代替テキスト
これまで発言が”差別的”として批判を受けてきた杉田氏

日本国内にある慰安婦朝鮮半島出身労働者に関する碑や像もこれに続いてほしいです。嘘のモニュメントは日本に必要ありません》

Xにこう綴ったのは、杉田水脈衆議院議員(56)だ。2月2日群馬県高崎市の県立公園「群馬の森」に設置されていた朝鮮人労働者の追悼碑が、多くの人の反対を押し切って撤去された。

2004年、群馬県議会の賛同も得て、市民団体が建設した追悼碑。しかし、「政治的な行事をしない」という設置時の条件に反したとして、2014年に設置許可の更新を群馬県側が認めず、市民団体と裁判になっていた。追悼式で出席者が「強制連行の事実を訴えたい」と発言したことを群馬県側は政治的だと判断したという。

2022年、最高裁群馬県の判断は適法という判決が確定。これを根拠に、追悼碑は撤去されたが、群馬県山本一太知事(66)は「ルール違反だから撤去を決めた。碑文の中身に問題はない」と語っているように、撤去の理由は“歴史認識ではなく、あくまでも行政と定めたルールに反したため”、というのが群馬県側の言い分だ。

しかし、杉田氏は追悼碑を“嘘のモニュメント”と主張。さらに、別の場所にある朝鮮人労働者のブロンズ像の写真とともにこんなポストを続けた。

《この写真は、以前に取材し、記事にした京都にある徴用工像。韓国国なのものより先に建てられました。私有地ということで、撤去できない状態です。建てた団体は日本の中核派過激派労組と関係の深い韓国の労組。こちらも早く撤去できればいいのですが。》(原文ママ

私有地に建てられた像も撤去できればいいと綴った杉田氏。理由は、像が自分の歴史認識に反している存在だからということは明らかだ。これにはX上でこんな反応が。

《私有地なら問題ないじゃん》
《財産権の侵害であり、表現の自由に反す。憲法違反ですよ》
《明確な思想弾圧。国会議員がこんなことを言うとは》

過去に、書籍のなかの対談で杉田氏はこんなことも語っていた。

慰安婦像を何個建ててもそこが爆破されるとなったら、もうそれ以上、建てようと思わない。建つたびに、一つひとつ爆破すればいい》<『「歴史戦」はオンナの闘い』(PHP研究所)より>

自身の歴史認識に反したものは、法的根拠なく撤去や破壊されるべきという杉田氏。ちなみに、岸田政権は、村山談話なども含む、歴代の政権が表明した「反省とおわび」の立場を継承していることを明確にしている。