野田サトルの人気漫画を原作に山崎賢人主演で実写化し、現在大ヒット中の映画『ゴールデンカムイ』(公開中)。原作に忠実な世界観、キャラクターの再現度が高いと好評な本作は、ビジュアルのみならず役者陣のパフォーマンスにより、個性的すぎるキャラクターたちの魅力がより増したものになっている。原作は全31巻で全314話。今回の映画で描かれたのは原作の第20話あたり、3巻の冒頭あたりまで。本記事では、これだけ押さえておけばキャラ予習は完璧!といえる、映画『ゴールデンカムイ』の個性溢れるキャラクターと本作での見どころを紹介していく。

【写真を見る】これさえ読めば完璧!映画『ゴールデンカムイ』に登場する16人のキャラクターを一挙解説

本作の舞台は明治末期、日露戦争終結直後の北海道。“不死身の杉元”の異名をとる元陸軍兵の杉元佐一(山崎賢人)とアイヌの少女アシリパ(山田杏奈)が、アイヌの埋蔵金(金塊)の在り処が描かれた「刺青人皮(いれずみにんぴ)」を求めて旅をするなか、軍人や脱獄囚らとバトルを繰り広げるサバイバル・アクション。映画では2人の冒険のはじまりまでが描かれ、今後の展開が気になるところでいったん幕を閉じた。本作で一瞬だけ姿を見せたキャラクターたちが、今後どのように物語に絡んでくるのかも気になるところ。いろいろと想像を膨らませるためにも、映画に登場する16人のキャラクターをしっかり把握しておくのがおすすめだ。

■映画『ゴールデンカムイ』のメインキャラクターたち

杉元佐一(すぎもとさいち)/山崎賢人

元陸軍兵。原作でもお馴染みのセリフ「俺は不死身の杉元だ!」は映画にも登場。ある目的のために大金を必要としている。年下のアシリパを「さん」づけで呼ぶ誠実さを持つ。屈強な軍人の杉元を演じるにあたり体重を約10kg増量して撮影に挑んだ山崎。アクションシーンのたくましさと、アシリパとの食事シーンなどで見せる優しさとピュアさのギャップも最高!

アシリパ/山田杏奈

ヒグマに襲われる杉元を助けたことから相棒として旅をすることになるアイヌの少女。北海道の過酷な自然のなかで生きるための豊富な知識を持つ。アイヌ民族から金塊を奪った男に父親のアチャを殺され、父の仇を討ちたいと願っている。原作でも人気の愛嬌ある“変顔”などコミカルなシーンだけでなく、雪のなかで繰り広げるアクロバティックなアクションシーンも見どころ。アシリパの芯の強さを感じる目ヂカラ、吸い込まれそうなブルーの瞳も忠実に再現している。

尾形百之助(おがたひゃくのすけ)/眞栄田郷敦

大日本帝国陸軍第七師団上等兵。兵士として卓越した才を持つ凄腕スナイパー。眞栄田の眼光の鋭さが尾形の印象的な目にピッタリ。行動の目的は原作でも最終巻まで明かされていない、かなりミステリアスな存在。杉元と繰り広げるアクションシーンは本作の見せ場のひとつ。

白石由竹(しらいしよしたけ)/矢本悠馬

“脱獄王”の異名を持つ天才脱獄犯。主にコメディパート担当だが、ここぞという時に意外にも頼れる存在。原作ファンにお馴染みのポーズも披露。さらに、ふんどし姿で油まみれになり杉元の監禁場所に潜り込む“ヌルヌルシーン”もしっかり再現。肌のテカリ具合や妖怪じみた動き、どこか得意げな表情のバランスは完璧。このシーンを撮影するために、半年かけてカラダ作りをしたそう!

鶴見篤四郎(つるみとくしろう)/玉木宏

大日本帝国陸軍第七師団の中尉。杉元やアシリパと同じように金塊をねらっている。情報収集や分析能力に長ける情報将校だが、日露戦争で前頭部を損傷し、プロテクターで保護している。興奮するとプロテクターから“脳汁”が溢れるシーンをはじめ、言動から時折のぞく狂気がたまらない。漫画でお馴染みの小指を立てる仕草や、上官の指を食いちぎるシーンもしっかり再現。鶴見中尉ダッシュ姿もクセになる!

土方歳三(ひじかたとしぞう)/舘ひろし

杉元、鶴見と同じく金塊をねらう、元新撰組・鬼の副長。戊辰戦争で戦死したとされていたが、政治犯として幽閉され生きながらえていた。出てくるシーンすべてがダンディ。さらにSNSを沸かせたのは「いくつになっても男子は刀を振り回すのが好きだろう」というセリフ。実は舘にとって、土方歳三はずっと演じてみたいキャラクターだったそう。役作りには原作漫画と土方に関する本を読み直すことでイメージを膨らませたという。

二階堂浩平・洋平(にかいどうこうへい・ようへい)/柳俊太郎

大日本帝国陸軍第七師団一等卒。外見のみでなく挙動や性格まで似通っている双子の軍人で、柳が一人二役で演じている。言動や佇まいに不気味な雰囲気が漂うキャラクターだが、なかでも印象的なのは、ニョキっとした首の動き。2人揃うと絶妙に気持ち悪くてクセになり、どこか愛嬌も感じられるのが厄介。アクションシーンの見せ場もあり、狂気満載の二階堂にしか出せない味が堪能できる。2人いるけれど唯一無二!

■続編への期待高まる!謎めくキャラクターたち

牛山辰馬(うしやまたつうま)/勝矢

不敗の牛山”と呼ばれる柔道の達人。大柄で強靭な肉体と、石のように硬い頭を持つ。同じく脱獄犯である新撰組副長、土方歳三らと行動を共にし、杉元らと対峙する。トレードマークは額にある四角いコブ。この特殊メイクNetflixシリーズ「サンクチュアリ -聖域-」などを手がけた特殊メイクアップアーティスト、中田彰輝が担当している。額にばかり目が行きがちだが、実は耳も特殊メイクなのだそう。

永倉新八(ながくらしんぱち)/木場勝己

元・新撰組二番隊組長で“新撰組最強の剣士”と呼ばれた剣の達人。木場は本作で初めて漫画原作の作品に出演。隠居して穏やかな雰囲気を漂わせているものの、戦闘になれば新撰組最強の剣士の片鱗を見せると想像するだけで、ちょっと怖い存在。

月島基(つきしまはじめ)/工藤阿須加

大日本帝国陸軍第七師団軍曹。同部隊上司である鶴見中尉の側近。鶴見中尉の命令はすべて遂行。原作では小柄で屈強な兵士だが、長身の工藤が演じても違和感なし。映画での見せ場は杉元とのアクションシーン。

谷垣源次郎(たにがきげんじろう)/大谷亮平

大日本帝国陸軍第七師団一等卒。東北マタギの生まれで、山で生きる術を身に付けている。原作者の野田サトルが愛してやまないキャラクターの一人としてファンの間では有名。大谷演じる谷垣の眉毛がお気に入りなのだとか。

後藤竹千代(ごとうたけちよ)/マキタスポーツ

北海道に砂金を探しにきた杉元に、北海道に眠る莫大な金塊の存在を伝える男。原作第1話に登場。後藤の存在が物語のはじまりに。出番は少ないもの、物語の起点となるキャラのためインパクトは大!

大叔父/秋辺デボ

アシリパの大叔父で、彼女の幸せを願っている。秋辺は髭と髪の毛を伸ばし撮影に挑んだという。映画ではアイヌ文化の監修も務めている。

フチ/大方斐紗子

アシリパの祖母。アイヌの古い教えを大切にしながら日々を生きている。口の周りの刺青が印象的。コタン(村)にやってきた杉元を優しくもてなす。

梅子(うめこ)/高畑充希

杉元の幼なじみで想い人。杉元が金塊を探す動機となった人物の一人。

寅次(とらじ)/泉澤祐希

杉元と梅子の幼なじみ。杉元とともに二〇三高地の戦場へ出向く。

映画ではエンドロール後に新キャストの姿がちらりと映るサプライズな演出も。新キャストも「ハマってる」との声も多く、魅力たっぷりの個性的なキャラクターが登場しそうな続編への期待は高まるばかりだ。

山崎賢人の「崎」は「たつさき」、柳俊太郎の「柳」は木へんに夘、アシリパの「リ」は小文字、が正式表記。

文/タナカシノブ

キャラが濃い&多すぎ!大所帯の『ゴールデンカムイ』16人のキャラクターをまとめ /[c]野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会