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 近年、ファッション業界では女性用ドレスに男性モデルを起用するなど多様性が尊重され、社会ではジェンダーレスな時代として誰もが着たい服を着たいときに着ることが自由になりつつある。

 そうした背景から、オーストラリアの水着会社は女性用の水着の宣伝に男性モデルを起用した。だがこれは裏目にでたようで、結果的に批判を集める結果になってしまったようだ。

【画像】 女性用水着に男性モデルを起用した水着会社がSNSで炎上

‘Trashed the culture to make a buck’: Bikini brand faces backlash for using male model

 オーストラリアのボディ・ポジティブ・インフルエンサー、カリーナ・イルビーさんが設立した水着ブランド「モアナビキニ(Moana Bikini)」が、女性用水着に男性モデルを起用したことで炎上した。

 同ブランド会社のインスタグラムに、男性モデルのジェイク・ヤングさんが白い女性用水着を着てポーズを取る動画が投稿されたのだ。

 投稿には多くの「いいね」がついているものの、コメントはほとんどが同社を批判するものだった。

・女性用の服に男性モデルを起用するのは多様性とは言わない。間違ったやりかただよ。

・行き過ぎたマーケティング戦略。

・購入者の対象が女性なら、これは良い宣伝とは言えないのでは。女性用にデザインされた水着を男性が着ても、女性が買いたくはならない。

・これは男性なの?女性用の水着に男性を起用するなんて、私たちの安全な空間、アイデンティティ、そして今はファッションといったものすべてを男性が乗っ取ろうとしているように感じるわ。

男性が女性用の水着を着て、それを女性向けに売り出そうとするのは賛成できないわ。私は10年間あなたのブランドの忠実な顧客だったけど、もうやめるわ。

 これら批判を受けたモアナビキニ設立者のカリーナ・イルビーさんは、次のように反論している。

モアナは2011年以来、何年にもわたって男女関係なくすべての身体を称賛し尊重してきました。

いまさら、女性用水着を着た男性が登場しても誰もショックを受けることはないはずです。

ですがこのプロモーションが本当にショックで、怒りを表明しなければならない人がいるのであれば、テイラー・スウィフトの『YOU NEED TO CALM DOWN』を聴くことを強く勧めます。

だって、今のあなたのために書かれた曲だと思いますから。

マイノリティに力を与えるもの、と男性モデル

 今回のモデルになったジェイクさんは、このように話している。

自分は女性ではないし、女性だと主張したこともありません。

この動画はマイノリティに力を与えるものだと思います。それについては自分を起用してくれたモアナにとても感謝しています。

女性にはいろいろなタイプがいます。あなたが考えているのとは違う解剖学的構造を持つ女性もいます。あなたの嫌悪感は、あなた自身の不安の反映であって、私の問題ではありません。

 ジェイクさん同様、批判に対するモアナビキニの反応は極めて堂々としたものだ。

 同社は、すべての人を満足させることは不可能だと認めた上で、「誇り高きゲイの男性が自信のあるかっこうをしているこの投稿に満足できないのであれば、スルーするかフォローを外せばいいのでは?」とコメントしている。

References:Bikini Company Receives Backlash for Using Male Model to Showcase Women’s Swimsuit/ written by Scarlet / edited by parumo

 
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女性用ビキニの宣伝に男性モデルを起用したところ非難の声多数