「革命」と宣言した。

■日本新記録を出したヒーローがなぜ落ちてしまったのか

革命を起こすための第一段階として必要なのは、同世代の若者たちから支持を得て知名度を上げること。そこで、ゼロが最初の案件として選んだのがトップスプリンター・不破壮志(日向亘)の殺人事件だった。

半年ほど前、不破は日本新記録を打ち立てて一躍ヒーローになるが、殺人未遂事件を起こしてしまい陸上界から追われることに。スポンサー契約を結んでいた会社と金銭に関して揉めて、不破がその会社の重役・火野(勝村政信)の首を公衆の面前で締めてしまい、その動画が拡散された。

渾一らは不破の周囲の人に話を聞いてまわり、ゼロと渾一と球児の3人で不破の元を尋ねた。その事件のことを話そうとしない不破。しかし、ゼロは拡散された動画などから、その事件に裏があることに気付いた。

■事件の“裏”をあばき、真相を究明していくアプローチが気持ちいい

早熟の天才で将来的にもまだまだ記録を伸ばせるくらいの才能があった不破。そんな彼に目をつけたのが火野だった。それは純粋に応援するというものではなく、不破の活躍によって生じる莫大な経済効果に目をつけたのだった。

大人の欲によって将来を変えられてしまいそうになった不破は、必死に抗おうとするが、その憤りを火野にぶつけたところを動画で拡散されてしまい、道が断たれてしまった。

ゼロが明らかにした“裏”は、まさに大人の利権のために不破が利用されたということ。関わった人物を追い詰め、真相を吐かせるアプローチが見ていて気持ち良く、スッキリとした気分になれる。

■ゼロの前に國見が現れ、力の差を見せつけた

ゼロが最初の案件として選んだトップスプリンターの殺人未遂事件。それは、闇雲に選んだわけではなく、ゼロ自身の大きな目的に近づくための一つの手段だった。

火野を追い詰めることができたが、ゼロの本当の敵はその上にいる“黒幕K”こと、クロッキーコミュニケーションズの國見社長。その國見がこの事件に関わっていたと分かっていたからこそ、新生“マルス”の最初の案件としてピックアップしたのだった。

第2話で意外だったのが、ゼロと國見の直接対決が実現したこと。なかなか会えず、取り上げた事件をいくつも解決し、それによってたどり着く、と勝手に思っていてしまったので、墓地での対面は予想外の展開。

しかも、國見はフィジカル的にもかなり強いことが分かった。まだまだ自分には敵わない、ということをわざわざ言いにきたということか。ゼロが宣戦布告したことに対する見せしめだったようだ。しかし、こういう物語は敵が強ければ強いほど、どう立ち向かうのか、どんな革命を起こすのかがより楽しみになるというもの。続きが待ちきれない。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

ゼロ(道枝)は新生マルスで「革命」を起こすと宣言/(C)テレビ朝日