◆「ぱちんこ シン・エヴァンゲリオン」は勝てるのか?

 パチンコ界のコメンテイターは得意げに「前作よりも突入率がアップした高性能な機種」と長所ばかりをピックアップするけれど、誰かの原稿を読まされたようなセリフに常勝のヒントなどはない。本当にヤレるマシンだったら、「もう、これ以上は勘弁してくれよ」と店長さんが形相を変えて飛んでくる。そして「当店は特殊な打法を禁止しておりますのでルールに従っていただけますか?」だったり、「ご退店願います」と警告されてしまうはずだ。

 タチの悪い個人店だと、「てめえ!」と呼ばれて有無を言わさず出玉没収。逆に付け入る隙のないマシンならば、椅子に座っただけで店長は「キャッキャ」と大喜びするはずだ。さあ、客つき上々のシンエヴァはどっちだ。

◆「Typeレイ」と「Typeカヲル」の違いは

 2023年12月18日に2タイプが同時リリースされたわけだが、1日で体感できるほどのスペック差はない。それなのに、人気があるのは「Typeレイ」のみ。台枠に綾波レイ(ロングヘア)のオブジェが搭載されており、たしかに高揚感がある。

 これに比べて玉に接触することなく遊技できるスマートパチンコの「Typeカヲルは、質素なフォルムで客の目を引かない。まるで人気のないカラーを混在させて人気色の購買欲をそそるUNIQLOのヤリカタと同じ。これが意図的ならば、かなり尖った戦略だ。

 とはいえ客離れの激しいパチンコ業界に、この導入台数は多すぎた。すでに椅子取りゲームのような期間は過ぎ去り、客側が「どこで打とうかな」と選択できる状況になってしまった。そんな経緯があって、早くも「薄利営業するから、ご来店ください」と言わんばかりにヘソのアケを見かける。

◆シン・エヴァの位置付け

 導入台数の多い「Typeレイ」は、東京都の平常営業日だと1000円あたり16.5回転ほど。さらに店舗のLINEやXのポストで「シンエヴァ」の写真が添付される日には、1000円あたり18回転くらいで遊ばせてくれる。ただし、アタッカーへの余剰入賞狙いの効果が薄く、出玉は発表値よりも少ない1ラウンド139個ほど。

 コメンテーターたちは「シンエヴァTypeレイは、旧作エヴァ15の上位互換ですよ~」なんて言うけれど、いやいや、ホールでの実戦値は違う。

 ハンドルをヒョイと捻ってアタッカーに「10→11」と入賞させてやれば、1ラウンド143個ほど獲得できる。ようするに銭ゲバなパチンカーからすれば今作はプロ対策ver.で、「エヴァ15」の下位互換機なのだ。

3月4日に導入される「Typeゲンドウ」の攻略ポイント

 衰退の一途といわれるパチンコ業界で、これまで躍進を続けてきたSANKYO。このメーカーの次なる新台は、2024年3月4日から導入される「Typeゲンドウ」。これまた「Typeカヲル」と同じスマートパチンコで、プロ撲滅仕様の可能性が高い。

 効果的な技は、SANKYO系全般に通用する「ステージ止め」くらいだろう。ステージに玉が乗っかる直前に「玉と玉をブツケないように」と打ち出しを止めるだけで、回転率が0.5ほどUPする。

 常勝するために注目すべき点は、突入率や継続率じゃなくて「出禁報告の多さ」なのだ。それゆえに、トッププロたちは高期待値の実戦を求めて「シンエヴァ」よりも、「エヴァ15」を優先している。

 他のマシンも比較対象にすると、エヴァ15、海系、羽根モノ、その次に狙いたいマシンといったところだ。負けないように戦略を練って、楽しいパチンコライフをお送りください。

文/ミネッチ

【ミネッチ】
技術と釘読みで凌ぐパチプロ生活が20年。その稼働内容を、雑誌(パチンコオリジナル実戦術、必勝ガイドMAXなど)に寄稿し始めて10年が経つ。YouTubeの密着シリーズ(パチダンTV)は特に人気があり、70万回再生を超えた。

パチンコ雑誌のDVDやYouTubeなどで、パチンコ台の解説の仕事も行っているミネッチ氏