誰もが一度は憧れる海外生活。しかし、日本と比べて物価が高い国での暮らしは想像以上にハードルが高く、ちょっとした贅沢をするのにも一苦労だ。そんな中、海外での充実した日々を手に入れるため、現地で「パパ(シュガーダディ)」を見つける女性もいるらしい。

学生時代にアメリカでの「海外パパ活」を経験したという吉田真帆さん(仮名・28歳)にインタビューを実施。始めたきっかけについて語ってもらった前回に引き続き、驚きの「海外パパ活事情」に迫る。

◆通常使わない部分に許可なく…

前編ではアメリカで出会った「良パパ」について取り上げたが、一方で最低最悪の「クソパパ」にもたくさん遭遇してきたという吉田さん。

「かなり強引なシュガーダディがいたのですが、彼は本当に最悪でした。普通の行為だけでは飽き足らず、初対面から通常は使わない部分に力づくで無理やり……。すごく苦痛だったのですが、相場より高い500ドルをくれたし、揉め事を起こすのも怖いし……、と思って受け入れました。でも、本当の地獄はここから。私のことを気に入ったからと二回目も呼んでくれたのですが、プレイが終わりお金をもらって帰ろうとしたら、彼から『君も僕を気に入ったからまた会いに来てくれたんでしょ?』と言われ、お金を払うことを拒否されたんです。だから私はボロボロ泣いて『I need money!』と彼にすがりつきました。必死の演技でしたね。さすがの彼も困惑したようで『家にあまり現金を置いてないから……』と言いながらもかき集めた230ドルを渡してきました

◆「70歳の老人男性」に驚愕した出来事

金銭トラブルが生じたパパは、他にも。

「月2000ドルで定期契約を持ち掛けてきた男性がいたのですが、『月末にまとめて払う』と言われ、それを了承したために初回は一銭もくれなかったんです。しかしだんだんと不安になり、二回目に会ったとき『今日の分は今日ちょうだい』と言って250ドルをもらいました。そして三回目は200ドル。それ以降は会えなくなってしまいました。初回分を取り損ねたのは悔しいですが、これは彼の言葉を鵜呑みにしてしまった私もバカでしたね

そして、吉田さんを恐怖のどん底に突き落としたのが、70歳の老人男性だった。

「彼はオーバーナイト(宿泊)を希望しており、プレイ後すぐに帰りたい私としてはちょっと面倒だったのですが、480ドルという条件の良さに加え『爺さんだからラクだろう』と甘く見てOKを出してしまいました。すると、一晩で10回以上も……。クタクタで最後のほうは寝たふりをしていたのですが、彼はお構いなしにはじめようとしてきたので驚愕しました。心の底から“おぞましい”と感じました」

◆「良いパパ」と「悪いパパ」が見分けられるように

そうして不愉快な経験を重ねていくうちに、良いパパと悪いパパの見分け方が分かってきたという。

「良いシュガーダディは、マッチングから金額交渉、そして会うまでの流れがとてもスムーズ。逆に、会う予定をなかなか立てず、メッセージ上でひたすら自撮りや下着の写真を求めてくる人もいました。かけたコスト以上の対価を得ようとする男性は多く、そういう人たちは実際に会ったとしても漏れなく全員ハズレ。相手にするだけ時間の無駄だと分かりました」

◆色々あったけれど「後悔はしていない」

さまざまな恐怖や苦痛に耐えながら、半年ほどで数万ドルを稼いだ吉田さん。危険な経験と引き換えに手に入れたのは、アメリカ各地を自由に飛び回る喜びだった。

シュガーダディからもらったお金を使い、ピッツバーグ、ニュージャージー、マイアミなど、一年間の留学期間で行けるだけたくさんの場所を訪れました。辛い思いもたくさんしたけれど、ビーチに横たわって美しい景色を眺めていたら、嫌なことはすべて忘れられるような気持ちになれましたね。もちろん、一歩間違えればもっと危険な目に遭っていたかもしれないし、そうなっていたら私は今ここにいないかもしれない。でも、アメリカでの素晴らしい旅の経験は一生の宝物なので、色んな意見があるとは思いますが、私自身は後悔していません

◆日本のほうがライトに性を換金できる?

最後に、なぜ「異国の地でパパ活を行う」という一大決心ができたのかについて尋ねると。

アメリカと違い、日本には合法の性風俗が山ほどあり、そのもう少し手前にキャバクララウンジなどがある。さらに言えば、アメリカのシュガーダディというシステムはかなりアンダーグラウンドなものですが、日本のパパ活は一般に広く浸透していますよね。アメリカよりも、日本のほうがライトに性を換金できるように感じます。それは決して悪い側面だけではないのですが、少なくとも日本でキャバクラのバイトを経験していなければ、アメリカで“自分の性を売り物にする”という考えには至らなかったように思います」

アメリカも日本も基本的に個人間の性売買は非合法であり、そこにはさまざまな危険が潜んでいる。安易に足を踏み入れることだけは絶対にしないでほしい。

<取材・文/渡辺ありさ

【渡辺ありさ
1994年生まれ。フリーランスライター兼タレント。ミス東スポ2022グランプリ受賞。東京スポーツ、週刊プレイボーイ、MEN’S NON-NO WEB、bizSPA!フレッシュなどで執筆。隔月刊漫画雑誌グランドジャンプめちゃ」にて連載中の漫画「スワイプ」の原作も務める

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