本来アラスカ州にしか生息していないアラスカヒグマ(コディアックヒグマ)の子供2頭が、フロリダ州の路上をとぼとぼと歩いているところを通行人らに発見された。
フロリダの自然にもクマは3000頭以上生息しているが、それらはアメリカクロクマの一種であり、アラスカヒグマは存在しない。
通行人らは「見慣れない種類のクマが路上をさまよっている」と保安官事務所に通報。通報をうけた保安官は、フロリダ魚類野生生物局に連絡をとり、アラスカ原産の子グマたちを保護してもらった。
とても人懐っこいこの2匹は安全に保護されたが、なぜ故郷から5800kmも離れた場所をさまよっていたのか?それにはこんな背景があったようだ。
1月5日の午前3時30分頃、フロリダ州オカルーサ郡保安官事務所(OCSO)は、オールドリバーロード沿いで2匹の子グマが路上をさまよっているとの通報を受けて出動した。
通報者によると、目撃した子グマたちは、フロリダ州に生息するアメリカクロクマとは違う種のようだという。
その指摘は正しかった。これらの子グマたちは、アラスカ半島沿岸部およびコディアック島近辺の島々にのみ生息する「アラスカヒグマ(コディアックヒグマ)」だったのだ。
保安官事務所は、フロリダ州の魚類野生生物局(FWS)に連絡を取り、子グマたちを安全に保護してもらうことにした。
子グマたちは人懐っこく、保安官のパトカーを興味深く覗いたり、近くに来た野生生物局の職員にすりよっていった。
健康状態も良かったようで、職員は子熊たちを安全に保護した。
無許可で飼育していた住宅から脱走したことが判明
アラスカからフロリダまで約5800kmも離れている。彼らはなぜいったいこんなところにいるのか?
警察とFWCは、彼らがどうしてこの場所をさまよっていたのかを徹底的に調査した。
その結果、これらの子グマたちは、オールドリバーロードに住む自称「クマの訓練師」を名乗る男性の住居の野外にある不適切な囲いから脱走したことが判明した。
保安官事務所によると、男性はフロリダ州の野生生物に関する様々な法律違反で起訴されることになるという。
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アラスカヒグマの子供たちは現在FWCで保護しているが、男性に返されるかどうかは不明だ。
アラスカヒグマは、アラスカ半島沿岸部およびコディアック諸島に生息する固有種で、毛色は、 深い茶色から金色をしている。
成獣になるとホッキョクグマに匹敵するほど大きくなり、立った状態での高さは3m以上になることもある。体重はオスで最大680kgにもなる。
雑食性で、サーモン、イチゴ、草、根、小動物など多岐にわたる食料を摂取する。
コディアック群島では生息地を保護するため、法律によって厳格に管理されている。
written by parumo
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